berg yamachi yukari

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最近の記事

燕子花

読めるでしょうか? カキツバタといいます。 私は読めませんでした。 燕子花はアヤメ科の植物です 丁度今頃、4月末から5月にかけて 水辺に濃い紫色の花を咲かせます。 私は昨年より日本の美術、芸術に興味を持ち始めました。 日本美術の本を見ていた時に 国宝の「燕子花図」尾形光琳 の絵が目に飛び込んできて 黄色の背景に群青色の花、剣先の様な葉がとても美しく記憶に残っていました。 そしてこの「燕子花図」は根津美術館が所属しており、根津美術館内にある中庭の池に咲く燕子花の花と合わせ

    • アカいヒカリの素材

      今年は鮮やかな日本の色彩から 人が初めて色を認識したと言われている色 赤に注目して6月に向けてバッグ作りを進めています。 私は古着をリメイクしてものづくりをしているので、素材を集めるために、古着屋さんを回ります。 カア色、今年は鮮やかな色を取り入れたくて気持ちががそれらに向かいます。 赤にも様々な赤があり、 私の好きな赤があります。 例えば、 茜色 茜草の根で染めた黒がかった赤 葡萄色(えびいろ) 生の伊勢海老の色、山葡萄の色 赤橙色 熟した果物の橙の様な色完熟の柿のよ

      • デザインの数値を読む

        洋服のパターンを引く バッグのパターンを引く時に 様々な数値が必要になります。 (どんなものもつくる時には必要です) H×W×D なんの表記でしょうか? Height×Width×Depth 高さ×横幅×奥行き 立体の数値を表す為の表記ですね。 私は服飾の学校へ行きましたが、数字を見て立体物を想像する事がとても苦手で、洋服のパターンはとても難しいと思っていました。 そしてその時に、洋服のパタンナーになるセンスが私にはないと愕然としたのです。 しかし、ものづくりをす

        • 環境に良いものづくりとは?

          私は、 青春時代にファッションの世界に憧れ、 洋服を作る勉強をする為に上京しました。 何かを創造する事が小さな頃から大好きで、ものづくりをずっと続けたいという思いがありました。ファッションについて、洋服つくりについて学んでいた頃、世の中はエコブームとファストファッションブームが同時に起きていました。 大量生産、大量消費のアパレル産業 天然素材、着心地の良い服作りと生活 古着の9割が燃やされていてその燃料費もとても高いという事を知った私は、私が学んできたものづくりとは何だろう?

          ヘンプと大麻

          前回「リネンと麻」という記事を書きました。 麻の種類について触れたのですが、 その中でヘンプ=大麻と書いています。 「大麻」みなさんはどんな印象をお持ちでしょうか? なんだか怪しいにおいがしますよね。 私も前回少し調べていて日本では栽培禁止になったとか、大麻を違法に育てていた人が捕まったというニュースを見た事もあり、あまり大きく触れてはいけない様に思っていました。 しかし、ヘンプはどうでしょうか? 衣類やバッグなどの製品を見た事があるし、 生地屋さんにも売っています。 ヘ

          リネンと麻

          私は使われなくなった古い布や着られなくなった古着をリメイクしてものづくりをしています。 ここ数年、 好んで取り入れ始めた フランスのアンティークリネン サンドカラーに白い大きなストライプ柄 に織られた大きな布 これはティッキングリネンと呼ばれ、古いものは1930年代にマットレスの張り布として使用されていたようです。当時、マットレスの中に詰めていた藁や羽毛が外に飛び出さないように厚く密度のある織りものとしてもリネンは重宝されました。 この様なリネンのファブリックは アンテ

          JAPAN 漆

          先日、漆器を見る機会がありました。 赤、黒、そして金色も入っており とても艶やかで美しい器でした。 これも日本の赤だなと言う事で、 年明けから赤に夢中の私は漆塗りについて調べてみる事にしました。 漆(うるし)は うるし科の植物から取れる天然の塗料です。 漆の木肌を傷つけると出てくる液体なのですが、始めは黄色みがかった白い色をしているのだそうです。 そこに”ある”ものを混ぜて赤や黒の漆塗料を作ります。 その”ある”ものとは… 赤色は 弁柄(ベンカラ)と言う赤鉄鉱や赤土から

          バッグのカタチ

          私は古着をリメイクしてバッグを作っています。 古着屋さんを巡って気に入った洋服を集めてパッチワークします。 20代の頃の作品はトートバッグの様に口が開いていて、持ち手の付いた簡単なものでした。 私自身も好んで日常で使っていたのですが、 その頃、御年配の方から「ファスナーが付いていないと中身が見えてしまって不安だわ」 というお声を頂いた事があります。 当時は、見た目重視! ファスナーが付いたデザインが好みではなく 頭を悩ませました。 あれから… 私も歳を重ね、中身が見えてしま

          バッグのカタチ

          アカいヒカリ

          アカい色 年明けに華やかな日本の色彩を観てきてから、 アカい色に注目し、アカい色について調べています。 日本の配色について本を読んでいると、 アカは人間が最初に認識し、関心を示した色と言われている。とありました。 太陽によって一日が「アケル」 そのアケルという言葉が「アカ」になったと 夜明けとともに空がアカく色づいていく状態 暗闇からアカい光が徐々に闇を照らし明るくしてゆく 昔、登った山から見た朝日は 体が震えるほどに美しかった 暗くて怖い夜を過ごし、夜が明けるその時

          洋服のお直しの話し

          私は今、洋服のリメイクでバッグをつくる活動をしながら、お直し屋さんで働いています。 洋服のお直しには色々とありまして、 パンツやスカートの丈を詰めたり ウエストを調整したり ジャケットやシャツの袖丈を詰めたり するお馴染みのお直しから、 洋服を自分自身のベストなバランスで着こなす為のお直しというものもあります。 ほんの少しの微調整なのですが、作業としては大変大掛かりな事が多く、場合よってはお洋服と同じくらい、もしくはそれ以上に高い料金になることもあります。 しかし、ご依頼

          洋服のお直しの話し

          朱の配分 

          赤 私の中にある憧れの色 中学生の頃憧れた赤いTシャツ 祝いの時に着た朱色の着物 赤いワンピース 赤い靴下 赤を大胆に身に付けたいという思いの時もあれば、差し色に少し赤を足すという事もありました。 最近、赤を身につけることが無かったなと思いいながら、また赤への魅力が湧いてきたのです。 黒や紺の中に赤を少し足すととても引き立つ様な、今は差し色としての赤の配分を、 良いバランスを探っています。 日本の色の歴史の中にも赤、朱色は古代から多く取り入れられてきました。 赤は生命

          染織の美

          「繍と織」華麗なる日本染め織の世界 根津美術館の企画展へ行ってきました。 仏教染織、唐織や縫箔といった能装束や、 江戸時代の小袖や振袖など幅広い時代の 染織品を見ることができました。 奈良時代から安土桃山、江戸、明治時代の 織物、刺繍、染物を時代ごとに追っていき 表現方法や技術の進化と時代事の流行り等もよく分かる展示となっていました。 色付きの無地織物に刺繍で模様を施していたものから始まり、織方で模様を表した時代、染で模様を描いていく時代と移り変わり さらに時代を下っ

          彩り 新しい年に向けて

          私はこれまで、古着や、古い布を用いてバッグを創作してきました。 もっと良いものをつくりたい。 良い仕事をしたい。 私のつくるもの意味とは。 そんな事を考えながらやってきました。 今年はものづくりを通して、フランスのアンティークレースの魅力にはまり、 1900年代のフランスの洋服、レースの歴史などに触れて来ました。 そこから西洋美術の世界に広がり、19世紀末から始まった美術運動、アール・ヌーヴォーについて調べた時には植物や自然の中からデザインされた美術品、建物。クラフトマンシッ

          彩り 新しい年に向けて

          今年のberg yamachi yukariの展示会が 全て終わりました。 ご来場頂きました皆様、貴重なお時間を 本当にありがとうございました。 一緒に展示会をした仲間にも沢山助けられ、  無事に終わる事が出来ました。 いつもいつも、感謝しかありません。 ありがとうございます。 展示会をするというのは、作品を通して色々な人と繋がる大切な場であり、時間です。 ものづくりを通して繋がる仲間 好きを共感できる友人や、お客様 そして新しい出逢い。 1人では何も出来ません。 皆様のお

          berg yamachi yukari展示会

          2023 12/9.10の2日間 恵比寿のギャラリーで合同展示会を致します。 私は、古着をリメイクしてバッグや小物をつくっています。 古着屋さんを巡り、気に入った洋服(私にとっては素材なのです)を集め、バッグをつくります。 思いのままにデザインしているのですが、 「デザイン」と「機能性、実用性」 との間を行ったり来たり… この課題には終わりがありません。 私は、bergというブランドのデザイナーであるのですが、私のものづくりの先には、 明確な誰かの為に、その方だけの特別

          berg yamachi yukari展示会

          自然の中にある色彩

          スコットランドの北西部に位置するハリス島とルイス島 ハリスツイードの生産地です。 ハリスツイードのミルと呼ばれる紡績工場で、染色、紡績された糸を、織り職人が自宅の織り機で手織りで作られたもの。 すべての工程が、ハリス島、ルイス島で行われていることがハリスツイードとしての条件なのだそうです。 羊毛を刈り上げてから原毛を洗い、染色して、糸にし、生地になるまで、さまざまな工程があります。 「ハリスツイードとアランセーター」 著 長谷川喜美/写真 阿部雄介 3年ほど前に読んだ

          自然の中にある色彩