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環境に良いものづくりとは?

私は、
青春時代にファッションの世界に憧れ、
洋服を作る勉強をする為に上京しました。
何かを創造する事が小さな頃から大好きで、ものづくりをずっと続けたいという思いがありました。ファッションについて、洋服つくりについて学んでいた頃、世の中はエコブームとファストファッションブームが同時に起きていました。
大量生産、大量消費のアパレル産業
天然素材、着心地の良い服作りと生活
古着の9割が燃やされていてその燃料費もとても高いという事を知った私は、私が学んできたものづくりとは何だろう?こんなにもので溢れかえった世界に私がものを生み出す意味があるのだろうか?などと悶々と考えどうして良いのか分からない日々を過ごしました。
ものを作ったらダメなのか?
お洒落をしたら悪いのか?…

それでも創造したいという気持ちを私は
洋服のリメイクというカタチで表そうとしました。

既にこの世界に生まれたもので
時が経って着られなくなったものを使って
新しい何かがつくれたら
それは物だけでは無い何かになるのではないか?
bergベルグという名前でものづくりの活動が始まりました。
環境について考え、ライフスタイルを変えていこうという流れが世の中にあり、私もその考えに共感し、着るもやつくるものに制限をかけていました。
バッグをつくる素材は天然素材!
デニムやコットンのしっかりとした素材の洋服と
カラフルなコットンやリネンのシャツなど、
冬にはウール100%のセーターやツイードなど…

天然素材を集めてものづくりをして、
それらは使えば使うほど風合いがます。
それがその頃は好きでした。
柄物や色が綺麗なシャツなどはパッチワークにしてみたり、デザインは楽しかったのですが、

年齢を重ね、自分自身でつかい続けて思った事。コットンやリネンのシャツやスカートの様な薄手の洋服は摩擦に弱く、擦れたり、切れたりしてしまったり、綺麗な色があせてしまうという欠点がある事でした。
これは"あじ"と言えるのか?
度を過ぎるとそれは違うのでは無いか?
そして、古着屋さんを巡って分かった事は、沢山ある洋服の多くが化学繊維で出来ていると言う事でした。
面白い素材だなぁと思って品質タグを見るとポリエステルや、レーヨンの化学繊維で
ああ使えないなぁと諦めたり、
コットンやリネンの雰囲気の良い洋服を見て、耐久性が心配で選べなかったりとつくりたいものと素材が上手くマッチするのは難しいなと思いながら、それでも何とかならないかと、ものづくりを続けています。
先日、「燃えるドレスを紡いで」と言う映画を観ました。
パリオートクチュールコレクション公式ゲストデザイナーとしてパリコレクションで作品を発表し続けている中里唯馬さんというファッションデザイナーのドキュメンタリー映画です。
新しいファッションが生まれる街フランス
パリコレクションを経験してきた中里さんが、洋服が最後に行き着く場所をこの目で見たいとアフリカのケニアへ足を運び、今、現実に起きている事を見て、これからの洋服作り、ファッションについて考え直し、新たな挑戦をしていくストーリーです。
地球上で生まれた洋服の75%が集まる街
そして、更に着られない粗雑な物が集められる場所。
そこはゴミの山でした。
スクリーンから伝わる現実の世界はとても残酷で、私が昔抱いていたモヤモヤとした気持ちが蘇ってきました。
ゴミの山から美しいドレスはつくれるのか?
自問自答し、挑戦をしていく姿、完成したパリコレクションの作品はとても美しいものでした。

「燃えるドレスを紡いで」を見て、
私は、昔の私では考えられなかった未来への希望と可能性を考えられるかもしれないと勇気をもらいました。
何が良いもので、何が良くないものなのか?
それは見る角度によって全く変わるという事。
天然素材だから環境にいいのでしょうか?
沢山生産をする為に膨大な土地、水、農薬を使って作られていたら?
化学繊維は本当に環境に良く無いのでしょうか?
始まりは19世紀後半、高価な絹の代わりになる繊維としてレーヨンが誕生しました。
ポリエステルや、ナイロンも安定して取ることが難しい天然素材の代用として生まれ、その丈夫で、耐久性に優れた素材は、テクノロジーの進化と共により良く進化し続けています。
天然繊維、化学繊維について調べていて、
それぞれいい面もあるが弱いところもあるので素材を掛け合わせてそれぞれの特徴を活かした生地づくりをするという文章を読み私は、
人間のチームワークみたいで良いなと思いました。
しかし、「燃えるドレスを紡いで」の映画の中で、何故、洋服のリサイクルが進まないのか?
と言う問題に、様々な繊維が混ざり合っている為に分解する事が難しいからだというお話しがありました。
なんと…
難しい問題ですが、ものづくりを通して考え続けたい課題だと強く感じました。

トップ画像は
ベルベットの絞り染めされた古着のスカートです。
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とてもよい映画でしたので、載せさせて頂きます。
http://dust-to-dust.jp/#












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