つかのまに

自分が納得するための書き置き。 今日が昨日より少しでもよいと思えるように。

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マガジン

  • ずっともがいてきたこと

    主に摂食障害に関する個人的なマガジンですが、どんな方にでも届くものがあれば嬉しいです。 ちょっとやばいな、と感じ始めた時、真っ只中の時、なんでもない時。誰がどの程度つらいかを比べるためではなく、何度でも立ち上がれると信じるために。

最近の記事

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変化のはじまりかた

頭が重いから、と夫が仕事を早退するらしい。 最寄りの駅まで迎えに行く。 夜は商店街で風俗店の呼び込みをしている黒服さんが、駅の出口でポケットティッシュを配っている。 手を伸ばしてティッシュを受け取って、「お疲れ様です」と声をかけたら、嬉しそうな顔で頷いてくれた。 帰宅した夫は、冷たいトルティーヤをいくつかとサンドイッチを2切れ食べて、さらにはボウルいっぱのシリアルも平らげて、寝た。 熱はないようで安心した。 きっと夕飯はいらないか、遅い時間になるだろう。ひとりで少し散歩をする

    • ハートの在処と描き方

      子供の頃からハートを描くのが下手だった。 ふっくらしたのを描く子、小さいのをいくつも描く子(自分も試したら虫みたいで受け付けなかった)、片方ずつ描く子。 わたしのは細かった。 そんなことをふと思い出した。 noteを書くようになってから、書きたいことが誰かへの批難になっていないかと立ち止まる場面が増えた。 顔も名前も知らない誰かの受け取り方を気にしてしまういうよりは、その誰かがわたしの投稿を読んで「これは自分のことかもしれない」と傷ついたり怯えたりする可能性を考える。 今

      • 這いつくばってでも進むんだよ

        吐こうと思えば吐けるのだけど、敢えてそうしない。 自分の尺度では明らかに多すぎる量の特定の成分を摂取しても、吐くことを選ばない。 わたしは、そうしないことを選べる。選んでもいいし、選ばなくてもいい。 5分ほど歩いたり、お湯を沸かしてお茶の準備をしたりして、「吐かなければ」という焦りをごまかせるようになった。 過食嘔吐に関して、外側から思わぬ言葉や刺激を投げ込まれても受け流せるようになった(そうとしか受け取れない自分の器の小ささよ)。 今だけかもしれない。また何かをきっかけに苛

        • 諦めの亜種

          母に纏わる行政上の手続きや会葬のお礼などがあらかた済んだ。父と手分けしたり、連絡を取り合ったりしながら進めたものの、いつも何か失念していないかと落ち着かなかったし、そもそも平日は仕事があるので時間にも追われた。 静かに過ごしたいという心からの願いを口にするのは憚られ、新しい部署では関わる人の数が今までの4倍以上に増え、新しい上司には役割期待を明確に伝えられた。 noteには嫌気がさして、一度やめるメリット・デメリットを書き出した(断然メリットの数が多かった)。 スマホの画面に

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        マガジン

        • ずっともがいてきたこと
          5本

        記事

          大きく感情を乱すことなく、淡々と仕事をしたり家事をしたり。何かに感激も関心も振り向けられないけど、そういう時期だと思って、また淡々とした気持ちで今日を終える。

          大きく感情を乱すことなく、淡々と仕事をしたり家事をしたり。何かに感激も関心も振り向けられないけど、そういう時期だと思って、また淡々とした気持ちで今日を終える。

          戻ってきた

          ここ何年か、子供の頃に好きだった音楽を聴き通すことができなかった。 YouTubeでも、インタビューや学習系の動画はそれなりの長さでも視聴できたし、配偶者が選んだ音楽も聴けたけど、好きだった曲やバンドへの懐かしさや愛着だけが湧いて来ず、それにも気がつかなかった。 母の容態が急変した頃、なぜか頭をよぎったのがRadiohead。アルバム毎に批判されることが多かったようだけど、わたしはどのアルバムも好きだったし、特に好きないくつかの曲は1日に何度も何度もCD プレーヤーで聴いた

          いつか厚いガラス瓶を叩くのをやめる日が来る

          ずっと捨てたかった使いかけの香水を割った。 どんなにペンチでスプレーヘッドを捻っても開かないし、何度瓶を叩いても割れなくて、渋々当時住んでいた土地から海を越えて今の住まいに持って来たのが2年半前。 この間、ふと思い立ってまたペンチでスプレーヘッドを挟んだ瞬間、細かい飴細工のような破片が飛び散った。広がった香りでしたたか咽せた。 過食嘔吐に関する話は、些細なことが積み重なってnoteに書けるようになった。 その過食嘔吐自体の始まりは、よくある痩せ願望でもないし、母親との愛着問

          いつか厚いガラス瓶を叩くのをやめる日が来る

          でも、きれいだった

          「いつか『あの時あんな空を見たな』と思い出したりするんだろうか」 そう思いながら赤信号で立ち止まり、肩から下げた買い物袋を背負い直し、この時期にしては珍しい大きな雲を眺めた。夕方のトロンとした青い空だった。 あんまり大きな雲だから写真に撮ろうか迷ったけど、車の往来が多く、なんだか気恥ずかしくてやめた。 信号が変わり、静かな小路に入ってこっそりスマートフォンを構えたけど、そこから見た雲はもう形も大きさも違っていた。あまつさえ屋根や電線に分断されていた。 その翌日、わたしは病院

          でも、きれいだった

          【2024年の記録】4月28日更新(次回5月1日)

          ※過食嘔吐の事務的な記録です。読み進められそうな方はどうぞ。 当事者でない方も、ご興味がありましたらご一読ください。 チラシの裏 食べたら吐いてしまう。そんなことを長らく繰り返している。 やめたいのかどうかさえわからなくなってきた。 いくつかの理由によって、今まで一度も病院へ通う必要性を感じなかったし、頻度が減ってきたここ数年は、ICD-11の分類には該当しないなら摂食障害だと言うのも違う気がしている。 吐いてしまう頻度をnoteへ記録しようと決めたのは、このマイナスな行

          【2024年の記録】4月28日更新(次回5月1日)

          おめでとう、わたし

          昇進が内定した。 他部門が興味を示しているらしい、という曖昧な話を上司からもらい、実際にその部門の長たちと面談したのが数週間前。 以来、何の音沙汰もなく落ち着かない気分だったけど、異動だけでなく昇進もするらしいことがついさっきわかった。 同僚からの「他所に拾ってもらったの?」という下卑た声かけを、わたしも曖昧にかわす。 その歳で?その歳なのに?女なのに?結婚してるのに?まだやるの?もうやめてね? 振り返れば、いつもヘラヘラと作り笑いを浮かべながら、時々、すみませんと不必要に

          おめでとう、わたし

          自分へスキを送る日まで

          口に合わないコーヒーをすすりながら、パソコンに向かっている。 午前中から昼過ぎにかけて気分が優れず、何度も吐いた。 原因はわかっている。もっと言うと、原因になり得る状況を回避する機会は何度もあったのに、そうしなかったことに端を発している。 気晴らしにnoteのおすすめ記事を読もうとするのだけど、全く集中できない。この原因もわかっている。 本当に? 渡りに船とはよく言ったもので、タイミングよくかかってきたいくつかの電話で明るく行儀よく振る舞ううちに、気持ちが落ち着いた。 数

          自分へスキを送る日まで

          いつかこれを読んでくれるあなたへ

          ※一部、摂食障害に関する記載があります。読み進められそうな方だけどうぞ。摂食障害に関係しない方も、ご興味がありましたらご一読ください。 解決の緒を探していたのかもしれない これから、時々過食嘔吐について書こうと決めた。恐らく何本か書くけど、どんな形にするかはまだ決めていない。 noteを始めたばかりの頃は、何について読みたいのか定まっていなかった。 広いnoteの中をそぞろ歩きしたり、特定のキーワードから記事を探したりするよりは、知りたい事柄をネット検索し、ヒットしたサイ

          いつかこれを読んでくれるあなたへ

          交歓を行わないだけのこと

          図らずも読書が捗った。 読む時間なんてないだろうと思いつつ、読みはじめたばかりの単行本をバッグに入れておいてよかった。 ページを繰りながら、隣席の笑い声や遠くに聞こえる女将さんの声に耳をすませる。「いらっしゃいまし」。 約束の時間を10分過ぎた頃、電車が遅れているとメッセージが届いた。 運行状況を見ると、どの路線も遅延していない。 「まだお時間がありますから」と、女将さんがお茶を出してくれた。 本が終盤に差し掛かった頃、彼女がえへらえへらと無線イヤホンを外しながら入室してき

          交歓を行わないだけのこと

          開いていくこと、閉じていくこと、あるいは

          妙に家事に集中力を注いだ週があり、 寒くて寒くて仕方のない週があり、 食欲が旺盛な週があり(でも、それほど食べられなかった)、 とにかく眠い週があり、 今週は無性にカロリーメイトを欲している週。今日で1箱と半分。最後に食べたのは20年近く前なんじゃないか。 目に映るものは全部捨ててしまいたいと感じていたのに、必要なものを書き出してみたら、それは目に映るものばかりだった。 やるべきことをひとつずつこなしてきたつもりが、目の前には手つかずのことが多くあった。 まだある。 つま

          開いていくこと、閉じていくこと、あるいは

          唐突にカミングアウトする

          コンビニを2軒廻り、何も買わずに帰ってきた。 寒さで手がかじかんでいる。 コートを引っ掛けるのももどかしく、財布とエコバッグを引っ掴んで外に出た。 あれを食べよう、食べたくないけど吐きやすいからあれも食べよう。あの歯応えが欲しい。頭に浮かぶいくつかの食べ物を反芻しながら、まだ家族が帰宅するまでには時間があるなと「所要時間」も計算した。いける、と。 最初のコンビニに思っていた商品がなかった。 やめようと外に出たものの、自宅の前を通り越して別の店に向かった。 目当ての売り場前に

          唐突にカミングアウトする

          空が狭く見えるだけ。本当に狭いわけじゃない。 何を見るか、どう見るか、自分の責任で選んでいく。 前の記事に書いた「ちょっと嫌な体験」にまだ引っ張られていたので、自分を立て直すためのつぶやきメモ。引っ張られた、という被害者意識をやめて、自ら引きずっていたことを認める。

          空が狭く見えるだけ。本当に狭いわけじゃない。 何を見るか、どう見るか、自分の責任で選んでいく。 前の記事に書いた「ちょっと嫌な体験」にまだ引っ張られていたので、自分を立て直すためのつぶやきメモ。引っ張られた、という被害者意識をやめて、自ら引きずっていたことを認める。