変化のはじまりかた
頭が重いから、と夫が仕事を早退するらしい。
最寄りの駅まで迎えに行く。
夜は商店街で風俗店の呼び込みをしている黒服さんが、駅の出口でポケットティッシュを配っている。
手を伸ばしてティッシュを受け取って、「お疲れ様です」と声をかけたら、嬉しそうな顔で頷いてくれた。
帰宅した夫は、冷たいトルティーヤをいくつかとサンドイッチを2切れ食べて、さらにはボウルいっぱのシリアルも平らげて、寝た。
熱はないようで安心した。
きっと夕飯はいらないか、遅い時間になるだろう。ひとりで少し散歩をする