映画"横道世之介"を見て、加藤雄介が気になった話。

初めて書くnoteが横道世之介に出てくる加藤雄介の話からでいいのか書きながらめちゃくちゃ悩んだ。何なら今も若干悩んでる。
(正直カラオケ行こ!の狂児の話とかMIU404の伊吹の話とかのほうが良かったかなとか考えた)

けど昨日初めて見たのに、あまりにすごい印象に残った綾野剛さんが演じた役の1人だったので、自分用の記録も兼ねてちゃんと書こうと思う。


▶横道世之介を見たきっかけ

昨日(2024/02/25)の話。
たまたま作業をしながら何か見たいと思って、普段はそんなにつけないテレビをつけてチャンネルを変えていると、映画"横道世之介"をやっていたのを見つけた。


ちょうど最近、私は映画"カラオケ行こ!"を見た影響で綾野剛さんにハマっており、AmazonプライムやNetflixなどのサブスクで綾野剛さんの出演作品を見ていた最中で、"横道世之介"は作品名だけは聞いていたものの、今入っているサブスクでは見られない作品だったのもあり、タイミングもよく、作品内容的にも作業しながら見れると思って視聴したのがきっかけだった。

▶作品のあらすじ

映画 横道世之介公式サイト▶ https://www.nikkatsu.com/movie/32402.html

"横道世之介"という作品を知らない人のために簡単な紹介とあらすじを書くとこんな感じになる。


【1980年代の日本を舞台に、長崎から大学進学のため上京したお人好しの青年  横道世之介や、その恋人で社長令嬢の与謝野祥子らが謳歌した青春時代を、心温まるユーモアを交えながら描く。】 

映画のキャッチコピーは「出会えたことが、うれしくて、可笑しくて、そして、寂しい――。」


主要な登場人物はざっくり書くとこんな感じ。
・お人好しで、空気が読めない、人に流されやすい主人公:横道世之介(高良健吾)
・世間知らずな社長令嬢で天然、世之介のガールフレンド:与謝野祥子(吉高由里子)
・世之介の大学時代の友人:倉持一平(池松壮亮)、阿久津唯(朝倉あき)
・年上で世之介が一目惚れした女性:片瀬千春(伊藤歩)
・女性に興味ない世之介の友人:加藤雄介(綾野剛)


元々は毎日新聞社より出ている吉田修一さん作の青春小説が原作になる。


▶加藤 雄介という男との出会い


たまたまつけたテレビでちょうど始まったので早速"横道世之介"を見始める。
主人公の横道世之介を演じているのは高良健吾さんで、綾野剛さんが演じる加藤雄介は後から出てくる役らしかったので、しばらく作業しながら視聴していた。
そして話の序盤が終わり世界観にも慣れてきた頃、ようやくお目当ての彼 加藤雄介が出てきたので手を止めて視聴した。


話の流れとしてはこんな感じになる。
(長くなっちゃいそうなので、知ってる方は飛ばしてもらっても大丈夫です)

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とある出来事から千春を助けた世之介は彼女に一目惚れしており、その話を唯(友人/女性)にしようとしたのだが、彼女はその場から逃げてしまう。
しかし、どうしても誰かに話を聞いてほしかった世之介は、そのタイミングでたまたま同じ教室にいた加藤に声をかけたことで2人は出会う。

世之介の勘違いで、加藤とはまったくの初対面であるにも関わらず、一方的に加藤に話しかけて嫌がる彼を無理やり学食に誘って、千春にどうしたら振り向いてもらえるかを加藤に相談する。

(ここで世之介が弁当と焼きそば食べてるのに、加藤がカロリーメイトもさもさ食べてる姿は可愛かった)

結果として免許は持っておいたほうがいいと、元々免許を取りに行く予定だった加藤は(友達誘ったら料金が少し安くなるというのもあって)世之介を誘って一緒に免許を取りに行く流れになる。

そんなこんなで2人は免許を取りに行き、その自動車学校で出会った加藤のことが好きな女性とWデートをすることになり、加藤に連れて来られた世之介が祥子さんと出会うことになったりするのですが、この辺りは長くなりそうなので一旦省略。 
(あくまで今回は加藤の話がしたいだけなので)

そんなある日、加藤の家で世之介がスイカを食べながらビデオを見ていると、加藤が突然散歩に行くと言い出し、世之介も何故かそれについていくと言う。

世之介が着いてくることを嫌がる加藤の後を無理矢理ついて行くと、着いた先はとある公園。
(※加藤の発言からして、同じような人の出会いの場になってた公園っぽい)
そこで突然、加藤が実は女性ではなく同性である男性が好きだと世之介にカミングアウト。
きっと現代よりも偏見がひどい時代、加藤もそれを分かった上で友達としての関係が壊れるのも覚悟してカミングアウトしたのに、世之介はそれを聞いても加藤への態度を変えなかった。
(余談として、世之介は加藤のタイプじゃないらしい、シリアスチックな展開だったのにちょっと笑った)
公園で世之介が持ってきていたスイカを食べながら、世之介のその態度に、今まであまり世之介に心を開いていなかったように見えた加藤が初めて世之介に心を開いたように見えた。

このシーンはそのまま何事もなく終わった…と思いきや、突然場面転換が入り、十数年後、加藤がパートナー(男性)と高層マンションのバルコニーで夜景を見ながらワインを飲んでいるシーンがはいる。

(ちなみにここの夜のシーンの加藤、ワイン飲んでパートナーと話してるだけなのに謎に色気ぶちまけてて、本当にやばいので見れる方は是非とも見てほしい) 
(綾野剛の鎖骨、ゆるゆるのシャツから見える胸元、そして景色をぼーっと眺めて思い出話してたと思いきや、突然クシャッとした笑顔を見せるといった表情の変わり具合に心臓を掴まれる人多数だと思う)

その日まで世之介の存在を忘れていた加藤だったのに、たまたま今日世之介にそっくりなタイプの人を見て思い出したとのこと。
思い出しついでにパートナーに「大学時代に面白い奴がいて」と幸せそうに世之介との思い出話をし始める。

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と、加藤がでてくるのはここまでで、その後加藤が作中に出てくることは一切なく。
(祥子さんが世之介の居場所を聞くのに加藤に聞いたと言うだけ)
見終わった後に、あまりに寂しすぎるストーリー展開にんんんん……と深夜に1人もやもやしつつ、ここまで加藤という存在が気になってる自分にもびっくりした。

160分くらいある映画の中で、正直加藤がでているのは体感30分あるかないかくらい。めちゃくちゃ短い。もっと見たかった。加藤主役のスピンオフが見たいレベル。

それでもここまで強烈に印象に残っている加藤という人物と、そしてそれを淡々と演じた綾野剛に改めてすごいなと1人で感心しました。

▶加藤と世之介のそれからについて勝手に感じた感想と考察チックなもの
 

ここからは、作品を見終わった上で私が個人的に感じた印象、感想や勝手な考察になります。
(そういうのが苦手な人はここで読むの止めましょう)


めちゃくちゃ気になったのは、カミングアウトしてからその後の加藤の描写がほとんどないところ。
(さっきも書いたように祥子さんが、世之介の居場所聞くのに加藤から聞いたというシーンがあるだけで本人は出てこない)


世之介のことだから、あのカミングアウトを聞いて以降、加藤との友達付き合いをいきなり止めてはないとは思うものの
(聞いてすぐに態度が変わってなかったし、気持ち悪がっている描写も皆無だった)

しかしその後、お互いの付き合いがどうなっていったのかが全く語られていないせいで、世之介と加藤の友達としての関係性がどうなったのかが気になって仕方ない。


このストーリーは、世之介が大学1年だった1年間だけを切り取ったものだから、もしかしたらその後の付き合いは何かしら続いていたのかもしれない。
(世之介は祥子さんとの話がメインになるのは分かっていたし、加藤が出てくる要素があったかと言われると多分ほぼ無かったけれど)

ただ十数年後に加藤がパートナーに、世之介との思い出話をするにあたって、ぱっと出てきたのが1年生の時の話だったってところを考えると、もしかしたら大学生活の中で、それ以上に加藤の中で思い出に残るくらいの付き合いはなかったのか、もしくはどちらからともなく、少しずつ付き合い疎遠にしていったのかもしれないととれる描写に、個人的には少し切ない気持ちを感じたのはある。
(あくまで私個人の見解だけど)
ただ出来ることなら、きっとあの後も空気を読めないお人好しでカミングアウトしても偏見すら持たなかった世之介の存在が、大学時代の加藤雄介のにとって一種の安心できるものになっててくれたら良いなと思う。

▶最後に


初見で見た印象のまま書いてるので誤字脱字、変な言い回しとかあったらごめんなさい。(ほぼ見た勢いでXに書いたものに、ちょっと追記した感じなので)個人的には、すごくいい青春物語を描いた映画だったので、とりあえず原作とDVDは今後買います。

終わり

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