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②FAR:USCPA学習アドバイス

こんにちは。べえたです。

前回の記事では、USCPA(米国公認会計士)の全科目に共通する学習上のアドバイスを書きました。

今回からは、各科目個別の学習法について、お話ししたいと思います。
まずは、多くの受験生が1科目目として選択するFARについて、お話しします。


FARの特徴

試験制度の概要説明記事で書いた通り、FARは計算系の科目であり、英語ネイティブの受験生との差が出づらい科目です。
このため、日本の受験生にとっては、比較的対策がしやすい科目です。

また、FARは財務諸表の作り方を学ぶ科目ですが、これはAUDやBARなどの他の科目を学ぶ上での基礎知識となるため、1科目目として選択する受験生が最も多い科目です。

以前は学習範囲が極めて広く、初めてUSCPAを学ぶ受験生にとっては、最も高いハードルとなることも多かったですが、2024年の試験制度改定により、FARの試験範囲は大幅に削減されたため、比較的取り組みやすい科目になりました。

FARの勉強法

1.テキスト・問題集の回転

以前よりボリュームは減ったとはいえ、FARの試験範囲はとても広く、1回で全ての論点を理解することは難しいです。

このため、テキストと問題集を素早く回転させ、同じ論点何度も触れることで、全体の構造を理解していく必要があります。

イメージで言うと、真っ白の壁に何度も薄くペンキを塗り重ね、最終的に全体に色を塗る作業を行う形です。

1回で全てを理解しようとはせず、苦手な論点や間違えた論点にはメモを書き、復習に役立つ材料をテキストに入れ込むことを意識してください。

テキストの回転方法については、以前の記事で詳しく記載していますので、よろしければそちらの記事もぜひご覧ください。

2.大規模TBS問題への対策

FARのTBSでは、参照資料が多く、解答に時間がかかる問題が出題されることがあり、こういった大規模TBS問題への対策は必須となります。

TBS問題の特徴

TBS問題がMC問題よりも難しいとされる理由は、個人的には以下の3つの点にあると感じています。

①数値の選択肢が与えられず、自力で正しい計算をする必要がある
②複数の論点が問われる可能性があるため、各小問の論点を導く力が必要
③問題文や参照資料の情報が膨大で、情報整理に時間がかかる

このうち、①の計算については、日本の受験生の方の力は英語ネイティブの受験生と比較しても遜色ないレベルにあると思われるため、②・③について、対策をする必要性が高いと考えられます。

TBS問題を解く際のポイント

その上で、大規模TBS問題を解く際のポイントは以下のようになります。

(1)一問一答に落とし込む

大規模TBS問題であっても、個別の解答欄は小問の集合です。
複数の論点が同時に問われる総合問題であっても、各小問は個別の論点についてのみ解答する形がほとんどです。
難しく感じる問題であっても、得意な論点が問われている可能性もあるので、小問単位で一問一答形式で解答ができないか、粘り強く問題文を読み、個別の論点を落とし込むことを意識してください。

(2)手元の紙で解答に必要な情報を整理する

USPCAの受験時には、メモ用に白紙と鉛筆が貸与されます。
情報量が多いTBSを解く際には、手元の用紙を上手く活用することが重要になります。
これは、(1)の一問一答に落とし込むことにも繋がります。

具体的なイメージとしては、以下のようになります。

①問題文を読み、前提条件と各小問で問われている論点をメモする
②参照資料を読み、各参照資料に記載されている情報の種類をメモする
③問題を解く前に、各小問と関連する参照資料を線で結び、当たりをつけてから問題を解き始める

このように、予め関連する情報を手元で整理することで、参照資料を見ている最中などに、「この情報は次の問題でも使うかも・・・」などど、思考が拡散することを防ぐことができます。

英文を読みながら、必要な情報を問題に結びつけるのは、とても負荷がかかるので、情報と思考を紙にアウトプットしておくことで、問題を解くことに集中することがとても有効です。

3.財務諸表へのインパクトをイメージする

FARでは、仕訳が重要ということがよく言われます。
私は、この言葉が意味するのは、取引が生じた際に、財務諸表のどのポイントに影響を与えるのかをイメージすることだと理解しています。

財務諸表には、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書などが存在します。
FARは最終的にこれらの財務諸表を作成することが目的であるため、各取引が財務諸表のどこにインパクトを与えるのかを理解することが、とても重要になります。

具体的には、各取引が貸借対照表の「資産」、「負債」、「資本」と損益計算書の「費用」、「収益」のどの部分に影響するのかをイメージしながら問題を解くことが有効です。

日商簿記を学習すると、このあたりのイメージがしやすくなるため、USCPAの学習を始める前に、一度簿記に触れてみてもいいかもしれませんね。
簿記については、また別の記事でも触れたいと思います。

まとめ

今回は、FARの勉強法についてお話ししました。
USCPAの基礎となる科目であり、この科目でしっかりと実力を身につけると、残りの3科目にも良い影響を与えられますので、頑張って学習を続けていただけると良いと思います。

次回は、全科目中最難関と言われることも多い、AUDについてご説明したいと思います。

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