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映画「聖なる鹿殺し」感想文

 最初はこれは荒木飛呂彦「魔少年BT」かと思ったら、ズラウスキー「ポゼッション」だった!

 日常の生活に迫る得体の知れない恐ろしさよ。加速度を上げていく展開、嫌気を倍増させるエピソード、冷たく血の通って無いようなカメラに、さびれた雰囲気を醸し出すシンセサイザーの劇伴など、ほぼポゼッションでしょ。それよりもワケが分からないまま終わるのもすこ。これは今夜か近い日に夢に出そう。筋書きも良い。妻と可愛い娘・息子がいる外科医のスティーブンは、内緒で会っている少年がいた。かつての亡くなった患者の息子さんだ。それが家にも招待した後ぐらいから、だんだんと少年が無遠慮になっていき、同時に家族に謎の不幸が積み重なるようになっていく…。

 キャストも素晴らしい、とくに少年役のバリー・コーガンと娘のラフィー・キャシディが大はまりだと思った。監督はヨルゴス・ランティモス、いま話題の「哀れなるものたち」。2017年、イギリス・アイルランド合作。

⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️4.5

 ベタの生涯映画ベスト10のうち10位に入りました。「ポゼション」は生涯映画ナンバーワン。「魔少年BT」はベタ生涯漫画ナンバーワン。


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