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割れた1本のワインよりも割れなかった5本のワインを幸せに思う

兎にも角にも面倒くさがりで家でだらけてるのが大好きな私。なので、一度外に出たら、用事はなるべくその時に済ませておきたいのです。

ある日の出張施術の仕事帰り道、バスを乗り継ぐために降りたバス停の前に、最近とっても気に入っていてしかも割引中のワインを売っているスーパーがあったので、そうだ買いだめしよう、と思い立ったのでした。

すでに台車に施術台を乗せてガラガラと引き、背中にはその他仕事道具をバックパックに背負っていたのに、何を血迷ったのか、どうせなら手持ちのついた箱に収まる半ダース買ってしまえ、と箱に入れた6本のワインをバスケットに。さらに、大好きなヒヤシンスの鉢植えもひとつ。

会計を済ませ、さてバス停へと歩き出した瞬間に、ワインの箱の重さが結構なことに気づく。さらに鉢植え。。。

ちょっとこれは少しでも持ち運びやすさを向上しなくては、とバス停のベントにワインの箱を置いて、鉢植えの入った袋をリアレンジ。と思ったら、ワインの箱がすごい音を立てて、床(というかアスファルト)に落下。と同時に、ワインも飛び散ったのでした。

そんなにガラのいいエリアでもなかったこと&マスクをしていて顔があまり露出していないのをいいことに、思わず「Sh**!」と叫んでしまい、バス停にいたおじさんを若干驚かせてしまいました。派手に散ったワインとガラスの破片に、こりゃほぼ全滅だなと思ったものの、よく見ると無事なボトルもあるようです。さらに1本は道の反対側に転がっていたので、おじさんにちょっとこの施術台見てて、と言って拾いに行こうとしたら、通りがかった別のおじさんが拾ってくれました。優しい。

箱の持ち手も無残に破れていたので、無事だったワインを1本取り上げてはさっと瓶を拭いて、すでにあまり隙間のないバックパックへ。なんと割れたのはたった1本だけであとは全部無事でした。

焦ったし、恥ずかしいし、わけわかんないくらい重い荷物持ってるし、そしたらバス来るしで、もうてんやわんや。5本のワインが入ったバックパックは、重いには重いんだけど、思いの外背負うのもそこまで辛くなくて、こんなことなら最初から6本全部入れとけば割れなかったのにと軽く後悔しながら、バスの座席へと着きました。

せっかくのお気に入りのワインを1本無駄にしてしまった、そもそも施術台を運んでるのにワイン6本買うという自分のアホ加減と欲張り加減が嫌になり、一気に落ち込みそうになったのですが、次の瞬間、てか1mくらいの高さから落として5本も無事だったってことの方が凄くない?むっちゃラッキー!と思い直したのです。

いわゆる半分水の入ったコップの話と一緒。
でも、水では「まあそうよね」くらいにしか思わないけど、ワインだとこんなに響くのね、という話でした。

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