見出し画像

支笏洞爺の旅(4) 支笏湖畔の宿と山線鉄橋編 

北海道の支笏洞爺国立公園を4泊5日で巡った旅日記。4日目は倶多楽湖経由で支笏湖に移動し、湖畔に佇む旅館で質の良い湯を堪能した。そして最終日は支笏湖のシンボルの山線鉄橋を見学し、名物の水中遊覧船を楽しんだ。

倶多楽湖

洞爺湖を出て4日目は最後の旅行地の支笏湖へ向かう。
洞爺湖から支笏湖までは車で1.5時間だが、敢えて遠回りしてもう一つの湖を訪問することにした。

倶多楽湖(クッタラ湖)だ。
洞爺湖から登別を経て、白老町にある倶多楽湖を目指すと1時間ほどで人里離れた森深い地区に、この湖はある。

直径約3キロメートル、周囲約8キロメートルのほぼ円形をしたカルデラ湖、人が住んでいないので民家もなく、湖に流出入する川もないために、水が綺麗だ。その透明度は同じ北海道にある摩周湖に次いで日本で第二位。

残念ながら当日は曇天でその透明度はわからなかったが、カヌーを楽しむ人々はそれを実感したはずだ。

夏だけ開いているレストハウスでのカヌー教室
河童が出る??

宿泊施設や飲食などは一切なく、ヒグマなども出て来そうな気配で昔の人は河童などの幻も見たかもしれないと思わせる秘境感だった。
そして倶多楽湖から支笏湖を目指す。

洞爺湖→倶多楽湖→支笏湖

支笏湖畔、感動の宿

倶多楽湖を出て約1時間のドライブで支笏湖に到着。
宿に着く前にポロピナイ展望台から支笏湖を眺めた。
あいにく曇天と霧雨のため、支笏湖ブルーと言われる湖面は見ることはできなかった。
とは言え、カルデラ湖としては全国3位、広さでも8位を誇る湾のような途方もない広大さは実感できた。
ちなみに全国2位の深さを誇る。

ポロピナイ展望台

そして15:00、宿泊する支笏湖畔にある支笏湖第一寶亭留・翠山亭にチェックイン。
寶亭留は「ホテル」の当て字らしい。
少しここは名前で損をしている気がするが、期待よりも遥かに良い宿だった。
この第一寶亭留と言うのは、定山渓や富良野にもホテルを展開する第一寶亭留グループという系列名らしく、わかりやすく言うと、支笏湖翠山亭と言うことになる。

まず部屋にある半露店が素晴らしかった。泉質は美人の湯と称されるナトリウム- 炭酸水素塩泉だが、美肌効果のみならず、入浴後のポカポカ感も随一で、また神経痛気味の自分の持病にも効果有りだった。
そして窓からは支笏湖が垣間見えた。

気になるお値段だが、3人の素泊まりで1泊60,000円。
これが高いか安いかは価値観だが、風呂や部屋の広さやサービスの質など充分の価値観を感じる宿だった。
まず部屋の広さに驚く。寝室とリビングが分離していて、リビングには3人が寝転がれるソファとホームシアターシステムが装備されている。
聞けば改装で2つの独立した部屋を一部屋にまとめて、広いゆったりとした部屋にしたそうだ。

寝室からは支笏湖が
ホームシアターシステム付きのリビング

素泊まりで宿回りに食事どころがなかったので、ホテルの和食を頂いたがこれも素晴らしかった。
朝食は節約して頼まず、その代わりにロビーで配られた焼き立てパンで済ませた。
ロビー横には重厚なバーがあって、21:00以降に一杯サービスがあった。

バー

施設だけでなく素晴らしいのは従業員のサービスの質だ。
初老の男性が多く長年この企業に従事していたと想像できる経験の深さだ。
余計なことは口走らず適度な距離感で、マニュアル通りのお仕着せのサービスではない。
このグループの開業が1957年(昭和32年)なので、業態変更して古い旅館をリノベーションして来たのだろう。そして企業買収などはなく人員整理などもせずに、人材を大事にして改革して来たのかと想像できる。
定山渓にある同系列のホテルにも宿してみたいと思う。

山線鉄橋

最終日は支笏湖畔に佇む山線鉄橋を見学した。

山線鉄橋は、明治41年、王子製紙が苫小牧から王子軽便鉄道(通称山線)を走らせた際に架けたもので、北海道で現存する現役最古の鉄橋。当初は木製だったが大正12年に鉄橋に架け替えられてる。
英国製のダブルワーレントラス橋というタイプだ。
軽便鉄道は明治41年から昭和26年まで運行しており、「山線」という名は、苫小牧から日高方面の海沿いに走っていた鉄道を「海線」と呼び、支笏湖方面に走っていた鉄道を「山線」と呼んでいたことに由来する。
今では近代化産業遺産に認定されている。
今では歩いてこの遺産的な橋を渡ることができる。

支笏湖水中遊覧船

支笏湖の遊覧船の売りは、海中を散歩する水中遊覧船だ。
潜水艦ではないが、船体の半分が海中にあり、そこに座席を設けて海の中の風景が楽しめる。
また湖の水面下には「柱状節理(ちゅうじょうせつり)」と呼ばれる、切り立った崖のような光景が広がる。
これはカルデラ生成時に、マグマが急激に冷やされ収縮した際にできた割れ目だそうだ。
航海は約30分。料金(1名) 大人:1,650円 小学生:830円

昔風・味噌ラーメン

旅の締めは、北海道に来たら欠かせないラーメン。

昭和24年創業で、先代から受け継ぐ自家製の味噌を使った味噌ラーメンが絶品の支笏荘で旅を締めくくる。
支笏湖畔の水中遊覧船乗り場から、徒歩5分の近さにある。
お世辞にもオシャレではなくて、昭和でレトロな店内だがそれが旅情を醸し出す。自慢の味噌ラーメンは甘みある懐かし味の昔風味噌ラーメン。
玉ねぎともやし炒めやシナチクもたっぷり。
夫妻がじっくりと作ってくれて、愛想笑いは無しで誠実な感じが好感だった。

こうして5日間の支笏洞爺の旅は終わりとなり、支笏湖から千歳空港は同じ市内ということで50分で到着。
空路で都内への帰路に着いた。

この記事が参加している募集

至福の温泉

夏の思い出

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?