見出し画像

知られざるDavid Crosbyの名曲Best30(1)

David Crosby(デヴィッド・クロスビー)が亡くなって、既に一週間以上が経過しました。
日本の報道ではCSN&Yの一員として片付けられ、改めて彼の魅力が伝わり切れていないのが残念です。
メロディの難解さや風貌等での印象などか、何とも残念。
また、薬物で長い間、音楽活動が不定期だったこともありますが、2014年以降の復活で新たな世代のリスナーも獲得しています。
改めて、彼の名曲を30曲ピックアップし、聴けば聴くほど伝わる魅力と今だから輝く彼の音楽をご紹介します。
第一回はByrdsからCSN、CSN&Y、そしてCSN再結成までから選曲。

▼Spotify 版プレイリストはこちら

Byrds

まずByrds時代。
Roger Mcguinn(ロジャー・マッギン)、Gene Clark(ジーン・クラーク)、デヴィッド・クロスビーによって結成されその後Chris HillmanとドラマーのMichael Clarkeが加入し1965年にデビュー。
クロスビーはマッギン、クラークの影に隠れ、ビートルズでいうジョージ的な三番手に甘んじ、共作以外シングルカット曲もなく、1967年に脱退。

1.Everybody's Been Burned/Byrds

Everybody's Been Burnedはいかにもクロスビーらしいサイケデリックな持ち味の楽曲。

2.Triad/Byrds

Triadは1968年の『名うてのバード兄弟』(The Notorious Byrd Brothers)に収録予定だったが、外されたことが脱退の原因となる。後日、再発盤にはボーナストラックとして収録された。CSNYライブ「4way Street」で初めてレコード化された。曲調が合っていないとされたためにアルバムから漏れたとの事だが、いかにもCrosbyらしい曲調。

CS&N

Byrdsのクロスビー、元Buffalo SpringfieldStephen StillsHolliesGraham Nashによって結成されたCrosby,Stills&Nash (CS&N) 。1969年のデビューアルバム『Crosby, Stills & Nash』。guitar, bass,keyboardsとドラム以外の全楽器を担当したStillsのアレンジ力が光る。

3.Wooden Ships/Crosby,Stills&Nash

David CrosbyとStephen Stills、Jefferson AirplanePaul Kantnerの共作。リードボーカルはStillsとCrosbyの掛け合いで展開する。詩の内容もSF的で話題になったが、演奏や構成もStills主導のCSNらしいサウンド。

Jefferson Airplaneのカバー

4.Guinnevere/Crosby,Stills&Nash

これぞクロスビーという名曲だが、好きになるには時間を要する摩訶不思議さだがハマると抜けられない。ナッシュのハーモニーも素晴らしい。

CSN&Y

Stillsの元同僚、元Buffalo SpringfieldNeil Youngが加わりCSN&Yとなり1970年に発売された『Deja Vu』から。

5.Allmost cut my hair/CSN&Y

Neil Youngの爆音ギターが加わり、Stillsと激しいツインリードを奏でる。CSNにYが加わることで、よりノイジーにロックなサウンドになった典型的な事例。4人に黒人ベーシストGreg ReevesとドラムのDallas Taylorを加えた一発録りで録音された。

6.Deja Vu/CSN&Y

ヤングはこの曲では演奏していない。ヤングがいないとグランジ風は消えてサイケ・フォーク調にクロスビー 得意のジャズテイストが加わる。John Sebastianがharmonicaで参加、ベースソロはStills。

7.Lee Shore/CSN&Y

『Deja Vu』50th記念盤のアウトテイク。やはりLive「4 Way Street」のみでレコード化された曲。 ライブでは弾き語りなのでバンド演奏は貴重。ソロになっても演奏されたお気に入り。

8.Long Time Gone/ CSN&Y

CSNのデビューアルバムに収録されたLong Time GoneがLive盤「4Way Street」でも演奏された。スタジオでは落ち着いた感じだが、ヤングが入ったLIVEではクロスビーも絶唱型に。ハードなサザンソウルに変身。

ソロ〜Crosby&Nash

1971年に初のソロ・アルバム『IF I COULD ONLY REMEMBER MY NAME』を発表。発売当時は批評家から否定的な評価を受けていたが、年が経過し評価を高め今では名盤とされる。またGrateful Dead,Jefferson AirplaneSantanaやNY(Nash&Young)など同時代のミュージシャンが大挙して参加している。ピーター・バラカンさんの紹介ページがわかりやすい。

その後はクロスビーはナッシュとデュオコンビで活躍し、日本にも来日。

9.Laughing/David Crosby

Grateful DeadJerry Garcia(Pedal Steel)、Bill Kreutzmann(Dr) ,Phil Lesh(B)にコーラスでJoni Mitchellとナッシュが参加。

10.Music Is Love/David Crosby

Neil YoungGraham NashとクロスビーによるCNYによるコーラス。ヤングはCSNYではコーラスには参加していないので貴重。この時期Stillsと3人が不仲だった模様でCNYを結成する話もあった。

11.Traction in the Rain/David Crosby

Snarky PuppyのリーダーでMichael Leagueはクロスビーと会う前からこの曲のファンだったという。彼のプロデュースした「Lighthouse」もこの曲の影響の元、ギターとボーカルの響きを再現している。

12.Page43/Graham Nash & David Crosby

1972年リリースの「Graham Nash & David Crosby」より。アルバムはアメリカのチャートでは4位を記録。Danny Kortchmar(G)、Craig Doerge(Key)、Leland Sklar(B)、Russ Kunkel(Dr)と言う後のSectionがサポート。

13.Carry me/Crosby&Nash

1975年リリースのCrosby&Nash「Wind on the Water」、チャート6位を記録。この曲はJames Taylor(G)にCraig Doerge(Key)、Leland Sklar(B)、Russ Kunkel(Dr)と言う豪華メンバーがサポート。

再結成CSN

1977年に解散していたCSNはヤングを除いて再結成する。アルバム「CSN」はアメリカンチャートで2位を記録した。次作『DAYLIGHT AGAIN』も8位を記録するが、クロスビーの薬物での不調が祟り活動は限られた。時代の流れで作風はAOR的で聴きやすい。

14.Shadow Captain

アルバム「CSN」からCraig Doergeとの共作。Joe Vitale(organ)、George "Chocolate" Perry(B)というStills人脈とRuss Kunkel(Dr)、Doerge(piano)というSectionのメンバーの混合サポート。

15.Delta

1982年にリリースされたCSNの『DAYLIGHT AGAIN』より。麻薬から抜け出せないCrosbyを置いてStills&Nashとして録音、本曲のみ録音させ、無理やりCSNとして仕上げ、アルバムは全米8位を記録。Craig Doerge(Key)、Leland Sklar(B)、Russ Kunkel(Dr)が参加。
「ジャクソン・ブラウンはドラッグを吸いたいと懇願しても聞き入れず、曲が完成するまで私をピアノの前から離そうとしなかった。」と言う逸話があり、この頃はジャクソンとナッシュが公私に渡り彼をサポートしていた。

次回第2回は2000年代、70歳を超えて訪れた全盛期を中心に最近のクロスビーを紹介します。
薬物依存、肝臓移植などを経て、健康を取り戻し社会復帰し生まれ変わったクロスビーが本領発揮します。

追悼に関しての文章もぜひご覧ください。



この記事が参加している募集

思い出の曲

私のプレイリスト

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?