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知られざるDavid Crosbyの名曲Best30(2)

David Crosbyの名曲の後半戦。
クロスビーはCSN(Y)の曲しか知られていないが、2010年代の楽曲のクオリティは聴くべき価値があります。

クロスビー サウンドの持ち味として挙げられるのが、「ジャズ感覚」であり、変則チューニングを駆使したギターと独特なコーラスワークです。
不思議なコード展開を駆使するので、取っつきにくいが癖になります。
Joni MitchellやSteely Danが好きな方は、きっと愛聴できると思います。
特に2014年以降は同時代のミュージシャンと比べても遜色なしです。

CSN&Y再結成、ソロ(1988-2000)

麻薬依存から抜け出し社会復帰したクロスビー 。CSN&Yの再結成、息子とのCPR結成と試行錯誤しながらの活動が続き、2010年代の大爆発の助走期間となった。

16.Compass/CSN&Y

1988年にCSN&Y再結成によりリリースされた「AmericanDream」。クロスビーの社会復帰を祝う形で制作された。本曲にはBacking VocalsにNeilYoungが参加しているのが、自曲以外はギターだった以前のCSNYとは違う。

17.Yvette in English/David Crosby

1993年のソロ『A Thousand Roads』より、元恋人のJoni Mitchellとの共作。クロスビーの敬愛するジョニとの念願のコラボ。同曲はジョニ側でも94年に「Turbulent Indigo」でリリースされた。

18.Hero(w/Phil Collins&Graham Nash)/CPR

息子JamesRaymondと共に98年結成したCPRのライブより。シングルヒットしたPhil Collinsとの共作でデュエット作だが、本ライブではゲストにPhil本人とGrahamNashが参加。1999年リリース。

20年振りのソロ〜Snarky Puppyとの出会い (2014-2016)

息子とのCPRも2004年に解散し、レコードリリースもない期間が続いたが、2014年遂に20年振りのソロ「Croz」をリリース。資金不足のため息子のガレージの即席スタジオで録音された。これがチャート36位を記録する。
そしてSnarkyPuppyと出会い共演、リーダーのMichael League(マイケル・リーグ)によるプロデュースで眠っていた才能に再点火される。

19.What's Broken

息子James Raymondの作曲。本作のプロデュースも兼ねるRaymondはクロスビーと同傾向ながら難解でない曲作りをするので、すんなりと溶け込む。Raymondは息子と知らず育ち、クロスビーが40歳を過ぎて出会っているため苗字が違う。Mark Knopflerがguitarで参加、ソロを展開する。

20.Somebody Home/Snarky Puppy feat.David Crosby

そして2015年SNSで知り合ったSnarkyPuppyのライブに電撃的に参加。クロスビーは新曲で参加、彼らの「Family Dinner - Volume 2」に収録された。ここで多くの有能な若手と知り合い、刺激を受ける。

21.Things we do for love/David Crosby

SnarkyPuppyとの共演後、リーダーのMichaelLeagueはソロのプロデュースを申し出る。Leagueはクロスビーの歌とギターを生かしたいと提案。1971年のソロ『If I Could Only Remember My Name』を理想に音作りを目指し、2016年に『Lighthouse』をプロデュースした。最高の録音技術でクロスビーの歌とギターが美しく響く名作。

22.By the light of common day /David Crosby

ジョニの後継者の1人と評価されるBeccaStevens(ベッカ・スティーブンス)との共作。Becca StevensMichelle Willisがコーラスで、SnarkyPuppyのBill Lauranceがpianoで参加。ここから人脈は数世代下に広がっていく。

最盛期を迎えた晩年(2017-2022)

翌年2017年には「SkyTrails」、2018年には「Here If You Listen」をリリース。この年齢で3年間毎年リリースする制作意欲に感嘆する。そしてすべての内容が充実していた。同時に2つのバックバンドを使いこなし精力的にツアーもこなした。コロナで数年は途絶えたが2021年「For Free」リリース。現時点での最後の作品「 Live at the Capitol Theatre」を昨年末リリースした。

23.Sky Trails/David Crosby

2017年作の「SkyTrails」よりBeccaStevens(ベッカ・スティーブンス)との共作。ギターの名手でもあるBeccaはデュエットと共にアコースティック ギターも演奏。Beccaは今やジョニと並ぶクロスビー 好みの歌手となった。

24.Glory/David Crosby

『Here If You Listen』より。本作よりBeccaStevensMichaelLeagueMichelleWillisからなる"LighthouseBand"を率いての作品となり、実質的には3人とのコラボレーションとなっている。4人の共作で女性2人を含む4声コーラスが至上の美しさである。捨て曲なしの名作中の名作。

25.1974/David Crosby

文字通り1974年のクロスビー の鼻歌のデモテープ。それに繋げて現代の4人の演奏入りの部分を、付け足した過去と未来のコラボレーション。

26.Vagrants of Venice/David Crosby

これも4人の共作だが曲はBeccaStevens。本アルバムは全面ドラムレス。演奏はMichelleWillisが鍵盤で、他の3人は様々な弦楽器をプレイ。

27.Rodriguez For A Night/David Crosby

クロスビーはアルバムベスト5に、1位にSteely Dan「Aja」、2位も「Gaucho」を選ぶ程Steely Dan好き。この曲では歌詞をDonaldFagenが提供している。演奏もSteely Danの作品に数多く参加したDeanParksがいかにもなギターソロ、リズムセクションもAndrew Ford(B)、Gary Novak(dr)とジャズ系が固めて、Steely Danサウンドを見事に再現。

28.For Free /David Crosby feat. Sarah Jarosz

ジョニのカバー。「Ladies of the Canyon」に収録。31歳にしてグラミーの常連のSarahJarosz(サラ・ジャローズ)とのデュエット。女性版CSNとも呼ばれるI'm with herのメンバー。

29.Deja Vu / David Crosby&The Lighthouse Band

本作ではクレジットがクロスビー だけでなく、BeccaStevensMichaelLeagueMichelleWillisからなるLighthouseBandも記載された。バックバンドを超えた貢献と深い繋がりを若い才能に感じたからだろう。4人編成ながら、ジャズをベースにした若手3人が奏でるクロスビーのジャズ曲Deja Vuは趣深い。

30.Woodstock  / David Crosby&The Lighthouse Band

クロスビーが若手と組む大きな理由は、次の世代への継承と言う意味もある。そういう意味ではクロスビー世代の象徴Woodstockを最後に演るのは意義深い。自作ではないが、Woodstockに出演した残り少ないクロスビーからそのスピリットの継承であり、ボーカルは彼から始まりリレーのように次々と4人によって歌われた。

いかがでしたか。
1965年から2023年までの長きに渡るDavid Crosbyの名曲の数々。
自分としては特に日本ではクロスビーは不当に評価されていて、何とか覆したいという思いで作成しました。
その一助になれば幸いです。


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