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心の旅路 革靴で歩む幸福への道

大地をすべて覆うことのできる皮が、どこにあるだろうか。それはどこにもありえない。

ただ皮の靴を履くことによってのみ、大地はすべて覆われる。

これと同様に、私は外界の存在物を制することはできない。私は自分の心を制しよう。どうして他を制する必要があるだろうか。

【解説】

ここは有名な一節で、入菩提行論の中でも最も美しい詩の一つといえるでしょう。

そしてこの部分こそ、この章のメインテーマを最も言い表しているともいえます。

普通、我々が「幸福」を考えるとき、「外的条件を整える」事を考えます。たとえば、良い結婚をしたら幸福だが、できなかったら不幸だとか、お金があったら幸福だがなかったら不幸だとか。

しかしこれら外的条件は、常に移り変わるものであり、常にあらゆる条件を整え続けるということは不可能なのです。ちょうど、大地全体を皮で覆うことが不可能なように。

そうではなく、自らが革靴をはくなら、それはその人にとっては、大地全体が皮で覆われたのと同じことになります。つまり、仏教が求める幸福とは、「外的条件を整えた幸福」ではなくて、「外的条件に左右されない内的幸福」なのです。恋人がいてもいなくても幸福、お金があってもなくても幸福なのです。そんな無常な外的条件とは全く関係がない、自らの心が浄化されることによる幸福なのです。

だから、我々が修行を進める上において、あるいは幸福になる上において、周りの条件をどうこうしようということは、この大地を一生懸命皮で覆おうとしているようなもので、苦労が多いばかりでナンセンスなことです。それよりも自ら革靴を履きましょう。自己の心を制しましょう。自己の心を浄化しましょう。自己の心を至福で満たしましょう。それが唯一重要なことです。


菩薩の生き方 上巻 ―解説・入菩提行論―より抜粋

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