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ちょっと気になるあの人、のコーナー制作こばなし

2017年から4年間にわたって、4冊の地域フリーマガジン エクスペリエンスニセコを作ってきました。最初の号から、日本語版の統括を担わせていただきましたが、そんな私が、当時右も左も分からないながらにも、船出となる時にはその「行き先」を決め、舵を取りました。

地元で読んでくださる方も、ここに観光で訪れて手にとってくださる方も、書店で売られている一般的な「ガイドブック」という感想を持ってもらいたくない。そんな想いで、物も、事も、結局は「人」から始まっているー。その方々の歩んできた背景と、私が感じ取った少しの「その人が纏う空間の隙間」のような瞬間を織り交ぜて記事を書くことを心がけています。

ニセコエリアには、移住者ももちろん多く、それは本州や九州のみならず、海外からの方も多くいらっしゃいます。でも、その方と同じく代々この地で暮らしてきている人たちもいらっしゃって、事業を営んでいる方も、勤め人も、リタイヤされている方も、さまざまな「人」が集まってできているコミュニティです。
脚光を浴びている方ももちろん素晴らしいですが、ご自身の哲学を持って日々生きていらっしゃる方を、ここに居住している私(他所者)目線でスポットライトを当てる機会を設けたい、と思ったのが、「ちょっと気になるあの人」のコーナーです。

どの号も雑誌の終盤に見開きで配置しているのですが、コンビニの店員さんや、スーパーのレジ打ちの方など、「あのかたはいつも接客が丁寧だな!」と常日頃から私が何かを感じてしまう方へ取材を申し込みました。もちろん声かけさせていただいた時は、びっくりされました。なんで私なんですか?と。こういう方達がいらっしゃるから、この地域の魅力が増すと私は思っています。

観光の制限がかかり、これまで通り、自由に旅行ができなくなって、早3年目。まだ、東京オリンピックが2020年に開催されると予定されていた2019年に、2020年春夏号の制作をしていました。これまでのニセコの冬の約9割を占めていたインバウンド客が皆無になり、飲食業、観光業は大打撃を受けました。2020年の春に発行したスペシャルデュアルエディション(日英合体タイプ)を最後に制作の目処が立たずに止まったままでいますが、私はまた、「書く」作業で、この地域の魅力ある「人」をメインに、皆様にお届けしたいと思っています。

取材させていただいた方がたは、どの方も魅力的で、芯が強く、素敵な色をお持ちの方が多かったです。ぜひ、過去4号をゆっくりとページをめくってみてください。



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