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「地域コーディネーター」として

この数ヶ月、地域コーディネーターとしての活動が増えてきたので記録として残しておきたいと思います。

SLOW GELATO  in bulk 地域コーディネーター

4月からお店の地域コーディネーターとして活動していました。主に定休日「水曜日の軒先」を利用したい人や団体とのコーディネート役です。

水曜日の軒先:フリーコーヒー

4月当初は1人でやっていたのですが素通りされてしまうことも多く、不定期に実施していました。1人でやるのはなんだか寂しいなと感じ、途中から一緒にやってみたい人を募ることに。すると、予想外に多くの方が立候補してくださいました。この2ヶ月はほとんど毎週の開催。地域や教育に関心のある方との時間はあっという間で、2人だと見知らぬ人にとっても安心感があるのか小学生やお隣さん、通りすがりのお年寄り、学生さん、お散歩中の親子やペット連れの方など、本当に様々な方が立ち寄ってくださいます。ゆるりと街に開いた時間、いろんなおしゃべりを楽しんでいます。

水曜日の軒先:放課後子供教室コラボ 

小学生が考えたアイスキャンディを子供たちが販売

近隣の小学校で実施されている放課後子供教室とのコラボ企画です。放課後の子どもたちが街に出ていくきっかけになるようにと始まったこの企画。最初の数ヶ月は子どもたちが軒先でやってみたいことを募集して実施してもらいました。お笑いコントや絵本の読み聞かせ、工作ワークショップなど、お店の軒先で実施された子どもたちの企画には、保護者の方や通りすがりの方が立ち寄って参加してくださいました。また、夏には「イケナツ」という通りのイベントでも連携。子どもたちからアイスキャンディーのアイディアを募集し、そのうちの2つを商品化しました。当日の販売も子どもたちがアイス屋さん体験として販売してくれました。2月の「いけふゆ」でも連携予定なので、とっても楽しみです。(放課後子供教室のブログはこちら

水曜日の軒先:おさがりもってって会

保育園の同級生を中心にお下がりを出したい親子を募集して、定休日&祝日の軒先を利用した「おさがりもってって会」を実施しました。こちらも店番は親子が交代で担当。1親子30分ほどの持ち時間でゆるゆると店番をしながら、親同士でおしゃべりをしたり、子どもたちが遊ぶのを見守ったり。お店の軒先がちょっとしたコミュニティスペースのようになりました。ストライダーやベビーカーなど、「こんなものも!?」と思えるような掘り出し物もあり、近所の方にも喜んでいただきました。

水曜日の軒先:音楽✖️アート企画

近所の美大出身ママさんたちとの企画です。教室を持つことはできないけれど子どもたちとアートを楽しみたいという願いを持つお2人との出会いから企画が始まりました。ブルーシートを軒先一面に敷いて絵の具と模造紙を配置。音楽をかけながら、通りすがりの方が自由に描いていけるようにしました。壁面では主催の方が黙々と描いており、それがまたいい刺激になって子どもたちものびのび描いてくれました。施工に来ていた大工さんが休憩中に立ち寄って描いてくれたり、福祉作業所の利用者さんも来てくださったりと、偶然の出会いから生まれるアートのおもしろさも感じました。

水曜日の軒先:お母さんにマフィンを贈ろう

母の日に合わせてマフィン作りのワークショップを企画しました。「お母さんは何が好きかな?」とトッピングを選んで、子どもたちが生地を混ぜます。焼いている間には軒先でメッセージカードの作成も。テーブルを囲んで一生懸命カードを描く姿が通りの景色と一体となっていて、ほっこりする時間でした。迎えに来てくれたお母さんに嬉しそうにマフィンを渡す姿もかわいらしかったです。

上野公園ビアフェスでの福祉作業所さんコラボ


夏に実施されたビアフェスにて、区内福祉作業所さんがSLOW GELATO とコラボしたジェラートを販売してくれました。もともとはEdcamp TAITOとしてビアフェス企画に参加させていただいたのですが、打ち合わせで出会った福祉作業所さんとのご縁が繋がり、作業所さんで育てているハーブを使ったジェラートを開発したり、利用者さんのアートをパッケージデザインにしたりして連携することができました。

地域とのコラボウィーク企画

春に向けて東北のとある地域とのコラボウィーク企画もスタートしています。その土地のものを使ったワークショップを実施したり、軒先にて物品・食品を販売したり。店内と軒先を繋いで開けば10人近い人が入れるので、夜はその土地に関する小さなパーティーも検討しています。

よるのがっこう 地域コーディネーター

お世話になっているよしおかゆうみさん主催の「よるのがっこう」がフィールドを街中に広げていきたいとのことで、コーディネートさせてもらった企画です。

ふたりの中学生 和楽器夏ライブ @さんさき坂カフェ

エイサーと三味線を愛する2人の中学生がプレゼン&演じるということで、音楽やアートに力を入れているさんさき坂カフェさんと連携させてもらいました。当日は中学生2人のプレゼンを受けて、お店の常連さんを中心としたタップダンサー、起業家、芸術家、コミュニティドクターなど多様な大人からのフィードバックやミニプレゼンもあり、賑やかな時間となりました。

10代のちょっと変わった選択肢 @ねづくりや


日本に住みながらアメリカの通信高校に通っている高校生まゆこさんがプレゼンをしてくれるとのことで、10代の選択肢というテーマでの開催。乳幼児〜高齢の方まで多くの方の居場所となっているねづくりやさんと連携させてもらいました。当日、ねづくりやさんからは日本と中国の両方にルーツを持つ留学生のチュンさん、近所の会社ヨシダタロウさんからは高校卒業後すぐに「働く」という選択をしたお2人にも登壇していただきました。

KAGENAZOイマーシブシアター 地域コーディネーター


Edcamp TAITOを一緒に立ち上げた謎解きクリエイターの太郎くんから「みおさんに相談したいことが!」と声をかけてもらったのが8月末。太郎くん率いるKAGENAZOチームが「イマーシブシアター✖️謎解き」に挑戦するとのことで、地域コーディネーターとして参画させてもらいました。私は候補地のリストアップとリサーチ、下見の同行、会場決定後は地域へのポスター・チラシ配布や近隣店舗との連携企画を担当しました。ホテルや飲食店、お寺を候補としてあげた結果、実現したのは根津駅すぐの忠綱寺さん。上演したのは「うたのしらべに寄り合いて」という短歌会をテーマにした舞台です。お客さんと役者さんが混ざり合うからこその演出で大笑いしたり、誰かのひらめきで謎が解けて大きな拍手が生まれたり、かと思えばストーリーにうるっと来たり、お寺ならではの雰囲気も合わさってとっても素敵な舞台となりました。4回の公演で総勢120名ものお客さまがいらした今回の企画、代表の太郎くんはもちろんのこと、演出家さん・役者さんなどチームのみんなが本当に魅力的で一気にファンになりました。

すばらしいキャスト&演出家の皆さん photo by 凛さん

まちなかだがしやさん


さんさき坂カフェの軒先を使わせてもらって。

近所の老舗駄菓子屋さんが閉店しまったことを機に、「何かしらの方法で駄菓子屋さんを継続できないか・・・」と話していたのは、以前Edcamp TAITOにも登壇していただいた谷中のピンピンさんでした。2人の子どもの年齢が近く子連れで遊ぶこともあり、また最近の活動に興味を持ってくださっていて、久しぶりに話をしようと会ったのが11月末。その日に「とりあえずやってみよう!」と日にちを決めたのがいいスイッチになりました。さっそく会場候補のさんさき坂カフェオーナー義高さんに相談したところ二つ返事でOKをもらい、2週間後の実施が決まりました。当日は小学生や幼稚園帰りの親子が来たり、小学校の先生がたまたま立ち寄ってくださったりと駄菓子を囲んで楽しい時間となりました。さんさき坂カフェの義高さん曰く、後日「次いつやるんですかー!?」と小学生に突然声をかけられたとのこと。次を楽しみにしてくれている子が1人でもいることに嬉しくなりました。今後も無理なく定期開催できるよう、楽しみながら模索していきます。

親子や小学生などがふらりと。

フィールドは学校だけじゃない

週に4日非常勤講師として公立小学校で授業をしながら、これらの活動の企画や打ち合わせ、実施をしてきました。子育て中でもある今、やはり正規の教員をしながらではできないことばかりだと振り返ってみて感じます。

「どこかいい場所ないですかね?」
「こんなことがしたいんだよね・・・」

という話を聞くと、ビビッとアンテナが反応するようになってきました。「きっとこの場所・この人がぴったりのはず!」と紹介したことでプロジェクトや仕事が生まれたり、私も一緒に企画を進めたりするのが私自身にとってすごく幸せなことなのだということが、活動していくうちによく分かってきました。

「この人とだから、この場所だからこそできることがある。」

これは、学校にいろんな人を呼んでワークショップや授業を作っていた時にも感じていたことです。そのフィールドが働き方を変えたことでより街中へと広がってきました。かつては「学校に多様な大人を!」と活動していましたが、今は必ずしも学校でなくてもいいのではないかと考えています。教育に対して多様な課題意識をもつ人たちが「学校で〇〇教育を!」と一生懸命になるのではなく、街中で直接子どもたちと関わることができればいいのではないか。学校・先生に何もかもを任せて負担を増やすのではななく、いろんな大人が地域の子どもたちに関わる機会が街中に増えていけば、学校にはもっとゆとりが生まれるのでないでしょうか。

地域コーディネーターとして、そんな地域の大人と子どもたちの出会いや学びの場を、いろいろな方と一緒に作り続けていきたいと思っています。