見出し画像

キタシロサイの現状 世界サイの日に見かけたいろいろまとめ2

 9月22日の世界サイの日向けの記事でしたが、少し遅れてしまいました。

 現生のサイは5種類。インドサイ、スマトラサイ、ジャワサイ、シロサイ、クロサイです。
 全てが絶滅危惧種ですが、特にスマトラサイ、ジャワサイは危機的状況です。シロサイは5種の中では一番頭数が多いのですが、亜種で見るとそのほとんどがミナミシロサイで、もうひとつの亜種キタシロサイは既にメス2頭を残すのみ。通常の繁殖方法では絶滅が確定という状況になっています。

 紹介したのは、キタシロサイの系統を存続させる(僕はここで「救う」という言葉は使いません。それは傲慢だと思うからです)ため、現在生きているメスから採取した卵子と、かつて動物園で飼育されていたオスから採取され冷凍保管されている精子を人工授精させ、ミナミシロサイの代理母に出産させる計画を伝えるナショジオの記事。親から子に後天的に伝えられる行動(即ち文化)を、残すには時間がないとしています。
 記事では併せて各地に残された標本から遺伝子を抽出し、キタシロサイを復元する計画と、その計画に対する疑念も紹介されています。

 世界サイの日はキタシロサイの最後のオスだった「スーダン」の命日でもあるようです。スーダンの命日だから制定されたのか、偶然なのかは調べがつきませんでした。

 昔、テレビで動物園で飼育されていた最後のキタシロサイを他のキタシロサイが暮らす保護区にヘリで空輸する様子を見たことがあります。そのような対策をしてもなお、キタシロサイの状況は更に悪化してしまいました。
 当時、絶滅が避けられないなら、亜種としての独自性を諦めてミナミシロサイの遺伝子多様性の一部に組み込んでしまった方が良いのではないかと考えたことを覚えています。今でもそのアイデアには、そういう方法もあるのではないかと考えているのですが、素人考えですのでこの件についてはもっと学びを深めていかないといけないかとも思っています。

 滅びゆくキタシロサイ。遺伝子技術はそれを止めることができるのか、それともそのリソースは他の絶滅危惧種に向けられるべきなのか。簡単には結論の出る問題ではないでしょう。素人には色々な立場の人が、それぞれ最善を尽くすことで、動物保護に限らず世界がより良い場所になっていくのだ、と信じることしかできません。歯がゆいです。

 世界サイの日、関連記事は他にも書いていますので、良かったらご覧ください。

 最後までご覧いただき、ありがとうございます。本業のサイトもご覧いただければ幸いです。


この記事が参加している募集

生物がすき

もしサポートいただけたら、創作のモチベーションになります。 よろしくお願いいたします。