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法務として「引き出し」を増やし、会社の成長に貢献したい

子どもの頃から弁護士を目指してきた廣島和也さん。20代後半からは法律の知識を生かし、企業法務で働く道を選びました。3社目となるベネッセi-キャリア(以下、アイキャリア)では法務や情報セキュリティを担当しています。廣島さんがこれまで歩んできたキャリアや現在の仕事、今後実現したいことについて伺いました。

廣島 和也
経営企画本部 経営企画室
2020年 中途入社


法的にNGな場合でも必ず代案を伝える

経営企画室でアイキャリアの法務や情報セキュリティを担当しています。法務の領域では契約審査対応や社員からの法務相談が主な業務になります。情報セキュリティの領域では、プライバシーマークの更新、社内のIT環境の整備なども対応します。
 
多くの社員は、法律の専門用語は詳しくありません。そのため、できるだけわかりやすい言葉で説明するように心がけています。相談の中には、法的にそのまま進めることが難しいケースもありますが、ただ「できない」と伝えるのではなく、なぜできないのか、理由をしっかり説明した上で、「この方法ならできる」と必ず代案を出すようにしています。そうしなければ、業務が進まなくなってしまうからです。どんな時でも、事業部やクライアントに寄り添える法務担当でありたいと思っています。
相談に対して迅速に答えられたときはとても嬉しいですし、業務を通して知識や、自分の「引き出し」が増えていくことにやりがいを感じています。

法律の知識を武器に企業法務に挑戦

子どもの頃、家族がトラブルに巻き込まれて弁護士に助けてもらった経験から、法律に興味を持ちました。地元の富山県を出て、東京の大学に進学。その後、法科大学院を経て数年間司法試験の勉強をした後、28歳のときにdodaに登録し、企業の法務の仕事を探しはじめました。何社か応募したものの実務経験が問われ、アルバイトでの法務経験のみで社会人経験のない私はなかなか採用されませんでした。そんな中で、未経験でも採用してくれたのが、パーソルキャリアでした。パーソルキャリアに応募したのは、大きな企業の中で多くの経験を積めるだろうと考えたからです。

新しい領域への挑戦に魅力を感じ法律事務所に転職

当時パーソルキャリアの社員は約4000人で、法務担当は5~6人。事業部からの相談や契約審査などを担当し、多種多様なサービスを展開していたことから様々なビジネスモデルに触れられ、多忙な中でもとても学びの多い環境でした。契約審査の基礎だけでなく、リスクの抽出とその案内、取引先に合わせた落としどころの設定や修正案の提示等を短時間でスムーズにできるようになったのは、パーソルキャリアでの経験があってこそでした。
 
2年ほど働いた後、より成長できる場所として、2018年に法律事務所に転職し、パラリーガル*として勤務。仮想通貨やブロックチェーンに強い法律事務所だったため、新しい領域の知識が得られることに惹かれたのです。ここではスタートアップ企業に対する新規事業の法務サポートに加え、オウンドメディアの編集長業務なども担当していました。記事の執筆や編集を通して、法律に関する情報をよりわかりやすく人に伝えるスキルが身に付いたのもこの経験のおかげです。
また、法律に詳しい弁護士と一緒に働くことで、自分にはない法律の知識や実務を数多く学ぶことができました。
 
ところが、2年ほど働いたタイミングで、代表弁護士が自身で立ち上げた新規事業に集中したいとのことで事務所が縮小されることになったのです。
 
*弁護士の指示・監督のもとで法律に関する事務を行い、弁護士の業務をサポートする専門アシスタント

情報セキュリティを担当することで仕事の幅を広げたい

次のキャリアについてパーソルキャリアの元上司に相談したところ、アイキャリアの法務の人手が足りず募集しているので受けてみたらどうかとお声がけをいただきました。一度企業から外に出て、法律事務所で経験を積んだいまなら、企業法務として以前とは違う活躍ができるのではないかと考えました。
 
当時はアイキャリアのことを詳しく知らなかったので、どんな会社か調べるところから始めました。新卒向けのサービスを手掛けている会社は多くありますが、アイキャリアはベネッセグループを通して多くの学生ネットワークを持っている点が他社にはない強みだと感じました。また、未経験の情報セキュリティ領域を担当できることで、自分の仕事の幅が広がり、成長にもつながりそうだと思いました。面接時の印象もとてもよく、最終的にはアイキャリアで働いている自分の姿が想像できたことで入社を決めました。

モチベーションの源泉は「誰かの役に立ちたい」という強い思い

当時、アイキャリアには専任の法務担当者はおらず、私は兼務で担当していた社員が別のグループ会社に異動するタイミングで入社しました。パーソルキャリアでの経験もあり、法務業務そのものは問題なく進めることができたのですが、これまで法務の専任者がいなかったこともあり、現場で困ったことがあっても、法務担当に相談するという習慣が社内にはありませんでした。そこで、まずは専任の法務がいることを認識してもらうとともに、懸念点があれば法務に相談しておこうと言ってもらえる信頼関係の構築に努めた結果、法務・情報セキュリティの年間の相談件数は私の入社当時から約1.5倍に伸び、大きな手ごたえを感じることができました。
 
近年では、AIの活用やコロナ禍によるテレワークの普及など、法律制定時には想定されていなかった事象が多々発生しています。このような事象に対応するために、既存の法律改正や新たな法律が制定されることがあるため、法務は常に最新の情報をキャッチアップする必要があります。これまでの経験を通じて、法務の仕事は自ら積極的に新しい情報を入手し、勉強できる人が向いていると感じています。また、法律の知識を一方的に押し付けるのではなく、クライアント側の立場を想像し、代案提示したり、柔軟に解決策を考えたりすることも大切です。常に専門知識を追い求めながら、顧客や事業部の人たちに寄り添い伴走できる人でありたいと思っています。
 
情報セキュリティは未経験の領域で、入社前はそもそも用語がわからず、判断を求められた際にどう対処すべきかわからない状態でした。そのため、アイキャリア入社が決まって以降、友人を誘い、プライバシーマークではどのような事項が求められているのか、セキュリティ事故とその対策などをともに学び、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)の応用情報技術者の資格を取得。さらにその上級の情報処理安全確保支援士の資格を取得すべく、現在も勉強を続けています。
業務を通して、プライバシーマークの維持、更新の実績も積むことができました。未経験の情報セキュリティ領域に挑戦するチャンスを与えてくれた会社にはとても感謝しています。
 
私自身が貪欲に学び続けられているのは、根本に「誰かの役に立ちたい」「人に頼られたい」という思いが強くあるからです。新しい知識が身に着き、それをアウトプットできた瞬間は大きな喜びを感じますし、相談への回答スピードによって事業の成長に貢献できると思うので、相談に対してすぐに回答できた時は大きな達成感を感じます。

常に事業部に伴走できる法務・情報セキュリティ担当でありたい

現在も社内の法務、情報セキュリティの体制作りに注力しています。特にコロナ禍に暫定でルールを決めて運用しはじめたものがそのままになっているものも多く、1つ1つ見直しながら整備しているところです。
 
入社から3年経ちますが、事業部のみなさんと誠実にコミュニケーションをとってきた結果、良好な人間関係を構築できたかなと感じています。他社の話を聞くと、法務は事業部にとって「超えるべきハードル」のような存在になっている場合も多いようですが、法務は事業部の敵ではありません。
 
リスクなく業務を進めるために、法務・情報セキュリティ担当が存在しているのです。決してビジネスを止めたいわけではなく、事業成長のために一緒に走りたいと思っています。だから相談して欲しいですし、「相談して良かった」と思ってもらえる法務でありたいと思っています。そのためにもさらに自分の知識の引き出しを増やしながら、今後は法務・情報セキュリティをチーム化して組織運営にも挑戦したいと思っています。

※掲載内容は取材時点(2024年3月)のものです

取材、文:尾越 まり恵
編集:ベネッセ i-キャリア note編集部

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