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原因を知りたいと思うのは③

「心の病」の脳科学(講談社)を購入したのが、たしか日曜日。友人と季節外れの花火を見に行こうと待ち合わせた駅のそばの本屋で、それを見つけました。夢中で読んで、昨夜読了したので4日ほどで読み終えたことになります。
こんなスピードで読んだのは久しぶりで爽快感がありました。

これから本で読んだことや感想を少しずつまとめていきたいと思うし、来週、遠出するので新幹線の中ででも再読したいと考えているのですが、第一走破してみて一番つよく印象に残ったのは
「研究が思ったよりも速いスピードで進んでいる!」
ということです。

以前は、細胞を調べる時にはそれを“スライスして顕微鏡に乗せる”とか“抽出物を遠心分離機にかける”とか、そんな具合に“時を止めて”調べていたけれど、今は実験動物を生きたまま観察することで、神経の伝達やホルモンの分泌・吸収といった“動きをリアルタイムで”調べることができる、ということはテレビで観て知っていました。
私はもともと生物が好きで、それ系の番組を観ることも間々あって、生きたままの実験動物に注入する物質を発光させて、その光の流れや拡がりを追うということも知っていました。そして、ワクワクしていたのです。

けれど、その研究手法の進化が精神疾患の原因解明や治療法の開発に大きな影響を与えている(与えようとしている)ことは、あまり知りませんでした。

この本によると、2010年あたりから遺伝子の解析が大きく前進し、これまでは分からなかったことが次々と分かるようになってきたとのこと。私が医療の現場を離れたのが2022年なので、およそ12年間、現場に居ながら、そのことに大きな関心を寄せることなく仕事をしていたことになります。

研究が進んだとはいえ、まだ実験動物段階のものも多いので、現場への導入はまだまだ先。だから知らなくても良いといえばそうなのですが、本を読みながら患者さんたちの顔が次々と浮かんで、「この人にこういう治療があれば、どんなに良いだろう」と思うこともしばしばありました。

というわけで、少しずつ本の中身も紹介していければ…と思います。

ちなみに、この本は本屋で偶然見かけたのではなく、著者がネット記事を書いていて、それが面白くて図書館で予約したら31人待ちだったので、本屋で買いました。
世の中の多くの人が関心を寄せていることにも驚きました。

そのネット記事はこちら

(つづく)


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