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何事にもチャレンジする勇気を持とう

思い通りにいかないとついイライラしてしまう。未熟だった頃は、悔しくてバットで地面を叩きつけたりすることもあった。まだ自分の心をコントロールする術を身につけいなかった。

当時僕も未熟で、今ならそんな言い方はしないが、「道具を大切にできないなら野球なんてやめちまえ!」と叱ったこともあった。彼が自分の道具が大好きなのは分かっていたが、繰り返す行動には胸が痛んだ。

パンチ力があり鋭いライナーを放つ。投げればズシリと響く重い球を放り込む。抜群のポテンシャル、タフな負けん気、向上心の高さを持ち、成長が楽しみな選手。

自分の心をコントロールするには、目の前に起きたことを素直に受け入れること。なんでミスをしたのか、どうすればいいのか、話をしながら心の成長を待った。

6年生最後の試合、いつものように今日の目標を聞くと「今日は最後だから勝ち負けなんかどうでもよくて楽しんでやりたい」と一気に話してくれた。仲間を想う言葉が出てきた。6年生の人数が少なく他チームと合同で参加した大会で、試合を重ねる度に仲良くなる。まるでずっと一緒にやってきたかのようにお互い溶け込んだ雰囲気。僕も、みんなが笑顔でプレーする姿をみて、このまま試合が終わらなければいいのにと思った。

中学では、そのチームで一緒にプレーして仲良くなった仲間と同じ硬式のチームに進んだ。中学野球部ではなく厳しい道を選択できたところが彼のチャレンジ。

2年生の頃、グランド練習にお邪魔させていただいた時、紅白戦で3打席共に目の覚めるような鋭い打球を放ち、投手としては粘り強いピッチングを見せてくれた。身体が大きくなったが小学生の頃とプレースタイルが被り、とても感慨深かった。

帰り際に監督さんに配慮いただき、ほんの少し二人だけの会話の時間をいただいた。彼に一つだけ忠告をした。

下を見るな。

起きたことを受け入れて前に進むため。スポーツ心理学でも、一度遠くを見つめることでリセットできるとされている。自分のミスなら仲間の顔を見れば心強い。仲間のミスなら顔を見れば心の痛みに気づけるはず。仲間のミスはお前が救え。

今春、公立高校に進んだ彼は、人数の少ない野球部を自分が強くするんだ、と新たな挑戦に向かっているとお母さんからメールをいただいた。

小学生の頃から、どんなことにも怯まずに立ち向かうハートは備えている。その勇気があれば、チームも、自分自身も強くなれる。仲間と力を合わせて強敵に果敢にチャレンジする時、笑顔を忘れずにいられるか、見守ろう。

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