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【COVID-19】名門スタンフォード大学 11競技の廃部を決定

パワー5 西海岸の名門が集うPAC-12に所属するスタンフォード大学が新型コロナウイルスの影響による財政難により今期終了後、36競技中11競技の廃部を決定した。

◆廃部する競技

<男子>
・フェンシング
・ローイング(ボート)
・セーリング
・バレーボール
・レスリング

<女子>
・フェンシング
・フィールドホッケー
・軽量ローイング
・セーリング
・スカッシュ
・シンクロナイズドスイミング

廃部の決定により240人のStudent-Athlete(学生アスリート)がプレーをする機会を失い、22人のヘッドコーチが職を追われる事になりました。
スタンフォード大学の声明によると、プレーする機会を与えるためにStudent-Athleteの転校手続きや(アメリカの大学ではプレーする機会を求めて転校することが日常的に行われている)コーチへの退職金の準備も進めているとの事。
11競技の合計全米優勝回数は20回、27個のオリンピックメダルをもたらした伝統ある競技の廃部はアメリカでも驚きをもって報道されています。

盤石とは言えない財政状況

テキサス大学がスポーツだけで200億円の売上を達成するなど、アメリカの大学スポーツは収益化が進んでいると思われがちですが、そのお財布は2大人気スポーツのフットボールと、男子バスケットボールに支えられていると言っても過言でありません。その他の競技は収益性が見込めずはっきり言ってしまうと”お荷物競技”なのです。そのため、財政難に陥るとまず収益性が低い競技がやり玉に挙げられるのです。

Title-Xの弊害

11競技廃部の中でも特に驚きだったのが2度の全米優勝経験があり常に全米ランキングで上位につけている男子バレーボールと昨年カンファレンス優勝に輝いた男子レスリング部の廃部です。
アメリカの大学では"タイトル9"という「連邦から資金援助を受けている高等教育機関においては、あらゆる面での男女差別を禁止する」という内容の法律が存在します。競技の優劣なく、男子と女子の奨学金の人数を同一にしたり競技参加人数についても平等性が求められます。そのため、1つの競技を廃部にするだけで奨学金の数や参加人数に影響が出るため「調整役」としてどこかの部活を強制的に廃部にする必要が出てくるのです。
今回は収益性が低い女子チームの廃部が多いため、上記に挙げた2競技はその影響、理由で廃部されたと推測できます。

今後の推測

スタンフォード大学に続き財政難に陥る大学が増えると予測されます。
直近では2016年に15年契約で総額280憶円の契約を結んだUCLAとアンダーアーマーのスポンサー契約が解除されるなど、大学スポーツに集まっていた資金が新型コロナウイルスの影響で資金難に陥ることは明白です。更にキャンパスの立ち入りを禁じる学校が増えることにより2020年-2021年シーズンのスポーツ大会開催が危ぶまれています。(アイビーリーグは全ての秋スポーツを中止に)開催できたとしても10万人近く埋めていたフットボールの試合も入場制限は行われ、収益の柱でもあった入場料収入も大幅に減少されます。
資金難に陥ることで影響を受けるのはStudent Atheleteです。
大学の収益や広報・宣伝に大きく関わる大学スポーツですが目線をもう一段階下げて、Student Athleteに寄り添い,真の意味でのアスリートファーストを追求する必要が各大学にはあると思います。

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