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気候変動のメカニズムを知る~フランス発のカードゲーム Climate Fresk

今月(2024年4月)に参加した、Climate Freskのワークショップ!
前から気になっていたのだけど、やっと参加出来ました!

いやー期待通りの面白さでしたー!!

フランス発のカードゲームClimate Freskとは?

気候変動って何?

気候変動って分かっているようで分かっていない。

  • 昔は「地球温暖化」(Global warming)って呼ばれていたけど、「気候変動」(Climate Change)と何が違うの?

  • たくさんある環境問題の中で、なんで、「気候変動」だけ取り沙汰されるの?重要性が高いわけでもないのに。。(低いわけでもないけど)

  • 結局「気候変動」が起きると、誰がどれくらい困るの?それってどこまで分かっていて、どこが解明されていないの?

なんて疑問に答えてくれるゲームです。
「気候変動」が、どういうメカニズムで起こっていて、何のバランスが崩れていて、それがお互いにどう関連し合っていて、どんな影響を自然界や人間活動に与えていて。。ってのをカードゲームで、グループで話し合いながら学べるワークショップです。

※クリックするとCliamte FreskのFacebookページに飛びます


IPCC報告書に基づく内容

フランス発で2015年以来、世界で100万人が受けているワークショップ!

ワークショップのコンテンツは、科学者の集まり、IPCCの報告書を元に作られています。

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は、世界中の科学者が集まり、気候変動を科学的な証拠を与えることを目的に1988年に作られた国際組織。数千名の科学者が参加している。

IPCCの報告書を元にとは、これまでの科学で解明されたこと(正しくは因果関係の確実性が高いもの)をベースに作られています。
気候変動含め、色んなエセ科学が出回る分野ですからね。。

誤解のないように伝えると、「科学的であること」=「100%正しい真理」ではありません。むしろ逆。
「科学」とは観測や実験によって得られたデータに基づき、仮説を立てて検証するプロセス。
そのため、科学の本質は「訂正可能性」「反証可能性」です。新しい証拠が見つかれば、古い理論は改善されたり覆されますし、科学的主張は反証可能でなければなりません。

Biodiversity Collage

昨年の10月に、長崎県壱岐島で、Climate Freskの生物多様性バージョン(Biodiversity Collage)に参加して、かなり面白く、次はオリジナルの気候変動のを受けたいなーと思っていたところでした。
その時の様子はこちら

現在、日本(東京)だと、有志の方が、個人には無料でワークショップを提供しています。月に一度は実施されているようなので、気になる方はぜひ!
こちらのインスタから申し込みできますー

法人向けには有料のサービスとして提供されているので、調べてみてくださいー!
ファシリテーターになるトレーニングも提供していて、ファシリテーターになって、企業とかコミュニティ相手に実施している人も増えているようです。

あと、日本語だけでなく英語のワークショップも同時開催していますー!日本語が苦手な人、英語話者と参加したい人はこちらも!

隣はEnglish版

よりClimate freskについて知りたい方は、ググると色々な紹介記事が出ていますので、ぜひそちらも!例えば、、

今回の会場は中目黒ファブリック(Fabic)さん
参加者がたくさん集まっています!


ワークショップの内容はネタバレするのであんまり書けませんが、感想を共有致します。


ワークショップ終盤の様子

ワークショップの感想


1)気候変動は色々ある環境問題の中で最も対策が進んでいる分野ではあるが、その理由が明確にわかる。
因果関係が他の環境問題に比べて明確で、シンプルに説明しやすい(と言われている)
かつ、成果を温室効果額排出量(GHG)換算という、世界統一の一つの定量的な指標で語りやすい。
(普通は地域により異なるし、一つの指標では表せないし、定量的な指標だけに落とし込めない)

2)ワークショップを受けて、気候変動の本質は、「温暖化」(地球の大気の温度上昇)ではないんだなと。改めて。
温暖化はあくまでも過程の一つ。大気の温度と同等かそれ以上に影響が大きいことが複数ある。
※そのメカニズムを知りたい方はぜひ受けてみてね!

3)包括的な対策が必要だなと。
GHG排出量(温室効果ガス排出量)の指標に単純化されるので、対策がそこだけに注力しがちだけど、メカニズムをみれば、一点集中することが脆弱だなって気づく。
なので、包括的に取り組む必要あり。
最後のチームディスカッションでも改めてそこが話題になった。

4)思想や正義感が入ると協調が難しくなる。。
ワークショップでも色んな考えの人がいる。色んな思想を持って、正義感を持っている人がいる。
他人の思想にとやかく言うわけではないけど、色んな意見があっていいと思う。そこを主張したり、説得することは骨が折れるし、たぶん不毛。
色んな意見を認めつつ、自分がやりたいこと、やるべきことをした方がまだ良い。

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5)新規事業開発にも繋がるが、分からない事を分からないままにして、仮説検証しながら進める姿勢が取れるか?がとっても大事だなと。改めて。
何かを信じて妄信した方が気持ち的に楽なのは分かるけど、そんなものはない。

毎日時代は動いていて、新たな事実も出てくる。
現在、正しいと言われていたことが、来年には変わっているかもしれない。その連続。
だから、また変わるかもしれないけど、まずは動いてみる。動いていくうちに見えてくることもあるし、新たな事実が分かったら、その時点で軌道修正すればいい。

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違うなと思ったら、素直に誠実に過ちを認めて、変えていけばいい。
妄信して周りの意見が聞けなくなるのも良くないし、
何かが完璧に分かるまで動けないってのも違う。。
色んなアプローチを試してみたらいい。

6)逆に、もやっとしたところは、こういう大きな社会課題の話になると、急に正義を振りかざす議論になりがち。

政治家とか大企業を批判して、自分事よりも、その人たちが悪の根源だって断罪していく。
なんでだろう?自分は悪くないっていう、罪の意識から遠ざけないことなのか?

本来、Fresk(元の名前はコラージュ)は、誰か悪役がいるわけじゃなくて、過去から積み上げてきた人間社会の仕組み(システム)やインセンティブ設計の問題であり、その仕組みは全人類がパーツとして長年汲み上げてきたもの。
その仕組みでは成り立たなくなっているから、システムを変えていく話し。どこかに悪者を作ってそこを断罪すればいい話ではない。(どこにも悪者はいない)

自分があたかもシステムの外にいると錯覚して、安全地帯から他人に理想論を押し付けるのは、実際の行動変容とは逆の作用が働きそう。

なんてことを感じたワークショップでしたー!

オマケ:目黒川の桜

ちょうど満開を迎えた目黒川の桜!
中目黒の駅は交通規制をしてて激混みでしたー


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