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運動は脳を成長させる?

運動が健康にいいということは知っている方も多いと思います。

近年の研究から、運動は体だけでなく脳と神経系にも多くの利点があることが分かっています。認知機能向上、神経変性疾患の抑制、神経障害からの回復など、脳の健康に対しても有益であるとわかっています。

運動をするとBDNFという物質がたくさん分泌されます。このBDNFは神経細胞(ニューロン)の成長、発達、生存に重要な役割を果たし、脳の健康と機能にさまざまな効果をもたらします。

BDNFの増加による効果

BDNFの正常な機能は、脳の健康と認知機能の維持に不可欠であるとされています。運動、適切な栄養、ストレス管理、精神的な刺激などがBDNFのレベルを調整する要因として知られており、これらの要因を適切に管理することで、脳の機能と健康を支援できます。

1.神経細胞の生存と成長:神経細胞の生存をサポートし、新しい神経細胞の成長を促進。

2.学習と記憶の向上:学習と記憶に関与し、記憶力と学習効果を向上。

3.神経プラスチシティの促進:脳の可塑性を高め、新しい情報に適応するための脳の柔軟性をサポート。

4.抗うつ効果:抗うつ効果があり、抑うつ症状の緩和に寄与。

5.神経保護:神経細胞を保護し、神経変性疾患や脳の損傷に対する抵抗力を向上。

これらの効果により、BDNFは脳の健康と認知機能の維持に重要な役割を果たしています。

運動はBDNFを生成する

2007年のドイツ研究者グループが人間を対象にした研究をしたところ、運動前より運動後の方が20%早く単語を覚えられるという結果を得ました。
ウォーキングなどの有酸素運動を続ける事で、脳の記憶や学習を司る海馬の神経が増え、思考力や学習力などに関わる前頭葉や、記憶力などに関わる側頭葉のボリュームが増すことが確かめられています。

しかし、同じ運動であっても運動の種類や年齢などによって個人差があります。また、負担の高い運動は、BDNFの生成を抑制するストレスホルモンであるコルチコステロンを増やすため、負担の少ない運動でしかBDNFの増加は望めないとする研究結果も存在するようです。

ストレスにならない適度な運動が良さそうですね。

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