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瞑想は認知予防にも効果がある?

瞑想と認知予防

近年、瞑想が注目され、その健康効果が多くの人々に認識されるようになっていますね。特に、認知予防における瞑想の役割はますます重要視されています。

日本国内には現在、65歳以上の認知症患者が約600万人もいると言われています。中でも、最も多いのが「アルツハイマー型認知症」です。この病気は脳の一部が萎縮することから始まり、もの忘れや認知機能の低下などの症状が現れます。

しかし、最近の研究からは、このアルツハイマー型認知症の予防に、効果的であることを、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の研究チームが発表しています。

研究チームは、瞑想をする習慣のある50人と、瞑想をしていない50人の脳を調査しました。瞑想をしている参加者の平均年齢は51.4歳で、男性28人、女性22人、瞑想の期間は平均19.8年間でした。

参加者の脳をMRIを用いて調べたところ、瞑想をしているグループでは瞑想をしていないグループに比べ、灰白質(脳の神経線維が集中している部分)の減退が少ないことが確認されました。

また、カナダのアルツハイマー病予防研究センターとマギル大学の研究チームの研究では、アルツハイマー型認知症のリスクがある261人の高齢者を対象に実験を行いました。

まず、参加者にマインドフルネスのレベルを計るアンケート調査と認知機能テストを行い、同時に認知症の原因となるアミロイドベータやタウタンパク質の脳内状態を測定し、その分析を行いました。
結果、マインドフルネスのレベルが高いほど、認知機能低下が少ないことが確認されました。

さらに、より高いマインドフルネスのレベルの場合、脳内のアミロイドベータやタウタンパク質の量も少なかったそうです。
つまり、マインドフルネスの特性を持つ高齢者は、認知機能の低下が少なく、認知症の原因物質の減少が期待できるため、アルツハイマー型認知症になりにくい可能性がわかりました。

マインドフルネスを日常生活に取り入れることで、認知症予防の他にも、ストレスの軽減、感情の管理、精神的な安定感の向上など、多くの利点が得られるでしょう。
まずは呼吸瞑想などの比較的シンプルな瞑想法を日常生活に取り入れてみることが、脳の健康を守る第一歩となるでしょう。

メカニズムはまだ完全に解明されていないものの、瞑想が脳内に及ぼす影響は非常に大きな希望となり、認知症予防に新たな道を開いていると言えるでしょう。

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