オープンイノベーション、クローズドイノベーション、それって二者択一なのか?

年末に考えていて、ふと思ったことなんですが。

大きな二つの考えがあると思います。

A:「お客様は自分が何を求めているかわからない。 だから、、お客様に何が欲しいか聞いても無駄」

と言う考えと、

B:「お客様が欲するものを提供することが企業の繁栄にとって最も重要な事」

と言う考え。

この二つは全く違うように見えますが、実は同じ事なのかなと思っています。 仕事柄、お客様の意見を聞こうと言う事も多くやってきました。今でも、事実やってる面もあります。 また、”お客様に聞いても、将来の商品のアイデアは出てこない”と思ったこともあります。

ですが、最近思います。

革新ってなんだろうかと。

ジョブズの死後以降、特にたくさんの方が、”革新”について書かれています。

結局のところ、世の中でもてはやされている革新って、実は”新しい発明”ではなく、”既にあるアイデアを洗練し、且つ、もともとのビジョンを達成するための最適なデバイス・ツールを装備する”事だと思うようになりました。

また、既にある”不完全なアイデア”を”実現する”事も革新かもしれません。

無論、これらはすべて”何故が明確である事”に裏打ちされてる必要はあります、高い理想・思想に向かっていく、その過程で最適の手段を利用する。 これが革新なんだと思います。

もっと言えば、お客様の持っていて解決されていない課題を、新たな手段で解決すること。 それが革新。

その様な前提に立てば、”お客様は、自分が何を求めてるかわかってるはず。 ただし、それは実現できるかどうかを分かっていないだけ”と言う事であり、であれば、”何ができるのかをお客様に説明できれば”、本当の意味での共創が実現できるのではないでしょうか?

つまり、「お客様を理解し、お客様の立場で物事を考える」と言う手法に加え「お客様に、我々のブランドを理解してもらい、我々と同じ立場で物事を考えてもらう」と言う事を加え、その二つの手法のシナジーって得られるのではないかと。

Aの考えって、いわゆるアップルのような、”デザインが優れているから勝てる、ユーザーの意見を聞かずに自らの理想を実現したから勝てる”と言う考えで、私はクローズドイノベーションだと思っています。

*実際には、私はジョブズは開発者と言うよりも、ユーザーであり、その立場を崩さなかっただけではないかと思ってますけど。 つまり、ユーザーが徹底的に自分の立場で物事を主導しただけではないかと。

それに対して、我々ってのは、オープンイノベーションでよいのではないかなと。 その方がブランドの特性に向いてるのでは?

私の考えるオープンイノベーションとは、

”お客様と、コトを共有し、モノを一緒に考える場を提供する”。 そんな感じ。

なんか、いい感じに見えてきませんか?

マツダ時代、会社の同僚から聞きました。

お客様がこういってたと。 「あなたの会社の魅力はファンとメーカーの距離感の絶妙さ。他メーカーと違い、あなたの会社はファンだからと言って丁重に持ち上げることもなければ、ファンの声を全く聞かないということでもない。ファンとメーカーが対等に言い合える関係性がある。」。

これ、我々が主体的に起こしていると言うよりも、結果論でこうなってる部分が多いと思いますけど、これを、もっともっと、仕掛ける。  そういう場を作り、提供する。 お客様と一緒に。

それが、お客様とコトを共有し、モノを創造することにつながっていくと思います。 ここでいうモノは、ハードであり、サービス(ソフト)であり、全ての提供物。

そんな事を考えた年末年始でした。

では、きっかけになった記事をご覧ください。

http://bizmakoto.jp/bizid/articles/1112/01/news015.html ジョブズはすごかった、で終わらせないための組織論


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