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【シカゴでバードウォッチング!】 Bufflehead

去年シカゴ時間の1月6日の朝、いつもの公園を歩いていると、ふと、シカゴの鳥について自分自身の勉強のために書いてみるという考えが降って湧いてきました。書くことはほとんどしたことがなかったので、どうしてそんな突飛な考えが出てきたのか戸惑いましたが、その声に従ってみることにして、しばらくしてから恐る恐る書き始めました。

あの突然の考えから一年経ったと思うと感無量ですし、このnoteという世界に仲間入りしたおかげでいろいろな方の記事を読んだり、スキをし合ったりすることが心地よいものだと感じるようになってきています。皆様、ありがとうございます。

この一年の間に世界の情勢が日々大きく変わり、日本の元旦には地震災害と航空機事故が起き、心が潰れそうになる毎日を過ごしていますが、そういう時だからこそ、心身のバランスを取るために、運動をしたり、鳥をはじめとする自然に触れたりする時間を大切にしなければと思っています。

あとどのぐらい鳥について書き続けられるか全くわかりませんが、とにかく一回一回書いて、前を向いて歩いて行きたいと思います。
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暖冬とはいえ、この時期シカゴで見ることができる鳥の種類はかなり限られています。そんな中、いつも行く公園の東側に広大に広がるミシガン湖には、大きな体で、ちょっと強面の顔の常連さん、Canada Goose (カナダ雁)、Red-breasted Merganser (ウミアイサ)が群れています。その鳥たちに混じって、小さくて可愛い水鳥 Bufflehead (ヒメハジロ) が冷たい水にプカプカ浮かんでいたり、突然水に潜ったりしているのを見ると、自分が抱えている不安や心配を忘れて見入って幸せな気分になります。

体長は32〜40センチぐらい、体重は450グラム以下で、北米のdiving duck (潜水鴨?)として最小です。それで、こちらでは「鴨のChickadee (正式名はBlack-capped Chickadee。アメリカコガラ。日本のシジュウカラによく似ている。)」と呼ばれています。でも、鳴き声はBlack-capped Chickadeeとは似ても似つかない、鴨らしいダミ声です。

雄は遠目に見ると、水面に接しているお腹の部分が白、背中と前頭部から顔と首にかけて黒、そして目の後ろから後頭部にかけて幅広の白い部分があります。とても特徴的なので、すぐに見つけることができます。

白黒くっきりのBuffleheadのオス。    ©Dan Lory
後頭部の白が目立つオスの後ろ姿     ©Dan Lory

近くで見ると、光の当たり具合によって、頭から顔と首にかけて玉虫色、緑と紫色に見えることもあるようですが、私はそこまで近寄って見たことはまだありません。いつかこの目でちゃんと見てみたいです。

玉虫色がおしゃれなオス     ©Dan Lory

体に比して頭が大きいため、Buffalo (バイソン)とheadを組み合わせてBuffleheadという名前になったそうです。でも、この可愛いBuffleheadの頭を見てバイソンの頭に似ていると考えたなんて、ひどいと思いませんか?!

バイソン
https://science4fun.info/bison/

雌は、雄と違って水面に接している腹部が灰色で、背中はこげ茶または黒です。そして、頭から顔と首にかけても黒茶っぽいのですが、目の下の頬の部分が白い刷毛でさっと塗ったように見えます。この頬の白さのために、ちょっとはにかんでいる女の子のように私には感じられ、思わず「かわい〜〜い!」と毎回叫んでしまいます。

はにかんでいるようなBuffleheadのメス     ©Dan Lory

このBuffleheadは、Northern Flicker (ハシボソキツツキ) が木に作った古い穴の巣を自分たちの巣として使うそうです。ちゃっかりしていますね。Buffleheadは陸上を歩くことは滅多にないんですが、木に作った巣から雛を湖や池に誘導する時だけは歩くらしいです。また、オシドリやマガモなどのほとんどの鴨類と違って、Buffleheadは一夫一婦制だそうです。

仲睦まじそうなペア     ©Dan Lory
飛翔中のメスとオス     ©Dan Lory

カリフォルニアで見つかった化石にBuffleheadによく似ている鳥があり、それはなんと2百万年前のものだそうです。鳥を眺めて悠久の時の流れに溶け込むひとときが好きです。

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