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アメリカ人エンジニアのDEREKさんが家族で日本への定住を決めた理由とは。

BIRTHERs INTERVEW No.11
BOIRE DEREK LEEさん

今日は最近、オリジナルのドラムの音楽作成と練習アプリ『BEAT NOTE』をリリースしたソフトウェアエンジニアのDEREK LEEさんにお話を伺っていきます。DEREKさんよろしくお願いします!

開発と音楽に魅せられた青年時代

比嘉:DEREKさんが今のお仕事をするようになった背景を教えてください。

DEREKさん:私はアメリカの田舎で生まれ育ちました。11歳の時に父のPCに興味をもって、そこから独学で本で学んでいました。そこから開発にはまったのですが、90年代の高校には開発の授業がなかったので、並行して大学の夜間の授業を受けていました。
その時、同時に打ち込んでいたのが音楽。将来ミュージシャンとして活動していきたいと思うほど、バンドの活動に熱中していました。
開発と音楽、どちらも好きだったので悩みましたが、両親からの心配の声もあり開発を学べる大学に進むことに。結果として、その大学では音楽の専門でないからこそ、自由に音楽をすることができ、ソフトウェア×音楽の仕事がしたいという気持ちが強くなりました。

大都会の刺激を受けて、日本へ

比嘉:今まさに、学生時代の時にやりたいと思っていたお仕事ができているんですね!アメリカから、日本に来るきっかけはどんなことだったんですか?

DEREKさん:日本に来るきっかけとなったのは、大学卒業後、最初に勤めたソフト開発コンサルの会社の環境でした。大都会ワシントンD.C.にある会社で多様性に富んでいてとても刺激的でした。同僚は白人でない方も多く、そういう方たちは英語以外の言葉が話せたので「なぜ私だけ英語しか話せないんだろう」という疑問から、日本文化が気になっていたこともあり、日本語を週1で学び始めました。
2005年、07年と日本を訪れて日本中を旅し、その便利さや生活スタイルに惹かれて留学を決意。09年から約2年間岡崎市の語学学校に通いました。
ちょうど日本に来ることを決意したタイミングで、アメリカの学校で今の奥さんと出会い、そこからお付き合いして、日本で同じ学校にも通いました。

アメリカと日本での仕事を通して気づいた、人間関係の面白さ

比嘉:そこからそのまま日本でお仕事されたんですね。日本の会社とアメリカの会社でどのようなところが違いました?

DEREKさん:日本での最初の会社は、正直なところ合わないなと思いました。仕事内容が思っていたものと違っていて、私は前職でお客さんのニーズから価値あるソフトを作り上げることにやりがいを感じていたので、物足りなさがありました。また、アメリカの会社では同僚と仕事を通して仲良くなり、社内イベントや食事をともにすることでさらに関係性が深まって、より仕事も楽しくできていました。日本の会社ではそういう付き合いがなかったことや、やりがいを持つことができていない人が多いような雰囲気がありました。

その後、サンフランシスコに本社がある企業の東京オフィスに入社しましたが、そこでは日本のお客さんとチームを組んでどうやってアプリを作っていくか一緒に考えるところや、ペアで話し合いながら開発を進めていくスタイルがとても自分にあっていたと思います。
ペアでの開発は、卓球のラリーのように1コードずつ書いていくので、それぞれがアイディアを出し合って、最終的にお互いの想像を超える良いものができ上がっていく工程がとても面白かったです。

比嘉:ここでも人との関わりに面白さを感じているんですね!

DEREKさん:そうですね。今年から独立して開発の仕事をやっているのですが、一人でやることは向いていないなと思いました。私は人間関係に面白さを感じているので、人や社会のためになることを今後やっていきたいと思っています。人に大きな影響を与えるトピックで、最近とくに気になっているのは気候変動や鬱の問題です。まだ明確なイメージはありませんが、ソフトウェアの技術を生かして、そういった問題に対してアプローチしていけないかなと考えています。

比嘉:普段の人との関わりで大事にしていることはありますか?

DEREKさん:思い込みで決めつけずに、傾聴すること、仮説はきちんと相手に確認することを大切にしています。

愛する娘のために考える未来

比嘉:DEREKさんは今後も日本で生活し続けたいと考えていますか?

DEREKさん:日本での暮らしは気に入っているので、今後も住み続けたいと思っていて、今年は家族全員日本での永住権も獲得しました。日本人はどんな時でも他人を尊重する姿勢を忘れないところが素敵だと思います。
アメリカでは、最近銃を持った人が学校に侵入する事件も度々発生して話題にあがっているので、2歳の娘のことを考えると今は日本で暮らす方が安全かなと考えています。
ただ、日本の社会は上下関係が厳しかったり、人間関係において窮屈な印象があります。家族や友人のほとんどもアメリカにいるので、そこも悩ましいですね。
多様性に富んだ自由な人間関係があれば、もっと楽しくなると思います。

いつもにこやかにお話してくれるDEREKさん。
人との関わりを大切にされていることを、このお話を通じてより実感しました。
BIRTHで過ごす時間がDEREKさんにとって楽しいものであってほしいなと思います。

DEREKさんが開発したドラムアプリ『BEAT NOTE』は、App Storeからダウンロードできます。来年春を目処にandroid版がリリース。今後はコンテンツの拡充や、ウェブ版の開発も進めていく予定とのことです。
みなさんの周りのドラマーに、ぜひ紹介してみてください!

Beat Note Website: https://beat-note.app/
Blog: https://artandscienceofcoding.com/


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