ダチョウに王冠を授けよう
前回のエントリのリアクションに「馬肉の佃煮はおいしいのでは」というのを戴いたのですがおいしいと思いますがそういう問題ではありません。佃煮にするために佃煮にしたのと最終的に佃煮にするしかなかったのでは天と地との差があるのです。最初からツナにするつもりで最高級のまぐろを用意するのとまぐろのどうしようもないところを仕方ないのでツナにするのとは全然違うようにです。最高級のまぐろで作ったツナサンド、ちょっと食べてみたいですが、パンとマヨネーズが負けそう。わたしはツナサンドにはたまねぎも入れます。
さて、負けた話ばかりするのはやめましょう。前を向きましょう。
ここまでで一番おいしかった肉はなんですかと聞かれたらダチョウと答えます。
ダチョウはいいぞ。
子供の頃好きだった絵本に、ふらいぱんじいさんというのがありました。ふらいぱんじいさん(見てのとおり年を取ったフライパンです)は諸国を渡り歩く中でダチョウと巡り合い、散々な目に合うのですが、それ以来ダチョウという動物はわたしの憧れの存在でした。鳥なのにものすごく大きい。そしてすごく走るのが早くて強い。
そのダチョウがAmazonから送られてきました。
よく知らない人から。
何度も言うようですがダチョウがよく知らない人からAmazon経由で送られてくる経験に含まれるポエトリーは絶筆に尽くしがたいものがあります。
ダチョウをもらった
知らない人に
本屋さんで
売っていたから
事実しか述べてないけどポエトリーが過ぎるだろ。
さてダチョウは残念ながらふらいぱんじいさんによって加熱しないほうがいい肉です。脂分がほとんどないので火を通すとぱっさぱさになります。刺身かユッケかたたきかそのへんで食べるものとの指示があったので刺身にしました。
本屋さんで
買ってきた
ダチョウを食べた
わさび醤油で
赤身の肉が好きです。
まぐろの赤身を食べてはこれはなんかでも違うなと思いながら生きてきたのですがわたしはずっとダチョウを求めていたのだということに気づきました。さらっと舌の上を流れていく甘さの少し手前にあるものと脳のどこかにぺっと投げつけられるようなやすらかさ。冷たい……おいしい……つめたくておいしい……。
ダチョウおいしかったです。アフリカに行ったことないのになあ。ふらいぱんじいさんにもおしえてあげたい。ダチョウはおいしかったよ。フライパンは使わなかったけど。
※これ国産だけど
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