(仮)私は濁流から生まれた 第1話

プロローグ


彼は後悔してるのか?後悔してないのか?

私が後悔すべきか。あの時、おーいって言ったのは彼だけど、簡単に車に乗ったのは私だ。でも、その後偶然会った時無視するなんて、いい人なのか悪い人なのか分からなくなった。

私は恋愛感情を持ちやすい。男の人と話す方が話しやすい。だからタチが悪いのかもしれない。

だから、男の人と話す方が気楽だ。余程の事が基準としてはないけど、ターミネーターのシュワちゃんとは絶対に話せない。怖すぎるからだ。

要は私は愛に飢えた愚か者。人の優しさや快楽、達成感、優越感、親切、慈悲etcを知らないから、人から聞いた話や、それっていったいどんなものなのか知りたくて相手から吸い取るのか、ただただ純粋に恋愛したいのかよく分からない。

私を必要としてくれる人の存在もほしい。人の役にたちたい。人からの愛に飢えてる。人に与える愛の量も足りてない。貧しい心を持ったただの偽善者。

私はばかもの。すーっと何者でもない、なんの色も持ってないただの冷たい透明人間。みんな私の前を通り過ぎる。

見えない柵が私の前にある。

やっぱりどこまで行っても誰にも気がついてもらえない、相手に対して思いやりを持てない、不本意な冷たい透明人間になったから、みんな離れていったんだ。自分がよくわかってる。1人で生きていくしかない、決意、覚悟、し始めていた。


1

平成28年母は永遠のお出かけにでた。おそらく母を出かけさせてしまったのは私のせいだとずっとずっと思ってきた。今の今も罪悪感を感じている。

朝、紫になった母の舌を見て、うわぁ、、死んでる、、と思った。何も感じなかった。

父ちゃんに怒りが湧いてきた、なんで微動だにしないのに見ないんだ。救命士が今は後にしてくださいとその場を収めて、父ちゃんは救急車に同乗して行った。

もう死んでいるのに、、、もう死んでるのに

その後の父ちゃんからの電話でやっぱり母ちゃんは死んだとわかった。

母ちゃんに死化粧をしてあげた。こんな時でさえもタバコを吸いたい自分がいて嫌になった。葬儀会社の都合で何時間も待たなきゃならなかった。

涙なんて出ないし、母ちゃんの遺体と一緒にいたって暇なだけだった。なんで私ってこんなに冷たいんだろう。

それからやっと葬儀会社がきて自宅へと搬送する時に眠たくなってきた。

こんなに悲しい出来事があってさえも体は正直になる。

わけも分からず遺体を家に運び込み、恒例のご近所さんがどっと来た。父は葬式の準備へ私は来客の対応へ、どこから聞いたのかわらわらとたくさんの人がきた。なぜ死んだか、くる人数分しゃべって疲れてしまった。

病院で父ちゃんが泣いた、いとこが泣いた、家では母ちゃんの弟が泣いた、私の友だちが泣いた。

私だけ泣かなかった。その代わり心が泣いていた疲れたから休ませろと。私の心はどこまでも冷たかった。誰かアイスピックで突き刺して欲しい。愛のない心を。愛のない血で染めてほしかった。

生と死の境目を私は見た。自分の心も死んだのかと思った。もうずっと前から死んでいたのかもしれないな。なんて思った。

悲しいことは悲しい。泣けないものは泣けない。疲れるものは疲れるし、冷たい人はどこまでも冷たい。そしていつかみんな生きて死ぬ。

明日が来ると頑なに信じてるみんなに確実に明日はくる。

これからどうやって暮らしていくんだろうとは思っていたけど、苦しくて、散々な日々が待っているとは思わなかった。

この世の終わりを見ているかのようだった。

私は人前で泣かない、泣けない、泣く必要が無い。泣いてもどうしようもない。私は人前では絶対に泣かなかった。なぜかは分からない。人前で泣いた方が得なのかな?こんな疑問も出てくる。なぜか涙は1人の時にしか出なかった。

母ちゃんは肝臓の病で亡くなったとされていた。原因があるなら知りたいくらいだ。結局私は体が半分になったような状態で、いつまでもいつまでも死んだ母ちゃんのそばにいた。そんな私に誰も寄り付こうとしなかった。

けど用事のある時やものがほしい時はみんな親切にしてくれた。

母ちゃんの遺体が燃やすところを見れず過呼吸気味になったり、骨もろくに拾ってあげられなかった。

それから私は乱暴な人になった。父ちゃんに全く話が通じないのだ。まるで宇宙人と話してるみたい。父ちゃんが家事をやってこなかったしわ寄せがなぜここに来る?なぜ介護が必要な状態になるまで病気になる?

乱暴というか怒りが酷くなった。止められなかった。これでもかと言うほど暴れた。

家は破壊されていった。父ちゃんとはと分かり合えなさすぎた。父ちゃんがサイコパスに見えて仕方なかった。それでも父ちゃんは1回も大きな声を出したり、怒ったことがなかった。自分の家で自分の依存先や居場所はここにはないんだなって思った。突然失った依存先、私は困惑していた。




第2話に続く??????

ーーーーー登場人物、団体名などは全てフィクションであり、事実とは全く関係ありませんーーーーー

今回小説に挑戦してみます。短編かな?どっちにしろ仮であり、大幅な加筆修正があるかもしれません。





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