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速さv、波長λ、振動数f (Hz)、周期T 【読書感想文】 改訂版 大学入試 漆原晃の 物理基礎・物理[波動・原子]が面白いほどわかる本


★★★★☆
Amazonでレビューしたものです。

2007年に刊行して以来、かつてないほどわかりやすいと合格した先輩から大絶賛となった参考書が、新課程内容を盛り込み、改訂版としてリニューアルしました。
教科書の弱点をすべて克服し、読んでいて疑問点が残らない解説を展開しており、日常学習から国公立二次・私大入試対策まで、オールラウンドで使用することができます。

この本では『物理基礎』と『物理』を合わせた「波動」と「原子」分野を学習することができます。

<本書の特長1> 「物理」現象の「イメージ」を伝えます。
<本書の特長2> 「物理」の基本原理から「本質」を導きます。
<本書の特長3> 設問「解法」を丁寧に教えます。

各テーマは、「Story」、「POINT」、「チェック問題」、「まとめ」の4つで構成されています。本書のより良い効果的な使い方は以下の通りです。
1)「Story」:物理現象のイメージを伝えるために多くのたとえ話でわかりやすく解説。本文をしっかり読み込み、教科書と並行して学習するとより効果的!
2)「POINT」:物理を理解するうえで重要な概念や原理・公式など、理解しておくべき要点を整理!
3)「チェック問題」:あらゆるタイプの出題にも対応できるように数多くの問題を掲載。「シンプル」かつ「万能」な解法ばかりで解ける自信がつく! そして、別解では物理的センスを養ったり、本番で役立つ吟味法も身につく。
4)「まとめ」:各章で展開した内容の要点を整理し、理解度の指針となる!

今すぐ読みたくなりましたよね!
さあ、漆原先生の講義でとことん学習しましょう!!



1.代ゼミ講師の漆原先生の本です。


代々木ゼミナールという予備校があります。

私は昔、夏休みの間だけ講義を受けた覚えがあるようなないような、、

そちらの物理の講師の先生、漆原晃先生が書かれた本になります。

なんと、こちらの漆原先生、東京大学理学部物理学科卒!

物理の研究をされていたけど、”日本の物理教育に革命を起こすべく教育界に転身”されたんだそうです。

専門家ですねえ。
知らないと教えられませんが、知っていても教えられるとは限らないのが、不思議かつ面白いところなんですよね。
自分が知っていることと、相手に知らせる理解させることは、異なる能力なんですね。
知っている人できる人にとっては当然のことで、わからないことがわからないという状態になることもありますからねえ。

そんな元専門家が転身して書かれた、教育の本になります。

2.波であり粒であり??

①物理の一番難しい分野

この本の内容は下記になっています。

物理基礎の波動
第1章 波のイメージ=ウェーブ
第2章 縦波・反射波
第3章 定常波と弦・気柱
第4章 うなり

物理の波動
第5章 波の式のつくり方
第6章 ドップラー効果
第7章 光の屈折
第8章 レンズ
第9章 波の干渉
第10章 光の干渉(スリット型)
第11章 光の干渉(反射型)

原子論
第12章 光の粒子性
第13章 電子の波動性
第14章 原子核

もくじ

最後の原子論は、現代物理学の分野に足を踏み入れる形になります。
アインシュタインですよ!

本当に難しい分野になりますね。

②わかりやすい工夫

このシリーズは他も読みましたが同様に、読む人が読みやすいように意識された形式になっています。

文章も、講師の先生と顔のイラストにセリフ付きの学生さんが、会話する形式でページが進んでいきます。
「ブブー」「アチャー」「へへー」などと、先生がふざけて答えたりもしています。

わかりやすい例えも使われています。
仕事関数Wを100万円払わないと脱出できないとお金で例えたり、
α崩壊やβ崩壊直後の原子核が、その反動で激しく振動したり回転したりしていること、プリンからスプーンでひと口取ると「プルプル」するイメージ、と言ったり。

さらに、学習内容が我々の生活とどのように関係しているのかも豊富に示されています。

第1章 波のイメージ=ウェーブは、「STORY1身のまわりにどんな波がある?」で始まります。

”「ピピピピピ・・・!」目覚まし時計が朝のはじまりを告げる。
(鼓膜は、空気中を伝わる縦波の音波を受け、振動数500Hzで振動中だ)
「サッ!」とカーテンを引くと、今日は快晴!! 朝の光が差し込んでくる。寝ぼけまなこがだんだんはっきりしてくる。
(水晶体のレンズが網膜のスクリーンに倒立実像を作っているよ)
「トントントン」と階段を下り、「おはよう〜」とあいさつをする。
(声帯の弦から発せられる音波を、のどの気柱で共鳴させているんだよ)
朝食を食べていると、「いっしょに学校へいこう♪」という友達のメールがスマホに届く。
(メールは部屋の中に回折してきた電波に乗ってやってくるね)
イヤホンを付けて、音楽を聴きながら、「いってきま〜す!」と玄関を出る。
(最近のヘッドホンには、クリアな音をつくり出すため、干渉効果で雑音を打ち消す働きがあるよ)”

他にも、

”地震で最初に来るカタカタはP波で縦波だ。遅れてやってくるユサユサの主要動は、S波で横波だ。新幹線は、この先にやってくるP波を検知して警報を発する「ユレダス」というシステムを採用している”

”ドップラー効果ほど有効に私たちの生活で活用されている波動現象はないんだよ。スピード違反の取締り(スピード違反はいけませんよ)。野球のスピードガン、医学で手術中に血液の流れを調べるドップラーモニター、気象では雨や風の強さを見るドップラーレーダー、漁業では魚群探知機、潜水艦のソナー、さらに宇宙天文学でのドップラーアンテナ、そして、なんとコウモリやイルカなどの動物間でもがこの現象をフル活用しているんだね★”

”この光ファイバーも日常生活でよく使われているね。インターネット通信の光ケーブルから、胃カメラ、内視鏡、クリスマスツリーなどだ。
光ファイバー内を光を減衰させることなしに遠くに伝えることができるのは、全反射のおかげなんだね。”


このように、身近に使われている例を示して、親しみやすさを感じられるように工夫されています。


③とはいえ高度な内容です


個人的に、最後の原子論は、本当にわからなくて、苦手な分野です。


特に、

”現代物理学の3つの常識
①光は、波でもある。
②電子は、波でもある。
③質量は、消えたり生じたりすることもできる。”

「粒でも波でもあるって何?」と大混乱していました。

もちろん、この章の内容は、いずれも我々の現在の生活に関係し影響をしている内容になります。
α崩壊やβ崩壊、半減期についてしっかり理解できていたら、震災のフクシマの事故がもっとよく理解できていたのかなと思います。

これはもうこういうものとして受け入れて覚えるしかないんでしょうね。

空気中でつたわる音波と、真空中でも伝わる光波の違いもそうでした。真空中で電場と磁場が生み出すリレーとなると。

イメージとしては、少年漫画の気による必殺技でしょうか、、?
元気玉とか、消えたりでたりは破壊したり重くなったり形が変わったりするエネルギーのイメージ。

3.勉強のし直しと思ったら始まりでした。

私はITについて独学をしています。

その途中で、物理が苦手で高校物理の大事さについてご指摘いただきました。

そこで、高校物理の電磁気について前回読んでみました。


今回は、無線LANなどが理解できるかな、とこちらの本をよんでみました。

難しい内容でしたが、読みやすい形式でしたので、なんとか最後まで読むことができました。

波の種類と特徴は少し理解できました。
速さv、波長λ、振動数f (Hz)、周期T

また折にふれて読み返していきたいと思います。

著者:漆原晃 (著)
ASIN ‏ : ‎ B0C52YKP7T
出版社 ‏ : ‎ KADOKAWA (2023/5/26)
発売日 ‏ : ‎ 2023/5/26
言語 ‏ : ‎ 日本語
ファイルサイズ ‏ : ‎ 124072 KB

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