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交渉人は嵌められる 【ネタバレあり読書感想文BLR18】 引き裂かれる献身

*BL本 多分R18です

★★★★☆
Amazonでレビューしたものです

<あらすじ>
俺はなにをしているのだろう。俺はなにを……失おうとしているのだろう──
下町は両国に芽吹ネゴオフィスとして事務所を構える芽吹章は、嫁姑問題以外ならなんでもござれの交渉人だ。そんな芽吹の恋人は泣く子も黙ると評判のヤクザ兵頭寿悦だ。仕事も恋も順調! のはずの毎日だったが、ひとりの男が現れたことにより、芽吹の過去が露になっていく。それはかつて自分を救ってくれた親友への罪悪感であり、芽吹の忘れることのできない傷でもある。俺を選ぶのか、それとも―― 芽吹と兵頭が選んだものは……!?

Amazonのページより





「黙らない」「疑わない」「振り返る」に続く、シリーズ4冊目。
内容的に次の「交渉人は諦めない」と合わせて前後編となっており、こちらは前編です。

辛い巻でした。

A.コスプレと大人のおもちゃ


季節は冬。始まりはいつも通り楽しい感じ。

三流結婚詐欺師へ対峙する交渉人。切ないヤクザのコスプレをして。そこへ登場する本物の若頭に、びびって逃げ出す三流詐欺師。
一件落着と思えば、なんと今度は、その三流詐欺師が芽吹のところへストーカー対策の依頼にやってくる。真っ当になることを条件に引き受け、ストーカーとなっている商売女と対峙する交渉人。
だが、ホテルに連れ込まれそうになり、、、またも若頭登場。

どんだけ芽吹を見張ってるんですか、兵頭。むしろストーカーはあなたでしょう、と突っ込みたくなりますよ。
浮気を疑われてスったもんだしたあげく、珍しくホテルでいちゃつく二人。
テクノロジーを持ち込まない主義の芽吹に、日記につけときますよ、と返す兵頭。なんとも楽しいやりとりは健在で嬉しくなります。

春に再開してからなんだかんだと付き合いを始め、関係を深め、お互いに居心地良く過ごせるようになってきた二人。

そこへ、最大の敵が襲いかかります。

B.多すぎる偶然と雑なイラスト


その後の内容としてはちょっと偶然がすぎるかな、と思いました。
たまたま請け負った仕事の相手の三流結婚詐欺師がたまたまストーカーをされていて芽吹の事務所にやってきて、さらにその三流はたまたま一流詐欺師と一緒に仕事をした時期がある。さらにさらにそのストーカーが一流詐欺師の仕事のターゲットになっており、たまたま芽吹と兵頭とトラブルになる。(追跡されるのはわかるけど)それでもって、一流詐欺師は兵頭と過去に関係があり、また手に入れたいと思う。そして、芽吹の過去のトラウマの教唆犯=真犯人が、その一流詐欺師だった。
って、いくらなんでも重なりすぎでしょう。

ペン型のUSBなんてそんなあるものではないでしょう。被るか? そんな重要機密を気軽に入れて持ち運ぶか? 2010年の話とはいえちょっと疑問に思いました。
元刑事がどうやってメール内容を手に入れたかも、どうしてそれが環にばれたのかも不明ですしね。保険金の支払いがされれば調べられると思いますし、受け取り人が殺したら支払いされないのではないかなあ。入院前に手続きして先にもらったとしても、後から他に巨額の金の移動がわかれば調べられるのでは。
まあ、病院が身元確認が不十分なのは今も昔もそうですが。

そして、他でも指摘されていますが、
イラスト!!!
どうしたのっていうぐらいに変わってしまって、がっかりです。
「黙らない」「疑わない」の綺麗に描かれた絵と今回の扉絵の落差といったら、、落書きレベルじゃないですか。。
美しくない。。。芽吹も兵頭も美しくない。。

余談になりますが、
兵頭の私のイメージは、漫画だと河惣益巳のツーリングエクスプレスのディーンですね。鍛えられた肉体に色気のある美丈夫のカリスマで、愛想がなくていかにもその筋の人って感じ。人種を脳内変換させる感じで、一ついかがでしょうか。3次元だとそうですねえ、、、B'zの稲葉さんの全盛期とかかなあ。
芽吹がなあ、、、難しいんですよね。優男で色気があるけど知的って。。。2次元は見当たらず。ちょっと思いついたのは、V6の長野くんの若いころ? 優しげなハンサムってことで。あとは向井理とか?
男に好かれる色気っていうのがよくわからないんですよね。。そんな人いるかなあ。。

C.引き裂かれる二人


詐欺師と過去からの亡霊に、引き裂かれる二人。

兵頭は、組のためと芽吹のことばかり考えています。
そのためなら、自分の心も体も、命さえもいらないほどに。
普段どうでもいいようなことを言って揶揄いながらも芽吹には優しかった兵頭が、組のために芽吹を攻め立て、でも攻めきれず手を離すのは、なんともいえず悲しいシーンでした。
大事な大事な組と、大好きな大好きな先輩の間で、引き裂かれる兵頭。
激しすぎる熱い激情で、芽吹に詰め寄ります。自分か、昔の友達かと。

芽吹にとって若林は、未だに薬を飲んで現れる幻覚であり、死へと誘う亡霊です。
七五三野の助けもあり、信頼できる仲間をえて、やっと生きる方向に戻ってきた芽吹を、グラグラと揺さぶり追い詰めます。

譲れない芽吹。
兵頭は立ち去り、環の手に落ちます。

なんてこった。。。
この先どうなる。。。


著者:榎田尤利 (著), 奈良千春 (イラスト)
ASIN ‏ : ‎ B07726DVBW
出版社 ‏ : ‎ 大洋図書 (2010/8/4)
発売日 ‏ : ‎ 2010/8/4
言語 ‏ : ‎ 日本語
ファイルサイズ ‏ : ‎ 10666 KB
本の長さ ‏ : ‎ 235ページ


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