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いままで、これから 第3章:はじめて自分を見つけた日

こんばんは。
あんにんです。

長編の自己紹介も、ひと区切りの第3章です。
『いままで、これから』というマガジンの連載で、
ようやく”いままで”から、”いま”に到達します。

第2章では、社会人になってから転職を繰り返し、
いく先もなくさまよっていた時期のことをかきました。

おそらく、人生を起承転結でなぞらえるといまは『転』の部分です。
何を知り、何を考え、何を思い、
そして今にいたるのかについてを書いていきます。

 ・プロローグ
 ・第1章 大人の顔色をうかがう:正解探し期
 ・第2章 大切なことが分からなくなった:迷走期
 ・第3章 自分で未来を決めた:軌道修正期

謎の自分磨きのはじまり

そこはかとない不安がつきまとい、
狂ったようになにかを追い求めたのは、社会に出て数年がたった頃。

今よりいいと思える会社があれば躊躇なく転職もした。
務めた期間なんて関係なく、
とにかく先へ、先へ、もっと、もっと、と求め続けた。

でも、ふと仕事三昧の自分を見つめ直したとき、
周りは結婚ラッシュに突入していた。
みんな、どんどんライフステージが変わっていく。

わたしはずっとこのままでいいのだろうか?とさらに不安が募る。

”婚活”と称して、アフター5を習いごとに費やしている友人は少なくない。

なんだか置いていかれそうで、私も片っ端から手を出した。
料理教室、英会話教室、ヨガ、パン作り。

今の自分に役立っていることは、特にない。

みんなと同じ道を行けば一人じゃない。だから怖くない。

会社が用意してくれた研修も、とにかく受けまくった。
ロジカルシンキング、タイムマネジメント、7つの習慣などなど。
時間の許す限り、できることはなんでもやった。

でもなんだろう、不安は一向にぬぐえない。

どこへ向かっているのだろうか

いま振り返ると、周囲の人たちから見て、
私はとても不思議な人間に映ったのではないだろうか。

仕事に熱をあげていると思えば、定時に帰り習いごとにはげむ。
若いうちにひとしきりいろいろな経験をしたのはよかったけれど、
代わりに”器用貧乏”という肩書を得たようにも思う。

とにかくなにかを頑張っているんだろうけど、から回っているよ。
当時の自分が目の前にいたら、早く教えてあげたい。

そんなおかしな私をみかねて、友人が話を聞いてくれた。
「すごく頑張っているみたいだけど、なにを頑張ってるの?」

私のあたまはフリーズする。
「なにって…。私はなにをしてるんだっけ…?」

友人に、私がかかえていた不安や焦燥など、胸の内をすべてうちあける。
少しすっきりとした。

そうか、私は不安はこれだったんだ。
この先自分がどこにいくかがわからない。
だから、なにを頑張ればいいかもわからない。

得体のしれない能力開発

私の”謎の自分磨き”に終止符を打ったのは、
友人がすすめてくれたある研修だった。
ASKアカデミーという研修会社の能力開発研修だ。

能力開発??
まったく馴染みのない言葉。

今まであらゆるスキルアップ研修を受けた来たけれど、
「ロジカルシンキング」とか「タイムマネジメント」とか、
目的が用意されていたから、なんとなくイメージできていた。

周りではMBAをとるとかとらないとか話す友人たちが多かったから、
いきなり能力開発という、ちょっと抽象的なワード。

私が怪訝(けげん)そうな顔をしているのを察して、
友人はひとこと『いってみればわかる!』とだけ熱く言った。

もうここまで来たら断る理由もない。
一大決心して、研修に参加してみることにした。

目的地を決めること

ASKアカデミーの研修で、まずは導入編の「ベーシック」という3日間の研修に参加してみる。
3日間もやることがあるのだろうか?と謎が多かったけれど、
この3日間が、この先の私を大きく変えることになる。

まあ、とにかく新しい経験の数々だった。

いままで私が受けてきたスキルアップ研修は、
よくも悪くも”答えを教わりに行く場”だったと思う。
そう、私が大好きなやつ。

だけど、ASKベーシックに答えは用意されていない。
そこで学ぶことは、「自分で答えを導き出すこと」だった。

3日間のなかで、自分自身の価値観や感性や人生観について、
何度問われたかわからない。
まずはっきりしたのは、もう何年もつき合ってきた仲なのに、
私は私のことを全然知らないんだ。

「で?あなたはどうしたいの?」

問われるたびに、汗がにじむ感覚がした。
そう。これまでずっと、私が逃げ続けてきた問いだったから。
正解探しばかりして、自分の想いにはずっしりと重いフタをしてきたのだ。

これからへ続く道

激動の3日間で私が得たことは、
意外にもとてもシンプルな内容だった。

自分の人生の行先は、自分自身で決めるものなのだということ。

当たり前のようでいて、意外とここに気づけている人って少ないんじゃないのかな。
なんだか今まで胸につっかえていたものが、すっとはずれた気がした。

やっぱり長年のクセで、今でも”正解”がなにかを探してしまう。
でも、今までの私とは少し違う。
誰かの正解ではなく、自分が決めた道が正解なのだと思えるようになった。
そう思うと、自分のことが前より好きになれる。

そうだ、私の人生だ。
大事なことが抜け落ちて、真っ白だった世界に、
なんだかちょっと光が見えた気がした。


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