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よしこおばさんのロングスカート

ロングスカートが好きだ。
最近はパンツの日も結構増えたけど、
大学時代は私服の8割がロングスカートだった。

理由はシンプルで、
太くて短い脚を誤魔化すため。
この体型は、父方の遺伝によるもの。間違いない。

父の妹である、よしこおばさんも同じ体型で、
コンプレックスを隠すために、
ほぼ毎日ロングスカートを履いていた。
小さい頃は「昔のよしこさんにそっくりね」
と、親戚に会うたび言われたから、
どうやら顔も似ていたらしい。

小学校4年生のとき、
よしこおばさんが亡くなった。
病院にいる両親から、深夜に連絡を受けて
兄たちとともに駆けつけたのを覚えている。

父にとって、
よしこおばさんは一番の理解者だったそうだ。
お互いに自分で事業を始めたもの同士、
通じ合うものがあったんだと思う。

離婚してシングルマザーだったこともあり、
よしこおばさんが亡くなる前の闘病期間は、
父がずっとサポートをしていた。
治療のため、メキシコの病院に行くという時も
母を連れてついていった。
おばさんが亡くなった後も、
その子ども2人(といっても、いい大人だけど)の
相談役、親代わりみたいなことを続けている。

話は戻って、小学生の当時から
下半身おデブがコンプレックスだった私は、
よしこおばさんの形見として、
ロングスカートを何着かいただいた。
大人になって、自分で買ったものもあるけど、
未だに、おばさんのロングスカートほど
形が綺麗で使いやすいものには出会えていない。
20年経った今も、1番のお気に入り。

今日は、父のちょっとしたお祝いだったから、
形見のスカートを履いていった。
父が気づいているかどうかは知らないけれど、
還暦のお祝いの時も、リタイアの慰労会も、
よしこおばさんのスカートを着ていった。

こんな気持ちの寄せ方ができるのは、
あの時ロングスカートを引き継いだからこそ。
言うなれば、この太くて短い脚のおかげ。笑
大切に着つづけたいと思う。

見つけていただいて、 読んでいただいて、ありがとうございます。