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目的地に着けない不安感

何十年も生きてきてお恥ずかしい話だが、

バスに乗るのが非常に苦手だ。

同じ行き先のバスでも、◯◯系などと系列がいくつもあり、それにより経由していくところ、道順が微妙に違うのだ。

終点まで乗るのであれば何に乗っても問題ないのだが、途中の場所が目的地だった場合が大変である。

このバスはどういう順番でどこを通る?

キョロキョロしながら、座席に座っていても身体も気持ちも休まらない。

知っている道ならまだしも、全く知らない土地で乗ったバスの場合が最悪だ。
目的地とは違うところに向かっていたとしても、かなり後になってからでないと気づかない。

不安なら乗るときに運転手さんに聞けば良いのだが、お得意の“思い込み”で、これで大丈夫だろう、だってあんなに調べたんだし!と勘違いしていると、運転手さんに聞くことすらなく、目的地とは違うところに連れていかれて途方にくれる。

だから、きっと私は、もし「ひとりでバスに乗ってぶらり旅♪」なんてことになっても、到底楽しいぶらり旅なんてできないだろう。テレビの旅番組なら、事前にスタッフの方が調べて、演者の方はそのリサーチに従い乗るだけなので不安はないと思う。私も誰かにこの何番のバスに乗りなさい、と太鼓判を押してもらえたら、楽しく乗れる自信はある。

兎にも角にも、バスの路線が、電車みたいにわかりやすいと本当に助かるのだけど...

単にバスが苦手、という話では終わらない。

勿論ここで話を終えても問題はないのだが、どうしてこんなにバスに乗ることに緊張し、なるべくなら乗りたくないと思うのか。

よく見る夢がある。
大抵は、自分が学生で、周りの友人たちは課題をもう仕上げているのに私一人だけやっていない、なんならその課題が出されていたことすら知らなかった、なんていうシチュエーション。

あるいは、広いデパートの中が複雑な作りになっていて、行きたい売り場や階に到達しない、さらには全然違うところに着いてしまうか、途中の道をぐるぐる繰り返し回っているだけ。

つまりは、私だけが残されたり、置いていかれる状況だ。

普段の生活で、実際は置いていかれることなんてそんなになかった、いや、ほぼなかった。
計画的に物事をこなして仕上げ、前もって準備を重ねているから。

でも不安は消えない。
準備すればするほど雪だるまのように、不安は却って大きくなってゆく。

バスに乗ってどこかに行く。
でも自分の下調べや意思が無になるかのように、バスは目的地とはどんどん離れていく。
しかもまちがっていたことをだいぶ経ってからでないと気づけないし、気付いたときには途方にくれるレベルで手遅れ。

日頃の生活で感じている不安のかけらが、夢の中ではかなり増幅されて、考えうる一番悪い状況に必ず持っていかれる。
頑張っても報われないどころか、真逆の世界に連れていかれる。

バスに乗ってどこかにいくという行為が、そしてこんなシチュエーションが、どこか私がよく見る夢と重なるからではないだろうか。

バスに乗っているほかのお客さんは、ちゃんと行き先や途中の経路もしっかり把握しているのに、
私だけが一人わかっていない。
目的地と違うところに連れていかれて、自分一人だけで困り果てる。

考えすぎなのだろうと良くわかっているが、バスはどうも不安の象徴になってしまっているようだ。

ああ、どうか私がおばあさんになって、移動手段がバスしか無くなったとき、夢で見るような最悪な状況に陥りませんように...

#バス #目的地 #迷子 #遅れ #不安 #薬剤師 #つぶやき

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