見出し画像

最後の日には|詩

「山や川は崩れても
 ことばや文学は残る」
...と、ある文学者は言う

たしかにそう
私が地球人最後の生き残りなら
世界中の文学の電子データを
ひっつかんで宇宙船に駆け込む
それだけは連れて行く


だけど思うの

ほんとうは

この地球の最後の生き残りなら
その記憶媒体を
地中深くうずめて
なにかにお祈りをしてから
いっしょに最期を迎えたい

ロケットは空っぽのまま
送り出す

地球を滅ぼした人間の
最後の一人として

それが筋なんだと思う



 ドナルド・キーンさんの本を読んで感じたことを書いてみました。
 浅学浅慮を省みずに言うなら、ですが。

 「日本人は○○な人たちです」みたいなイデオロギー風のことを自ら言うことについて、アレルギーのある私。他の方が仰るのを聞く分にはぜんぜん平気なのですが...。(なぜそうなったのかは不明)

 ですが、このくらいアバウトな内容なら言ってもいいかなと思うの。

 天平てんぴょうの昔から日本人に流れている心性を思うと、人間<自然なのではないかな...と。

 自然より人間の文明を尊ぶのは、西洋的な価値観であり、そこがあと一歩、日本的ではないのかも...良し悪しの話ではなくて。

 揚げ足を取りたいのではないのです。フェアじゃない気もするし...。でも、キーンさんでさえそうなのか・・・と驚いたこと、また、素晴らしい著作や鋭い分析を遺してくださったキーンさんに感謝をこめて、返詩を書いた次第です。


タイトル画像はsynesthesiaaiart様@stock.foto



この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?