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私とむげん堂 1

ちょっと前のカレーの話の際に出てきた【元祖仲屋むげん堂】
私の自己形成に、大きな影響を与えたお店。
むげん堂との出会い・思い出話を、何回かに分けて書こうと思う。

■出会い

13歳、中学一年生。
当時、東西線沿線の<大きな玉ねぎ>の麓の学校に通っていた。
クラスメイトに、高田馬場に住んでいる女の子がいた。
「馬場に面白いお店があるよ。好きだと思うよ。行ってみようよ。」
みたいな感じで連れて行ったもらったお店、それが今は無き【元祖仲屋むげん堂 高田馬場 伍番組】だった。

当時のむげん堂は、雑居ビルの2階にあったと思う。
1階のビル入口ホールには、お馴染みの黄色に黒の目のマークの看板が、薄汚れた壁にどーんって貼ってあって、道路に面しておススメコーデマネキンが、置かれていた。

ちょっと入りにくい。
が、第一印象。

2階のお店へ向かう階段の途中から、かごに入ったストールや雑貨が置かれいた。値札には、ちょっと個性的な文字で金額と小さなコメントが、黒と赤のマジックで書かれていた。

店内に入ると何とも言えない、独特の匂い。
エスニックの香り、とでも言うのだろうか。
今も、むげん堂へ行くとこの香りが出迎えてくれる。
他のエスニック雑貨店でもこのような匂いはするけど、むげん堂はもっと強い気がする。

店内は、ちょっと暗い中、衣料から雑貨、サンダルにアクセサリー、神様や楽器、そしてお香。下から上まで陳列されていて、天井からぶら下がっているモノもあった。ぎゅうぎゅうに詰め込まれた店内は、通路が狭く、人一人の通路幅がやっと。特に馬場のお店は、他店に比べて狭かった気がする。

初めてのモノばかり。色んなモノを丁寧に見ていった思う。

むげん堂初日にして、特別な場所を見つけ、ここの空気は忘れまいと、どうしても何か買って帰りたかった。あまりにも初めての空間で、夢みたいだったからかもしれない。

そこで、気になったのは、アクセサリー。
アルミ(?)製の輪っかに、それぞれ赤やピンク、青や紫など、いろんな色が施された腕輪が5本で100円。ちょっとキラキラした腕輪は3本で100円。だった気がする。

彼女が
「私もそれ持ってるよー。安いし可愛いよね。」

そう、安くて可愛い!

お財布の中身により、5本組腕輪を2セット買うのが限界だったかな。
どの色合わせにしようか一生懸命選んで買った。

これにしよう!
入り口傍のレジに持って行って、むげん堂通信と共に、あの黄色の袋に入れてもらった。

友達と駅で別れて、私は地元まで電車。
電車の中で、むげん堂通信を読んだ。そして、暫く、むげん通信を、えっこら集め始めた。


嗅いだことのない匂い、見たことのない物だらけ、狭くて妖しい、ちょっと暗い。

【元祖仲屋むげん堂】、一瞬で虜になってしまった。




◇◇◇
【元祖仲屋むげん堂】は下記5店舗で営業中!
本陣:高円寺
弐番組:吉祥寺
参番組:渋谷
六番組:三軒茶屋
八番組:高円寺 純情商店街
焼とりえにし:高円寺


◇◇◇
Photo:blue river

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