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疾病・障害福祉窓口の話

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事実を参考にしたフィクションです。特定の団体・個人に関する件ではございません。あとがきは、あくまでも自分個人の感想です。 不定期更新。
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記事一覧

疾病・障害福祉窓口での話③

疾病・障害福祉窓口での話③

(行政職からの目線のお話です。)
20代半ば頃に働いていた、中規模の都市の、疾病・障害福祉窓口のちょっとした日常を参考にした話を幾つか。

8050問題と障害福祉行政

手当制度の利用を継続するための書類(現況届)が、自宅に数回郵送しても提出されない人がいた。

本人は50代で中度知的障害があり、80代の母と2人暮らし。父は既に他界。おそらく一人っ子。
住民票は、何十年も同じ住所に置いている。

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疾病・障害福祉窓口での話②

疾病・障害福祉窓口での話②

(行政職からの目線のお話です。)
20代半ば頃に働いていた、中規模の都市の、疾病・障害福祉窓口のちょっとした日常を参考にした話を幾つか。

来年なんて誰にも分からない話

5月のある日

障害のあるご本人が窓口に来た。癌の影響で障害が残ったとのことだった。

利用したい制度のことで説明、所得制限をクリアしているか確認したところ、制限額を超過していた。

就労状況を聞き取ったところ、現在は無職で去年

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疾病・障害福祉窓口での話①

疾病・障害福祉窓口での話①

(行政職からの目線のお話です。)
20代半ば頃に働いていた、中規模の都市の、疾病・障害福祉窓口のちょっとした日常を参考にした話を幾つか。

年1回だけの手続きのために3日連続で来た方の話

毎年1回決まった月に必ずやる手続きのため、3日連続で来たご高齢な方がいた。

受付簿を見たら一昨日に手続き完了しており、備考欄に「(昨日の日付)も手続き完了したことを忘れて本人が来庁した」と記載がある。

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