過去作 vol.32
文明の勝利になんて成り得ない オーストラリア森林火災
鯨肉ヨウ給食ニ出トッタと祖母が見つめる少女の時代
あっ犬だ、大きい犬だ!ふわふわだ!きっとおうちに金があるんだ!
僕はもう弱いままではいられない。ねこがおうちで待っているのだッ!
愛情が芽生えもするさロボットにゃ老いも痛みも寿命もあるし
生き延びろ五条悟のアイコンで不幸自慢をしている誰か
さみしさに抱かれながら岩波が消えた書店を彷徨っている
ヴィレヴァンに住んでいそうな男性の部屋にニトリの布団があった
ゴミ箱に傘にトイレに本棚に巣立った子らが宿る生活
ステージで意志を覚悟を生き様を魅せた声にはもう逢えなくて
優勝を逃して帰るバス内にいつもは熱いキャプテンの声
おさなごが保護を夢見て安心を得ることはないおうちで眠る
自治会の班長などを決めるとき手に汗にぎる情報戦が
新緑のきらきら既に過ぎ去りて何も変わらぬ川のきらきら
偽物の月だっていい暗晦に寄り添うものはいつだってヒト
誠実で優しいだけの男性に甘えてみたい結婚前夜
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