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過去作 vol.39

山火事が奪った命、心たち 来世は真っ赤な花におなりよ

叶わない願いだけども目覚めたら君が作った粥を食べたい

親しみを曲がり真鯛に覚えてもグループホームをまだ泳ぐのだ

釣り上げた真鯵を干して君は言う生命刑は人の瑕疵だと

工場で真鯖を捌く明後日も誰が食べるか知らずに捌く

生殖について学んだ日に母が作ってくれた親子どんぶり

呼びなさい絶えず蠢く影の名を生きたいと乞う子どもの我を

お化粧をするよ法事も通院も乗車するなら闘いだから

遅延した理由を告げる放送が過去の命を扱っている

貧困が貧困を呼び学歴を得るため背負う借金重く

新卒の給料を知る人材は日本学生機構におらず

あたたかいご飯と風呂を用意する気力を失くすほどの労働

僕の目をしっかり見つめ退職を促す医師の鈍い輝き

再生産されてしまった貧困をめでたいことに継ぐ子はいない

人徳でまとめ上げている先生に泥を塗らないための合唱

生き死にの可動域すら見くびったお前も花を支えてみろよ

親が目を離した隙に塗りたくるバターみたいにいじられている

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