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過去作 vol.33

ブリテンに住みたる推しは何を食ひ何をうましと思ひたらむや

もう全て諦めたって顔をしてゲリラ豪雨と踊る母親

もろきゅうが好きなんじゃない愛妻が作ったことが肴なんだよ

内々で回ってたから踏み込んだ話だなんて思わなかった

踏み込みが上手い部長を狙い撃ちしたかのような骨肉腫あり

だしぬけにハンバーグなど作るので親に嫌いと言えないでいる

文学は臓器なんだよ人間は無力だなんて二度と言うなよ

臀部から腹部を裂かれ血飛沫を散らすことなく暴かれた鮎

労働で飾り切りしたオレンジをひたすら並べ賃金を得た

極刑が下るや否や死神は私の前に姿をみせた

現物の雪を知らない私にも雪かき事故のニュースは届く

人類の代わりにいつも苦しみを受容しているピクトグラムは

舞いあがるビニール袋を見送った進路未定の三月と俺

被災後のブルーシートに染められた町を歩けば無事を問う声

雨なのにビニール傘が食堂の人口よりも明らか多い

仕掛けられた画鋲を踏んだ 靴底は僕を守って満足ですか

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