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1minute七十二候 蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)

啓蟄<初候>
3月5日から3月9日頃

春が訪れると、地下で冬眠していた小さな生き物たちが、一斉に外の世界へと顔を出します。この美しい瞬間は「蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)」という七十二候で表され、春の暖かな日差しを感じ取り、新たな生命の始まりを告げる時。「虫」とはいいますが、カエルやヘビ、トカゲなど、さまざまな生物が目を覚まし、新しい季節を迎える準備を始めます。彼らがまだうとうととしながらも地表へと這い出てくる様子を想像すると、思わず「おはよう!」と声をかけたくなるような、心温まる光景ですね。

この時期、自然は「蟄」から「啓」へと移り変わり、生物たちが土の中から出てくる様子を、「戸」を開く行為になぞらえています。この比喩には、小さな生き物たちへの深い愛情と尊敬が込められているように感じます。

昔から 年間行事や農作業のスタートは「事始め」として旧暦の2月8日に定められていました。それがちょうど今にあたるんですね。この季節は自然の変化を感じながら新しいスタートを切るのに絶好の時期です。
しかし、変化に心がついていかない時も。そんな時は、自分を大切にし、あせらず小さな自然の変化に目を向け春を楽しむこともオススメ。

春の訪れは、単に季節が変わること以上の意味を持ちます。地球上の多様な生物にとって、これは新しい始まりの時。私たち人間も、自然との繋がりを感じ、それぞれのペースで新たな一歩を踏み出していきましょう。

七十二候ってなに?
日本には一年を24に分けた二十四節気(にじゅうしせっき)と、さらにその二十四節気を3つずつ合計72に分けた七十二候(しちじゅうにこう)という季節があります。
七十二候は鳥や虫、植物、天候などの様子で季節を表現しており、細やかな自然の移ろいを感じることができます。 骨董・アンティークバイヤーとして活躍する傍ら「古き良きものの美しさや、ものを大切に使うことの楽しみ」もご紹介中。 ここでは ゆとりある心づくりのヒントとして、季節の話題を記しています。

What is 72 micro seasons?
In Japan, nature's rhythmic seasons are deeply cherished, inspiring a fascination with the mesmerizing 72 micro seasons. Unlike traditional divisions of four or six seasons, these micro seasons paint a vivid picture of nature's transitions with astonishing precision. Imagine the thrill of witnessing the delicate blooming of specific flowers, the graceful arrival of migratory birds, the tantalizing ripening of certain fruits, or even the intriguing behaviors of animals. This admiration cultivates heightened awareness of the surrounding world, immersing individuals in the mesmerizing beauty and rhythmic harmony of nature's ever-changing tapestry.


written by Yuuki Usami-Nakamoto © antique blue Parrot Co.,Ltd.


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