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1minute七十二候 麋角解 (さわしかつのおつる)

冬至<次候>
12月26日〜12月30日頃

ヘラジカの枝分かれした大きな角が抜け落ち、生え変わる頃。この時期は一年で一番昼が短く、夜が長い時。
冬至は陰の極みから陽の兆しが現れ出す時なので、日本の暮らしにも深く根付いている陰陽五行説では、この時期を一年の始まりとしています。カレンダー上では、一年の締めくくりとして今年を振り返る時でもありますが、何か新しい事を始めるのにも良い時期なんです。「来年から」「年明けから」と言わず、ちょっとフライングで新たな挑戦を始めてみても良いかもしれません。

また、寒さも極まる時期なので、養生の大切な時といわれています。気温が低くなるると基礎代謝が低下し、体温が下がり、免疫力が低下します。
先述の陰陽五行がもたらされた中国では、「医食同源」という言葉があるように、古代から食材を用いて病気を予防することが重要視されていました。
2000年以上前の前漢時代には、すでに「食医」という医者が 皇帝たちが病気にならぬよう治療や予防効果のある食事を施していたという記録があるそうです。
現代のように 栄養素やカロリーではなく、体を温める食材、冷やす食材、体を潤す食材、血行を良くする食材、気を発散させる食材など… 食材の持つ特性を研究して病気にならないよう日々の健康に気をつけていたという事が、飽食の今日、再び注目を集めています。

寒さの厳しい年末年始。忘年会や帰省などでつい食が不規則になりがちな時期でもあります。ぜひ口に入れるものが体を作ってくれるという事を思い出し、元気な体で年越しをしたいものですね。

七十二候ってなに?
日本には一年を24に分けた二十四節気(にじゅうしせっき)と、さらにその二十四節気を3つずつ合計72に分けた七十二候(しちじゅうにこう)という季節があります。
七十二候は鳥や虫、植物、天候などの様子で季節を表現しており、細やかな自然の移ろいを感じることができます。 骨董・アンティークバイヤーとして活躍する傍ら「古き良きものの美しさや、ものを大切に使うことの楽しみ」もご紹介中。 ここでは ゆとりある心づくりのヒントとして、季節の話題を記しています。

What is 72 micro seasons?
In Japan, nature's rhythmic seasons are deeply cherished, inspiring a fascination with the mesmerizing 72 micro seasons. Unlike traditional divisions of four or six seasons, these micro seasons paint a vivid picture of nature's transitions with astonishing precision. Imagine the thrill of witnessing the delicate blooming of specific flowers, the graceful arrival of migratory birds, the tantalizing ripening of certain fruits, or even the intriguing behaviors of animals. This admiration cultivates heightened awareness of the surrounding world, immersing individuals in the mesmerizing beauty and rhythmic harmony of nature's ever-changing tapestry.


written by Yuuki Usami-Nakamoto © antique blue Parrot Co.,Ltd.


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