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師の走りがけ

11月も終わり、12月…師走に突入、しかもその師走ももう終わりかけということでこの秋読んだ本を一覧にしてみる。(9月~11月)

『君たちは、どう生きるか』スマイルズ
『スマイルズの世界的名著 自助論』S.スマイルズ
『私とは何かー「個人」から「分人」へ』平野啓一郎
『超訳 自省録』マルクス・アウレリウス
『私は私のままで生きることにした』キム・スヒョン
『かくれ繊細さんのやりたいことの見つけ方』時田ひさ子
『武士の子育て』石川真理子
『なぜか35歳から伸びる人・落ちる人』清水 克彦
『大人の読解力を鍛える』斉藤孝
『世界の「頭のいい人」がやっていることを一冊にまとめてみた』中野信子
『考えてるつもり』サム・サマーズ
『学校で命を落とすということ』安達和美
『生きるぼくら』原田マハ
『秋の牢獄』恒川光太郎
『子どもの脳を傷つける親たち』友田明美
『勉強の価値』森博嗣
『羊飼いの暮らし イギリス湖水地方の四季』ジェイムズ・リーバンクス

各著者敬称略。

この中で数点、心に残ったものを簡単に紹介。

〇君たちは、どう生きるか

スマイルズの世界的名著、自助論。実は再読。
過去の著名な人々の環境をもろともしない努力と熱意の数々に「がんばれがんばれ」と気圧されるが、実は『何事も明るく楽しむ心は、精神を鼓舞し暗い気持ちを追い去る。そして困難にあっても、気持ちをくじかず、望む目的を達成させる』と楽しめばいいことを教えてくれる。

〇大人の読解力を鍛える

文章の裏側に込められた真意…あなたは読み解けてますか?
書かれていることから書かれていないことを探る、というのはまるで推理のような、「察する」という文化のような、、しかしその人の主張は立場や守るものに左右されるというのは、ひとつ前提として持ったまま読み始めてもいいのかな、と思う。

〇考えてるつもり

・その時の気分で助けるかどうかを変える
・周りに人がいると責任を放棄する
・決断の理由は時と共に変わる
これは我々にとって受け入れがたい、しかし真実である3項目。

リバプール38、恐ろしい事件だけども仮に自分がその場でその情景を目撃したとして「なんかおかしいな?」などと気づけただろうか、と考えてゾッとした。あの人はああだから、という性格に由来すると思われる行動についての発言はその切り取られた場面のみに適用出来た言葉なのかしれない。「見たまんま」ではない、ことをもっと念頭に置いておくべきなのかも。

これは非常に色々衝撃かつ目から鱗だった一冊だった、ぜひ読んでみてほしい

〇学校で命を落とすということ

「指導死」という単語をかつては知らなかった。学校で命を落とす事例はきっと私が目にしている以上にあり、悲しきかな氷山の一角なのかもしれない。「あの先生でなければあの子は死ぬこともなかった」という辛い現実に、何もしなければ「なかったことにされる」、また繰り返し尋ね回ることに「しつこい遺族」とレッテルを張られるなど地獄の様な作業が待ち受けているなど当事者でなければきっと分からなかった。学校でわが子を失うという壮絶な痛みを味わう前にどうすればいいのか、またそうなった場合どうしたらいいのか等実際の体験から学べる。もっと広く読まれることを願ってお薦めの一冊としたい。

〇生きるぼくら

おにぎり、とタイプすると「おにぎりあたためますか」と出るのが何とも表現しがたい気持ちにさせてくれる。。。のは余談で、ひきこもりや認知症といった課題を蓼科の自然の田んぼで行われる常識的ではない米つくりが優しく包み込んでくれる物語。ダウンシフトすることが解決の突破口となる可能性もあるのでは、投げかけているようにも取れる。

おにぎり、と言えばのり、昆布、ツナマヨ…だったのが最近はかぶの葉。栄養価が高く、炒ったら美味しいんだよね~子どももパクパク食らいついてます。子どもが生まれてから握る回数がダントツ増えたおにぎりだけど、やっぱりああ、おにぎり、食べたい


〇秋の牢獄

11月8日を無事迎えられましたね。これ怖いのは、なんでもない一日、というかむしろ印象に残らない一日を永遠に繰り返すということ。記念日も(
こ)ない、行事も(こ)ない、季節も(廻ってこ)ない日を延々と繰り返すことを想像してみてほしい。朝になればまた同じ場面からのスタート、何も成せず、成しても残らずにゲームの様にスタートに出戻りする人生…はたして何のために生きるのか、と問わずにはいられない。普段は有限であることのデメリットばかりを考えてしまうが、この一冊は有限である意味とありがたみを強烈に考えさせられる。


〇子どもの脳を傷つける親たち

子どもへの不適切なかかわり(マルトリートメント)によって成長過程の脳が変形する可能性がある、というゾッとするが本当のお話。『行為が軽かろうが弱かろうが子どもの為だとおもってした行為であろうがなかろうが、傷つける意思があろうがなかろうが、子どもが傷つく行為はすべて「マルトリートメント」です。そしてマルトリートメントをしてしまったら、われわれ大人はその行為を認め、改める必要があります』この文に尽きる。虐待までいかずともマルトリートメントの可能性はどんな親にもあり得ることを肝に銘じておきたい

〇勉強の価値

勉強…好きですか?冒頭から「子どもが勉強しないのは大人が勉強していないから」と突き付けられる。知りたいが先にあり勉強によってそれを知ることが出来るため勉強は楽しくなるのであって、小中学校ではその「知りたい」ものを知るための勉強になるが故楽しくなく苦しい、ということは(勉強が嫌いであれ好きであれ)頭の片隅に置いておいた方がベターだなと思った。

〇羊飼いの暮らし イギリス湖水地方の四季

noteの読書の秋キャンペーンで知り、興味をもって取り寄せた一冊。普段だったら手に取っていないタイプのため新鮮だった。何より驚いたのは、知りもしない場所についての鮮明な映像が活字を追うごとに、まるで一本の映画を観ているかのように脳裏に流れてくるところ。コモナーと羊たちが四季折々のイギリスの湖水地方で生活する様がありありと浮かんでくる。この現代で羊飼いとして暮らすことを自分なりに想像しながら読んでみると魅力がより一層伝わってきた。


今年も残すところあと一週間、
いろいろと悔いのないように過ごしたいもんですな

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