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読書記録 | 一杯の珈琲のように読書の合間にシャーロック・ホームズの優雅さを時々嗜む

今夏はSF小説一色と考えていたのであるが、次第にその他の小説ジャンルも恋しくなってくる。

それで、これまで読む機会が沢山ありながら読めていなかった名作品集「シャーロック・ホームズの冒険」を棚から引き出し、以前から気になっていた「赤髪組合」という作品を読んでみたのが、昨夜から今朝の間の話である。

バーコードのない裏表紙の角川文庫より

勿論、この作品はページ量もさほど多くなく、小一時間続けていれば読める程度なのであるが、読書に対する根気もコンディションも落ちてきた今日この頃、ひと晩明けての通読になったのが正直なところである。

さて、シャーロック・ホームズの手掛けたある窃盗事件を取り上げたこの「赤髪組合」の面白さなるや今更私が述べるまでもないところであるが、なぜホームズ作品が永きに渡り読者に愛されるかという所以がこの作品の端々にも見られる。

以前通読した「緋色の研究」にも見られたものであるが、ワトスンの目線で語られる探偵ホームズの振る舞いが、実に奇異でもあり優雅なのである。

たとえば事件調査の最中にも突然思い立って音楽コンサートに赴いたり、事件現場に向かう車中においても音楽会の余韻に浸っていたりと至ってマイペースで、一見情緒不安定な面も感じるのであるが、つい現代の時間に追われがちな私たちからすると、ホームズのこの余裕の振る舞いが、”まぁ、仕事の前に珈琲一口でも"といった一種心のゆとりを感じさせてくれるのである。

実際にそれを意識しながら職場で珈琲の一杯を注いだりしていると、心なしか優雅な気分に浸っていられたりするのである。

だから日々の読書の中に、シャーロック・ホームズの作品を時々挟んで読んでみるのは、気分の安寧にも良い気がするのである。


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