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私の東京一景〜新高円寺のマック〜

23時
こんな時間に馬鹿みたいに人気のないマックで人を待つ。
いつもはアイスコーヒー一択なのに、
この時間のアイスコーヒーは、
なんだか胃に悪いような気がしてQooの白ブドウにした。

そういえば子供の頃、
マックのセットドリンクといえばQooの白ブドウだった。
自分で白ブドウが飲みたくて、
選んでいたわけではなかった気がする。
気づいたらお母さんがセットのドリンクをQooにしていた。
だから白ブドウ味というのを知ったのもだいぶ後だった。
Qooの甘いジュース、ただそれだけだった。

別にコーラとかファンタとか、
ジャンキーなものNGな家庭でもなかったし、
全てにおいてお母さんが絶対権力!
と言うわけでもなかった。
気にもしなかったので、
お母さんにワケを尋ねたことはなかったが、
今度機会があったら聞いてみよう。

前のカップルの注文がなかなか決まらず、
アイスコーヒー一択だった気持ちはどんどん薄れ、
胃に悪いなと思ってきた私は、
そういえば、と小さい頃の定番Qooを思い出した。
この時間にソワソワしながら人を待つのだから、
馴染みのQooは心を落ち着かせてくれるかもしれない。
そんな望みも託して、
Qooの白ブドウをくださいと注文する。

甘くて爽やか、コーヒーよりだいぶ飲みやすいそれは、
やっぱり心を落ち着かせてくれたようで、
いつもは緊張で外せないイヤホンを机に転がす。

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