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子育てが落ち着いた主婦が障害福祉の仕事に就くには?のご質問にお答えします。

ご相談の内容

はじめまして。
子育てが少し落ち着いてきたので、福祉業界(成人の障害のある方向けの支援)への就職を考えています。

関連の求人情報を見ていると、「初心者歓迎」や「主婦・主夫歓迎」等書かれていて就職へのハードルが低いように感じられますが、実際はブランクがあったり、他職種からの転職だと知識がないということで敬遠されますか。

近所に頼れる親戚がおらず、家族の体調不良で休まざるをえない場合も出てくるかもしれないので、休みのとりやすさについても気になっています。

職場によって違いがあるとは思うのですが、実際に福祉に携わっている方にお話をうかがいたくメッセージを送らせていただきました。

どうぞよろしくお願いいたします。


はじめに

子育て本当にお疲れ様でした!まだまだ大変だとは思いますが、仕事のことを考えられる時期になったのですね。しかも、同じ障害福祉分野にご興味があるとのこと。とても嬉しいです。


障害福祉の求人状況

『初心者歓迎』の求人は実際に多いです。
ここ4.5年は、民間の株式や一般社団が障害福祉に積極参入しており、求人戦争が起きている状況です。初心者でも歓迎されますよ。

ただ、研修体制のあるところに就職しないと、うまくサポートできないストレスから虐待を見たり・したり、余裕のなさから職場の人間関係が悪化するなど、悲惨な結末を迎える可能性も高いので職場選びには注意してください。

『主婦・主夫』の求人ニーズは以下の2ケースで高いと思います。
① 子どもの手がかからなくなっている層への求人ニーズは高い
② 子どもが学校に行っている時間帯(日中)で人員が必要な事業所あり

① は、中学生くらいのお子さんを持つ主婦層への求人ニーズのことです。
② は、求人の事業形態が限定されると思います。(日中活動系の事業)

図9


主婦層の就職活動のねらい目は?

質問者さまの場合ですと、お子さんが小さいので、急な休みのリスクが容易に想定されます。よって、①の対象にはならないと思います。

消去法ですが、②の戦略で考えて、人員配置の手厚い事業所にねらいを絞って求人を探すのが良いかもしれません。そのような事業所であれば、スタッフ同士で色々とカバーしやすいです。

たとえば、ウチの会社ですと『生活介護』の事業所であれば職員が多いので、ある程度急な休みにも対応できます。
その他、『就労継続支援』の事業所であれば、障害者の方を含めて皆んなが一緒に働いているので、比較的協力を得やすいかと思います。

日中活動の事業所は土日休業がスタンダードです。たとえば、平日の日中6時間を仕事して、土日は子どもへの愛情を注ぐ。というような生活設計で頑張っておられる方もいらっしゃいます。

図10


主婦層に向かない求人は?

一方、業務の役割として、自分一人の責任において進めていくような『相談支援』『グループホーム』『居宅介護』『行動援護・同行援護・移動支援』は、急に休まれてしまうと代わりを立てることが難しいので求人は少ないと思います。

それでも求人を出している場合は、相当、理解のあるホワイト企業か、スタッフが辞めまくっているブラック企業か、どちらかのような気がしてしまいます…


働く主婦へのサポート資源は?

子育てに関するサービスは広く活用することをおススメします。ご存じかもしれませんが、お住まいの地域の『子ども家庭支援センター』は、就職する前に訪ねておくことをおススメします。色々なサービスがありますので、困ったときのサポート資源として活用しない手はありません。(参考:東京都福祉保健局HP『子ども家庭支援センターの解説と一覧』)
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/kosodate/ouen_navi/center.html

図11


多職種からの転職は不利?

他職種からの転職については、とくに問題を感じませんし、むしろWELCOMEだと思います。

ただ、障害福祉は『やってあげる』というスタンスよりも、『自発行動を促す』ことを意識するので、その切り替えは必要だと思います。

お金では買えない社会人としての経験や子育ての貴重な経験を、障害福祉の視点に融合させていきながら、きっと活躍されることとと思います。

でも、繰り返しになりますが、研修制度の充実している職場をさがすのはポイントだと思います。

障害特性やアプローチ方法が分かっていない中で支援すると上手くいきません。そのストレスが虐待につながり、職場の人間関係も崩壊していきます。

ありがちなケースとして、障害特性や支援方法をよく分かっていない上司がいて、なぜか部下の自分に寛大な裁量を与えられる。

任されるってかなり嬉しいことなのですが、上手くいかなくなっても解決方法は教えてもらえません。そして自分だけが責任を感じてしまう。そして、その上司からは「どうなってるの?」などと言われます。

この状況、かなりの ‟あるある” だと思います。
新規参入系の会社の求人内容は、しっかりと吟味しておいた方が賢明です。

念のために様子見もかねて入社前の職場体験などおススメいたします。

図12


さいごに

障害福祉の働き手が増えることは、優しい世界をつくる担い手が増えることにもつながります。

ぜひ、この業界で仕事をしてもらいたいです。
どうぞ、よろしくお願いします!

では、アディオス・アミーゴ


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