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夢中になれるもの【サウナホテルニュー大泉 新大久保店@新大久保駅】(1/2)

 久しぶりに「さとり世代」という言葉を見かけて、僕はハッとした。今まで他人事のように捉えていたその言葉は、もしかしたら僕自身のことを指しているのではないかと気付いたためである。

「さとり世代」とは、現実的で高望みをしない無欲な現代の若者気質を指す言葉として、インターネット掲示板の「2ちゃんねる」で生まれ、広く拡散された言葉です。2013年の流行語大賞にノミネートされたことにより、インターネットの域を超え、世間一般に広く浸透し始めました。
(中略)
「さとり世代」は1987年~2004年に生まれで、主に2002年~2010年度に行われていた「ゆとり教育」を受けた世代のことを指す言葉です。2021年時点の年齢が17歳~34歳に当たる層で、一括りに「さとり世代」と言っても、10代・20代・30代を含む幅広い年齢層となっています。

ーーさとり世代のトリセツを紹介! 理解できない若手社員とうまく付き合うには?(マイナビニュース)2021/05/17
https://news.mynavi.jp/article/20210517-1879159/

 僕はちょうど「さとり世代」に該当する年齢なのだけれど、あらゆることに欲が無く現実主義的な考えを持ち、ふいに無気力感に苦しめられることがある。
 その反動からか、夢や目標に向かって努力をしている人を見ると、それだけで憧れてしまうのである。たとえそれが実現しなくても、夢や目標を見つけられたこと自体が僕にとっては羨ましく思えてしまうのだ。

 ただ、そんな僕にも夢や目標を追いかけていた時期があることにはあった。それは大学受験の時と社会人1〜2年目の時のことだ。
 大学受験の時の話については以前に別のnoteで触れているけれど、それなりに難易度の高い都内の大学への進学を強く願い、必死に勉強をして無事に合格できたことがあった。社会人になった直後の話については、営業部に配属されて全く成績を残すことができなかった自他共に認める「ダメ社員」を経て、それから諦めずに仕事に取り組んだ結果として、部署内でトップセールスの成績を収められたことがあった。

 だが、この二つの話には続きがある。それは、周囲から評価されるような結果を残したあとに、心にぽっかりと穴が空いていたことだ。難関大学に入学したところで、トップセールスになったところで、僕の心は満たされなかったのだ。僕にとって、夢や目標は必ずしも必要なものではないのかもしれない。
 そのような経験を通して、僕は徐々に自分の意志や願望を持たないようになっていった。それよりも、夢や目標、意志や願望を持っている人の努力を支えて、その人がそれを実現した時に僕自身も喜びを感じるようになっていったのだった。
 この時に気付いたのである。もちろん僕の人生の主役は僕自身ではあるけれど、その役割は社会における脇役だと。なにかに夢中になったところで、その先に虚無感が待っているのであれば、いっそのことそのような二番手のスタンスを貫いて生きたほうが満たされるのである。

 そんな僕だが、実は今日はどうしても手に入れたい物があってわざわざ新宿まで訪れたのだった。7月13日(火)の空は少し雲が出ていたものの概ね晴れていて、すっかり夏模様だ。

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 新宿駅には14時ごろに到着し、駅を出てから少し歩いたところに、今日の目的地である「東急ハンズ新宿店」があった。
 なぜ僕がここまでやってきたのかというと、その狙いは「全国サウナ物産展」である。これは全国のサウナ施設がオリジナルグッズを持ち寄って販売する期間限定の催事で、各店舗に直接行かなければ購入できないようなアイテムを一箇所でまとめて手に入れられるとなれば、多くのサウナ愛好家たちが集わないわけがなかった。
 実際にツイートを見ていると、数千円から数万円分のグッズを購入している人が散見され、その盛況ぶりがうかがえた。

 だが、僕は自分のためにここに来たわけではない。実はサウナ仲間である知人が結婚することになり、そのお祝いを調達するために訪れたのだ。
 売り場は予想以上に賑わっていて、その場にいたお客さんたちの表情には笑みが溢れていた。滅多にない機会に気分が高まっているのか、夢中になって商品を手に取って眺めている様子はとても幸せそうだ。

 僕は自分用になにかを買う予定は無く、そして知人へのプレゼントはあらかじめ決めておいたので、その現物を手に取って状態を確かめてから、早々に買い物を済ませて店舗を後にした。

ーーそういえば、自覚してなかっただけで、ついさっき僕も確実に夢中になっていたな……。

 帰りの電車の中で、僕は全国サウナ物産展に立ち寄る直前の出来事を思い出していた。それは新大久保にある「サウナホテルニュー大泉」で過ごした120分の話である。

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ーー後編に続く

(written by ナオト:@bocci_naoto)

YouTube「ボッチトーキョー」
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①僕たちは自費でサウナに伺います ②それでお店の売上が増えます ③noteを通して心を込めてお店を紹介します ④noteを読んだ方がお店に足を運ぶようになります ⑤お店はもっと経済的に潤うようになります ⑥お店のサービスが充実します ⑦お客さんがもっと快適にサウナに通えます