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教えて下さい97:「現実」って”実”際には”現”れていない?(v5_もぐらさんの悩み)

10月6日。金曜日。オフィスで議論していて、こんな「現実」という言葉を使ったフレーズがそこかしこ。

「もっと現実を直視しようよー」
「ストレッチ案と、現実案を整理しよう」
「なんか現実感ないなぁー、この案・・・」
「現実は厳しいなぁ。もっと現実的な案に変えよう」。

こんな現実/現実感/現実的。。。こう言われるとなんだかそれが正しく聞こえる。その意見に流されがちになる。でも、「現実」ってなんだろう。不思議なチカラを持っている。。。でも、なんか好きじゃ無い。。。

一方、「ファクト」ってカタカナ好きもいる。「それはファクトか?」、「意見はいいからファクトを教えて!」。そして「そのファクトは事実なの?」みたいな長嶋茂雄的?小泉進次郎的?な質問も。

ファクト(事実)は「現実」より分りやすく、過去のことで、誰が見ても聞いても結果は同じに表現される物事・現象など、かな。

・先月(2023年9月)阪神がセリーグで優勝した
・キリンがカロリミット ブレンド茶という新ブランドの販売を今月開始した
・新幹線で東京から青森まで行ける

これらはファクト。誰にとってもファクト。でも、以下はどうだろう。

・日本の人口は2008年がピークで2011年から連続減少に転じている
・ABCさんの身長は153.5cm
・今日は東京で雨が降らなかった
・グループインタビューした10人の内、8人が本製品は買わない、と言った
・今月の弊社の売上高は10億円
・ボクはレバーが苦手だ

これらは本当にファクトか?

・人口は自分ではわからない。計算しているひとが間違えていたら? 集めた情報が不確かなら?
・身長は、身長を測る機器が壊れていたら? 調整不足だったら?
・雨は、東京全域で本当に24時間降らなかったのか? どうしてわかるの?
・グルインの8人は、製品を買わないと明言した訳ではなく、買わないかも、たぶん買わないかなぁとの曖昧な回答だったり、この仮料金なら買わない、だったら? 逆に2名も、曖昧に買う、と言っただけかも?
・売上高10億円は、四捨五入しているかも? 計算間違いあるかも?
・レバーは苦手だけと普通に食べる。これは苦手か? 美味しいレバーを食べていないだけで、美味しくないレバーが苦手なだけかも?

こう考えると、ファクトは難しい。会社がファクトなる言葉を連呼して気にするのは、それがなかなか普通の人間の脳みそでは調査・入手・判断が難しいからかなと。だから、より注意してファクトを求めるよう促し、それをもとに意志決定したい、と思うのでしょう。

でも、「そのファクトが事実」だったとしても、”解釈”が即座に覆い被さる。コップに水が半分入っているファクトに対して、半分も入っている、半分しかはいっていない、水があるだけでありがたい、いやいや水は不要でコップが必要だ、などなど。「だからどうする」を決めるには解釈さんが登場。純一無雑なファクトさんが無駄に終る。。。

話戻して、こんなファクトより曖昧な「現実」。だから何が現実かを定義・説明するのは本当に難しい、そう思う。何が現実かを説明するのがボクにとっては難しいことが現実だ。こんなことでしか現実を使えない。

結局、職場での「現実」とは、「自分にとってその将来が容易に想像できる事柄(=やりやすい)」ということか。そう言えばいいのに。なんかまるで合理的でしょ!客観的だよ!ってニュアンスが感じられる。自分の価値観で評価しているのに。。。それに「やりやすい」からといって”実現”するかはわからないよ。

今日の悩み: ”現実(現実的、現実感、現実性)ってなんだ?”

案1:
合理的で、客観的で、実利的に評価された状態・物事などが現実。適切に評価されたならば現実はたったひとつだけ。ファクトと似ているけどファクトは過去のこと。現実は「今」のことのようだけど、時計は止まらないので、将来に向けてのひとつ、たったひとつの正しい物事。

あるいは

案2:
「現実は厳しい」「これが現実案だ」。合理的で客観的で正しいように聞こえるが、厳しいかどうかはあなた次第。「自分にとってその将来が容易に想像できる事柄(=やりやすい)」と思ったけど、そうじゃなかったと思っているだけ。あなた次第。ファクトじゃない。解釈が、価値観が、意見が、混ざっている。「現実」という言葉(上位概念)に意味は無い。ファクトは適切にファクトであるならば価値は高いが、「現実」に価値は無い。「現実」という言葉に流されず、行きたい道を行こう。

ま、案1でも案2でも、どっちでも良いかな。ひとそれぞれ。第3の選択肢もありえる。人生に「正しい答え」無し。

大切なのは:
1.
どっちか悩む/どっちもあり/変化する、そんな自分を知ること
2.そして、自分と違う他人がいても、差別せず受け入れること
3.そして、大切な家族/恋人/仲間が悩み、辛く感じるその時に、案1、2のどっちがより心を落ち着かせ、安心させられる温かい言葉になるかを考えてプレゼントすること

そんな風に思ったりします。

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