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「此処より下に家を建てるな」。津波から岩手の住民を救った石碑。先祖に感謝

ニコラス・クリスタキスという医者であり社会学者の「ブループリント「よい未来」を築くための進化論と人類史」(ニューズピックス社)という本に書かれていました。

私がとくに感心するのが、一生のあいだに一度も起こらないぐらい頻度の低い大きな天災にかんして神話や碑文を通じて伝えられる警告だ。~。日本の東北地方の沿岸部には、あちらこちらに津波石碑が点在する。~。岩手県の姉吉地区に100年も前に建てられた石碑に彫られているのは、「此処より下に家を建てるな」という警告だ。2011年に東北地方を津波が襲い、約1万4,000人が犠牲になったとき、水はこの石碑のわずか100メートル下までやってきて、その途中にあるすべてのものを壊滅させた。この標識より上に家を建てていた11世帯の住民は、全員が生き残った。

ブループリント「よい未来」を築くための進化論と人類史

ご存知の方も多いかもしれません。明治三陸大津波(1896年)で60名以上が犠牲、生存は2名。その37年後の昭和三陸津波(1933年)では100名以上が犠牲、生存は4名。この後、この石碑が建てられた。将来の住民のために、社会のために。そして、78年後、2011年の津波がやってくる。

人類だけができること。未来のために、子孫のために、メッセージを残す。文字を使えるから、ということではなく、人類だけが、未来の会ったこともない無関係な仲間のために「伝えたい」という「やさしい思い」を持てる。

長い年月で、風化することもある。意味が忘れさられ、危機意識も無くなることもある。でも、人間はやさしいのだ。過去のひとびとが将来の人々の為に伝言してくれているのだ。そう思うと、昔からの色んな言葉、真摯に受け止める必要があります。

近代・現代はたかだか250年。科学技術の進歩は凄まじいが、人間はそこまで変わらない。人類が生まれて約500, 600万年。農耕・家畜が始まって約10,000年。ソクラテス、プラトン、アリストテレス等の哲学者が活躍したのは紀元前470-320年ほどで今から2400年ほど前。人生の悩みも、人間関係の悩みも、ストレスも、幸せも、成功も、同じですね。250年以上の長きにわたる英知が蓄積されています。

昔のひとびとの言葉、箴言・格言、言い伝え、神話、童話などなど、馬鹿にできません。今に通じる真理があります。現代の作品(文字でも映像でも)でも学べますが、結局は古典からの脚色なのかしら。

いずれにせよ、人類はステキ。将来の、自分が死んだ後の、地元のために、子孫のために、本来なら関係無い、のに、大切な言葉を残してくれる。昔の声に耳を傾け続けるべきですね。昔の先人に感謝です。

読んで頂きありがとうございます。
(最近出会った素敵な気づきフレーズv7_7)

PS:冒頭の写真のラテン語は「誰が見張り番たち自身を見張るのだろうか」の意味。古代ローマ時代の詩人ユウェナリス(58~60年頃に生まれたとされる。今から1965年程前)が、当時の女性の浮気について記述したもの。閉じ込めた女性の見張り番も誘惑されるよね、って話。今でも西洋では管理する側の組織が不正した政治的事件などの際に使われます。ということで、今も、昔も人間は変わらず浮気しますね。人類はやさしい、けど、浮気はする。変わらない。。。

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