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バーンアウトしないためにも働きやすい環境を作ることを諦めない

こんにちは。和賀です。東京と埼玉、千葉、神奈川の1都3県で緊急事態宣言の期間初日となった本日は、コロナ禍で言われるようになった「エッセンシャル・ワーカー」について書いてみようと思います。

「エッセンシャル・ワーカー」、それはテレワークの出来ない職種にカテゴライズされる、医療、福祉、介護、保育、対人サービスの仕事にはテレワークの選択肢はない。

そして、意外にも年収の低さは知られていない。「お金」のことを言うのはタブー。職場内や身内では愚痴を言っていても、声を大きく上げる人は多くない。健康であれば、病院にかかることもないし、福祉や介護の世界の人と出会うことは少ないと思う。それはそれで良いと思う。健康はお金で買えないものだから。

「マネタイズ」とは離れた世界

ヘルスケア業界には課題がたくさんある、ブルーオーシャンだとも言われる。では、今その真っ只中にいる人にそう言っても、「それどころじゃない」「人がいない」「休めない」「しんどい」と言う悲鳴が聞こえてくるだろう。報道で医療崩壊だと言われても、一体病院ではどんな人達が働いていて、どんなことが起こっているのか、実際にはどんな課題を持っているのか、一般的にはわからないのだ。翻って、自分の働いている職場や業界以外のことは知らないことがたくさんある。

医療報酬制度、支援費制度。医療法や国の制度、補助金、助成金ありきの世界。直接患者さんからお金を全額受け取る行為はない。「マネタイズ」とは離れた世界。決められた金額が入ってくる仕組み。それを全て否定するつもりはない。だけど、それだけで良いのか。制度が変わる、補助金や助成金が受け取れないとなると死活問題にもつながる。果たして与えられるものを使うだけ、待っているだけで良いのだろうか。

専門用語のカタカナ語と資格マウンティング

医療、福祉、介護など、国家資格の専門家集団である。ゆえに、ハードルが高い印象だったり身近に感じられたりはしないのかもしれない。もちろんチームには国家資格の専門職ばかりではなく資格のない人もいる。

専門職の中だけで話すことに慣れていると、専門用語を使っていることにも気がつかない。思考パターンも、アセスメント、エビデンスべース、など患者さんや家族したらわかりにくい部分も多いだろう。

また、一緒のチームで働いていても資格のない人に対して少し距離を取ったりする人もいる。いわば資格のマウンティングだ。自分の仕事にプライドを持つのも大切。しかし、国家資格の有る無しで人に優劣がつくわけではない。わたし自身がその思考回路を持っていたからよくわかるのだ。資格のあるなしで判断する、そのことが距離ができてしまう部分かもしれない。その世界を知らない人に、わかる言葉で伝えられているのか。専門用語で、専門職思考での説明では、わからない人には絶対に伝わらない。いくら言葉にしていても伝わっていないのだ。もしかしたら、伝わらないことにも気付いていないのかもしれない。わたしがその事に気が付けたのは、自分がいる環境から外に出てみてわかったことなのだ。だからこそ、発信する、伝えること、声を上げること、は大切だと思うのだ。

燃え尽き=バーンアウトしてしまう問題

医療や福祉介護の業界で個人事業主や株式会社などで生計を立てている人は多くない。それは、副業が出来ない職場環境、副業が当たり前では無い業界。そもそも一人でまたは自分でビジネスを起こせると思っていないということもあるかもしれない。何よりも自分の価値に気がついていない人も多く、職場以外での自分の活かし方を考えられる余裕もないかもしれない。

人をケアする仕事をしている人の多くは、自分をケアすることを後回しにする人が多い。常に人のために動いている。それは仕事として、その姿勢は素晴らしい。一方で、自分をケアしていない状態で勤務を続けるとどうなるか。間違いなく燃え尽き=バーンアウトする。

身体に出て病気になる場合、メンタルに出てメンタルの疾患になる場合。いずれも、自分へのケアが疎かになることで起こること。基本、勤務も不規則な場合が多くあり、残業も多い。そして身体だけでなく感情労働でもあり、仕事で身体も心も精一杯な現状もある。そして身体、メンタル、どちらかの課題を抱えてバーンアウトしてしまう人も多い。

管理職時代の経験からの私の視点

医療や福祉介護の現場では常に人が不足しており、ひとたびスタッフの病欠などが発生すると夜勤の組み替えなど勤務変更はなかなか大変。私も管理職の時は、毎月の勤務表作成が本当に一大仕事で、とりあえず夜勤者が全て埋まると一安心だった。報酬をもらう以上は決められた職員数を日々確保しなければならない。ただ、毎月のことだが急な病欠、変更はしょっ中あり、その度に勤務表を組み替える。私一人では対応しきれず、部下の手を借りて手分けをして急遽夜勤ができる人を探しつつ、勤務変更を休みのスタッフにも連絡したりしながら日々を切り抜けていた。

人員に余裕があれば問題がないのだろうが、人員に余裕のある職場は多くない。病院やクリニックで「看護師募集」という看板を見ないことはないのではないか。私は自ら「歩くハローワーク」と称して、勉強会や関係者の集まりに行っては夜勤者をスカウトしたこともある。人相手の仕事で、それをやりたいと思っても仕事が続かず辞めてしまう人も多い、また病気になって辞めざるを得ない人もいる。本当に惜しいことだと思う。

人をサポートする人は、何よりも自分が一番元気で健康で毎日楽しく過ごせていないと、どこかにしわ寄せがいく。仕事のストレスを買い物やお酒やギャンブルなどで解消する人もいる。私が就職して一番驚いたのは飲み会の多さ。飲み会に参加すると当時は朝まで飲むのが普通だった。酒量も多く、私から見ると「酔い潰れる」ために飲むというか、やや破壊的な飲み方だなあと感じた。職場の飲み会などでは、一定程度明らかに酒癖の悪い人がいて概ねそういう人は業務中は物静かに多くを語らず働いている。お酒を飲んでタガが外れるのか、はたまたタガを外したいのか鬱憤を晴らすかのようなあまり良くない飲み方をする。かくいう私も、夜勤をすると必ず帰りに夜勤手当以上の買い物をして帰るのだった。自分でもやめたいと思っていても、なぜか買い物してしまっていた。

自分にとってはよくない精神状態

仕事のストレスは本来、仕事でしか解消できない。しかしなぜ、買い物やお酒などにいってしまうのか。人間は欲には勝てない。欲が悪いのではなく、自分の欲をコントロールできるかどうか。私は本当に自分に必要なものなのかを考えもせずに、憂さ晴らしに買い物をしていた。買い物そのものがダメなのではく、「またやってしまった」と感じること。後悔や罪悪感に繋がるものが、自分にとってはよくない精神状態を作る。自分の本当のニーズは何なのか。自分の心は満たされているのか。自分の身体は悲鳴を上げていないか。人のケアをする人の多くは、人のためには頑張れても自分のことは疎かになる。まずは自分をケアすること。そうしなければ人にケアすることはできないと思うのだ。大切なのは自分をケアすること、自分を満たすこと。自分のニーズ、自分の状態をみること、感じること。そこを疎かにしないでいたら、とても良い状態になると思う。そして何よりも人をケアする時に、自分を満たしたり内省できる人は、人を理解をする手立ても増えるのだと思う。 

人をケアする仕事に集中したいからテクノロジーで叶う部分を助けて欲しい

AIやDXなど時代の流れもあり、実はその恩恵を受け、その業界の人たちが時間や場所の制限なく、手を繋ぐことが出来る。それはテクノロジーで叶うのだから。そしてそれをうまく取り入れて、業務の流れを良くする必要がある。テクノロジーの分野の人にたくさん助けてもらって、自分の領域の目の前の困ってる人の支援に集中出来る環境を作る。作れるはずだ。

医療専門領域、そしてテクノロジーの領域。
お互いに未来に向かって意見を出し合いながら協力して進めば良いのだ。人が人をケアすることはとても重要な仕事で、その仕事はなくならない。人は一人では絶対に生きていけない。だからこそ、ケアにフォーカスできるようにDX出来るところはどんどん変えていく方がいい。

声をあげていこう。働きやすい環境を作ることを諦めない

私は今、医療現場では働いてはいない。
しかし、私が出来ることは、現場の人の声を聞くことだったり、それを違う業界の人に伝えて繋ぐことだと思う。

何よりも医療の専門職の人たちが、自分自身のセルフケアに目を向けて多くの人を救える人であり続けられることを強く望んでいる。職人のように仕事をこなせる人がセルフケアの時間を取らずに、バーンアウトするのを見るのは嫌だ。この仕事は、長く続けることができればもっと社会に貢献できることができる。その価値を提供できるのだ。

昨日、YouTubeライブで参加したスナック恭子に参加しました。

vは、毎回さまざまなテーマに沿ってゲストと対談するトーク番組です。司会進行を未来からやってきた恭子ママが担当し、お店のお客さんに扮したゲストと一緒に、本当にママとお客さんが話しをしているようなカジュアルな雰囲気の番組です。

コロナ禍の中、現場で働く医療者がどんな気持ちで働いているのか、心配や感謝しているけど何をどうしたら良いのかわからないという意見を聞きます。こちらの奥田浩美さんの話には、業界を超えた時に起こる可能性について触れられています。業界の違う人だから伝わらないのではなく、お互いに目指す方向が同じ「よりよい未来を信じて行動する」。そのことがスタートでありゴールでもあるように感じます。参加者の会話のなかには、テクノロジーの業界の人が沢山コメントをしていたようです。コロナ禍の中、保健所でサポートする看護師の話、テクノロジー側の人の話も。マザーテレサの手にITがあったとしたら。今起こっている大変なことに集中しなければならない短期的な視点と、長期的な視点で考える事も大切です。専門職のみなさん、自分ファーストでセルフケアを。こちらはアーカイブで観ることが出来ます。ぜひご覧ください。

奥田浩美さんのプロフィール
https://www.okudahiromi.com/profile

奥田浩美さんブログ
https://www.okudahiromi.com/

私も参加してるwombのご紹介はこちら。









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