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2023/1/22 米国経済指標まとめ

★ 今月発表の米国経済指標を簡単なまとめ。


① 消費者物価指数 CPI 1/12

総合 結果6.5% 予想6.5% ±0%
コア 結果5.7% 予想5.7% ±0%

★ 市場予想通りの結果で、インフレ鈍化を織り込んで次回FOMCでは0.25%利上げが市場の大方の予想。 次回FOMC 1/31

出典元 tradingeconomics.com

② 生産者物価指数 PPI 1/18

総合 結果6.2% 予想6.8% △0.6%(前年比)
コア 結果5.5% 予想5.6% △0.1%(前年比)

★ 市場予想を下回り、インフレ鈍化は鮮明。ディーゼル燃料の価格低下が顕著との事で数値に大きく反映していると思われます。
 
 また、サプライチェーンの正常化と12月小売売上高の低下(結果△1.1% 予想△0.8% △0.3%)にみられるように、需要が11月、12月と減少に転換し、市場は景気後退懸念と反応し、米国株は下落。

出典元 tradingeconomics.com

③ 雇用統計 1/6

失業率
結果3.5%
 予想3.7% 前年比0.2% 前月比△0.1%

★ 米国大手企業がリストラやレイオフ(一時解雇)に踏み切っている中、失業率は最低水準の結果でした。

 しかし、非農業部門雇用者数の増加は22万3000人と月を追うごとに下火傾向となり、賃金インフレ率は4.6%(前年比)と市場予想の5.0%を大幅に下回りました。

 失業率は遅行指標の分類になると言われ、今回の結果は3か月~半年程前であると捉えると、もうしばらくは3%台の低水準が続くと思われます。

出典元 tradingeconomics.com

④ ISM製造業景況感指数 1/4

結果48.4 先月49.0

★ 2か月連続で50を下回り、景気後退のシグナルが見られます。非製造業においても結果45.2、先月56.0から予想外の大幅縮小となりコロナ時の基準程まで落ち込んでおります。
※数値が50を上回ると景気拡大、50を下回ると景気後退の指標となります。

 FRBはもちろん景気を冷まし、インフレを抑えようと利上げを強硬しているわけですが、誰もが急激な景気後退を望んでおりません。

出典元 tradingeconomics.com

ISM製造業景況感指数とは Institute for Supply Management= 全米供給管理協会が公開しているManufacturing Report on Business=製造業に関するレポートにある製造業の景況感を数値化したものになります。
 要は製造メーカーに受注状況などを聞いてその数値から今後景気が上向くか、縮小するかを数値化して発表しているということです。
この数値は、ISMが300以上の製造メーカーに「新規受注、生産、雇用、入荷状況、在庫」といった項目に関するアンケートをした結果から算出したものです。
具体的には「新規受注(30%)、生産(25%)、雇用(20%)、入荷遅延(配送時間)(15%)、在庫(10%)」の5項目につき、「良くなっている(1)、同じ(0.5)、悪くなっている(0)」の三者択一の回答結果を点数化し、カッコ内数値でウエイト付けした加重平均で算出されます。

 数値が50を上回ると景気拡大、50を下回ると景気後退となります。

 メーカーの最新の状況を表していて、精度が高いので、今後の景気動向をみる経済指標として注目されています。

出典 ぽちゃの投資メモ

⑤ まとめ

● 米国インフレは鈍化しているが、FRBは引き締めを継続。
● 次回FOMCでは、FFレート利上げ+0.25%が大方の予想。
● 個人需要が急激に低下、小売売上高がマイナスに転じる。
● 失業率は最低基準だが、ISM景況感指数は製造業、非製造業ともに、2ヵ月連続で50を下回る結果。企業は景気後退に備え準備をしていると言えるでしょう。


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