見出し画像

2024/4/20 今週の米国経済指標まとめ

⭕ 今週は、米国株式調整局面(4/19)、小売売上高(4/16)について簡単にまとめてみました。



① 米国株式調整局面 4/19

⭕ 売り時を迷っていた投資家達が「きっかけを得て」動きました。これまで市場を牽引していた大型ハイテク株を中心に著しく売りが先行した。
 きっかけとして考えらえるのが

1.イランがイスラエルへ報復攻撃 4/13
2.ASMLの1Q決算の売上高が予想を大きく下回った 4/17
3.TSMCの1Q決算で今年の半導体成長を下方修正した 4/18
4.イスラエルがイランへ反撃 4/19

1.イランがイスラエルへ報復攻撃 4/13

🟠 イスラエルがイラン大使館周辺へ攻撃した事への報復として、イランはイスラエルに向け爆弾を積んだドローンや弾道ミサイルが約320発射、イスラエルは米国軍などの加勢を受け迎撃に成功。投資家はリスクを避ける為にポジションを落とし始めた。


2.ASMLの1Q決算の売上高が予想を大きく下回った 4/17

🟠 EUV露光装置の需要が低迷 ➡ 高性能半導体製造供給が充足

売上高は前年同期比21.6%減、前四半期比26.9%減の52億9000万ユーロ、粗利益率51.0%、純利益は前年同期比59.8%減、前四半期比67.3%減の12億2400万ユーロと、これまでの勢いから大きく減速することとなった。
また、新規受注額も前四半期の91億9000万ユーロから36億ユーロへと大きく減少。特に同社の最上位機種であるEUV露光装置の需要が低迷、前四半期の56億ユーロから6億5600万ユーロへと急減している。

出典元 TECH+ 2024/4/18

3.TSMCの1Q決算で今年の半導体成長を下方修正した 4/18

🟠 パソコンやスマホ販売の成長見通しを下方修正。TSMCは今回好決算だったのにも関わらず、18日、6%弱下落した。

半導体の受託生産大手、台湾積体電路製造(TSMC)はスマートフォンやパソコン(PC)販売がなお弱いとして、今年の半導体市場の成長見通しを下方修正した。
  2024年の半導体市場(メモリーチップ除く)の伸びを約10%とし、これを上回る水準だった従来予想から引き下げた。魏哲家最高経営責任者(CEO)はまた、TSMCがトップを走るファウンドリー(受託生産)セクターの成長見通しも下方修正した。
  魏CEOはアナリストとの電話会議で「マクロ経済と地政学的な不透明感が根強く、消費者心理とエンドマーケット需要を圧迫する可能性がある」と述べた。18日の米国株式市場で、TSMCの米国預託証券(ADR)一時6.3%下落し、日中の下げとしてはおよそ1年ぶりの大きさを記録した。

出典元 Bloomberg 2024/4/19

4.イスラエルがイランへ反撃 4/19

🟠 「血のバランスシート」我々の貸しの方が大きいと言わんばかりにイスラエルが米バイデン大統領や各国首脳の忠告を無視しイランへ攻撃。

 攻撃方法や被害など不確かな情報が多かったが、これが「きっかけ」となりさらなる紛争の発展を恐れ、米国、日本ともに大型ハイテク株が中心に大幅に売りが先行した。

イスラエルが19日早朝、イランを攻撃したと、BBCがアメリカで提携するCBSニュースが、アメリカ当局の話として報じた。
米NBCとCNNは、複数の匿名アメリカ政府筋の話として、イスラエルは今回のイランへの攻撃について、事前にアメリカ政府に通知していたと報じた。「(イスラエルによる)その反応を我々は支持しなかった」と、CNNは米政府筋の話として伝えている。
CBSニュースによると、アメリカの政府高官2人が、イスラエルのミサイルがイランを攻撃したことを認めた。

出典元 BBC NEWS 2024/4/19



② 小売売上高 4/15

⭕ 小売売上高(前月比)
結果+0.7%(予想+0.3%)

 出典元 TRADING ECONOMICS

🟡 3月の小売売上高は予想を大きく上回る結果となり、堅調な伸びを見せた。また、2月の速報値は+0.6%から+0.9%へ上方修正している。自動車を除いた小売売上高は+1.1%と、こちらも予想の+0.5%を大きく上回った。



③ 重要経済指標のおさらい

作成 ぼなんざ本舗研究所
作成 ぼなんざ本舗研究所



④ 政策金利予想  4/20


🟡
 2024/5/1、連邦公開市場委員会(FOMC)の政策金利決定において、市場参加者の意見は「金利据え置きが96.8%」【5.25-5.50】

🟡 利下げ観測
★ 2024/6/12 「17.07%」(4/13時点、28.32%)
★ 2024/7/31 「46.00%」(4/13時点、56.47%)
★ 2024/9/18 「86.00%」(4/13時点、76.49%)

出典元 CME FedWatch Tool



⑤ まとめ

⭕ 調整局面

 米国株式市場は一休み。半導体関連は買われ過ぎだったのか?

 S&P500、NASDAQの2周連続下落は、中東紛争リスクによる影響も大きいとは思いますが、ASMLのEUV露光装置の需要低下や、TSMCの半導体成長率の下方修正が示すように、コロナ後のような「需要の先食い」だったのかも知れません。

 来週には、メタ、アルファベット、マイクロソフトのM7決算発表があり、注目となります。

⭕ 利下げ観測

 来週26日、FRBが最も重要視する経済指標の個人消費支出(PCE)の発表があります。現在は大統領選挙前の9月18日会合での利下げが有力ですが、今年の利下げが1回か2回かという判断にも大きく関わってくるかと知れません。(大統領選挙、11/5)

⭕ イスラエルとイランの今後は

 次は「イランのターン」となりましたが、直ぐの反撃は考えていない方向かもしれません。13日のミサイル合戦で両国の国力は大きく疲弊しているとの予測があるようです。(両国合わせて約3000億円の出費)
 イスラエルが米国にガザ紛争対策の為、軍事物資のさらなる提供を要請しているとの事です。今回一段落とはいえ、ハマスやヒズボラなどイランの代理勢力に対しては神経質な状況は継続しています。

出典元 楽天証券



🔅 今週の債券利回り、為替、原油(前週比)4/20現在

★ 米国10年債利回り 4.623%(4/13 4.517%)
★ 日本10年債利回り 0.843%(4/13 0.841%)
★ 1ドル=154.638(4/13 153.274円)
★ 原油(WTI)1バレル=83.25ドル(4/13 85.45ドル)⤵


🔅 今週の米国株主要3指数、日経平均 4/20現在

★ 
NYDOW 37,986 +0.01%(先週比)▲4.51%(先月比)
★ S&P500 4,967 ▲3.05%(先週比)▲5.23%(先月比)
★ NASDAQ 15,282 ▲5.52%(先週比)▲6.83%(先月比)
★ 日経平均 37,090 ▲6.16%(先週比)▲9.13%(先月比)

出典元 finviz.com  (2024/4/15-19MAP)

🔅 来週の経済指標

4/25 米国 実質GDP成長率(速報値)
4/26 PCE 個人消費支出



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?