うっかり1年間FIREしたら最高だった

ボンマネーというコンセプトとは少し違う記事を今回は書いてみました。

X(旧Twitter)ではタクミンという名前でやってます。


すっかりと市民権を得たFIRE(Financial Independence, Retire Early:経済的自立、早期退職)という生き方。

投資をしている人には憧れる人も多いと思います。

僕もFIREを目指していますが、タイトルにもある通り、「うっかり1年間FIRE」したことがあります。

巷では

FIREしてもやることがなく、憂鬱になる。
社会とのつながりがあってこそ人生だ!

などFIREすることに対して否定的な意見も少なくありません。


そこで、僕が過ごした疑似FIREを振り返ることで、この記事を読んだ人が自分に向いているか、向いていないのか考えるきっかけになればと思います!


これから書くことは、身バレしないように時系列や内容は多少ぼかしたり、誇張したりしていますが、ほぼノンフィクションです。


1.コロナ禍で憧れたFIRE

僕が働いていた会社はTHE昭和という感じの日本企業でした。
一応大企業でしたので、世間一般のイメージ通り

  • 意思決定が遅く、複数の部署へ根回しして仕事することが重要

  • 紙とハンコが多い

  • 書類を丁寧に書くことが求められるが、実際は読んでいない(笑)

  • 仕事しないオジサンが多数いる

  • ハラスメントが横行しているが、なぜか加害者は出世し、被害者は異動させられる

という職場でした。


「あー、早く仕事やめたいよぅ」と日々思いながら、特別なスキルも身につかず30代半ばを迎えていました。


転機が訪れたのは2020年3月。
世界中でコロナウイルスという感染症拡大が危機的な状況であることが騒がれており、緊急事態宣言以降、多くの企業がテレワークに移行しました。

僕が働いていた会社も例外ではなく、全社員強制テレワークとなりました。

余談ですが、あとで聞いたところ、経理部のみ全員毎日出社していたそうです、可哀そうw
紙とハンコが大好きな会社で、経理業務が一切電子化されていなかったためです。


緊急事態宣言が発令される前からテレワーク制度はあったものの、「育児(女性のみ)や介護など特別な事情がある人が例外的に週1~2日使っても良い制度」でした。


「テレワークできたら、嫌な上司の顔を見なくていいし、仕事しないでお喋りばかりしているお局様の声に煩わされず仕事ができるのになぁ、、」と思っていました。


コロナ禍で失ったもの、不便だったことは沢山あるので、もう同じようなことは起きてほしくないですが、テレワークができるようになったこと自体は僕にとって大変喜ばしいことでした。


ところが、いざ始まってみると全社員(数千人規模)が同時に社外から接続できる外部ネットワーク環境が整っておらず、始業時間にログインした瞬間にPCが固まって午前中何もできないという日々が続きましたw


そこで経営陣や管理職がとった手段が衝撃でした。
頭の中で業務のイメージをまとめたり、紙に書き出しておいてPCが動き出したときにすぐ業務ができるようにすべし」という伝令がきましたw


どこまでいっても昭和な会社でした。


僕は、真面目に紙にお絵かきしても意味がないので、PCの前に座りながら読書したりゲームしたりとのんびりエンジョイしていました。


みんなどうせ同じような感じだろうと思っていましたが、管理職だけは違いました。
【切れ間なく部下たちに1日中電話してきました】
さすが人生も魂も捧げた社畜です。

僕が所属する課のメンバーは10名いたので、8時間=480分のうち最低でも48分は相手してあげないといけなかったのが正直だるかったですw


会話の内容は
上司「PCどう?」
僕「動かないっす」
上司「みんなそう言ってる。早く動くといいですね」
僕「そうっすね」
上司「○○の件なんだけど、進捗どう?」
僕「△△を整理して、××と協議して進めようと思います」
上司「わかった、PC動いたら資料作成よろしく!」
僕「うぃ」
と生産性のない会話ばかりでした。


2.サラリーマンの理不尽さを感じた出社・テレワーク論争

記憶が定かではないのですが、外部接続ネットワークの強化と人数を絞っての出社を組み合わせることにより業務が進むようになりました。


僕の仕事は資料作成と打ち合わせがほとんどだったので、出社する意味がなくテレワークを続けていました。


会社が部署ごとに定めた出社率を超えないように、出社する日はExcelシートに◎を記入する運用が始まりました。


ハンコ出社が必要な日があったため、僕は上司が出社しない日を確認した上で前日の退勤前に翌日に◎をつけて出社していました。


「上司がいなければ出社もいいよね~」


上司がいる!!!!


上司「出社が◎になってたのを今朝見たから慌てて俺も出社にしたよ~」

いや、来んなよwww


上司「やっぱり仕事はふぇいすとぅふぇいすがいいよね」
(僕「よくねぇわw」)

僕「ニュアンスとか伝わりやすいっすもんね!(;´∀`)」


その後も僕が出社する日は必ず出社を合わせてくるというストーキング出社をしてくる上司に苦しめられながら、週4~5日のテレワークを続けました。


21年頃に電子ワークフローシステムが導入され、ハンコ出社がほぼなくなったため、完全テレワークをエンジョイすることを決意しました。

ところが、上司からは
「曜日決めて出社してくれ、俺も行くからさ」
「出社したら話したいことがあるから」
と言われていました。

会社で話すのと、電話で話すのと違いが全くないので、理解不能でしたw


そうして無視し続けながらも仕事のパフォーマンスは高い状態を維持し、目標も達成していました。

ところが昭和企業というのは残酷でした。。。


3.懲罰的な人事

異動、昇給、昇格など色んなイベントが発生する22年4月。
年功序列の会社だったので、「今年は昇格するから、収入が増えるなぁ、、、うふふ」と思っていました。


部長「タクミンさん、異動。サトウくん(仮名)、昇格」

僕「?!??!?!?!?!?!?!?!」

そう、僕は昇格しなかったのです。
しかも異動先はパワハラで有名な管理職がいる部署。最悪です。


サトウくん(仮名)は仕事ができないけど、上司から言われたことは忠実にやりきる社畜です。
上司の意向が最優先なのでチームメンバーからの評判もめちゃくちゃ悪いです。
ところが昇格・・・?


チームメンバーから言われたのは
「タクミンさんは出社しないから今回評価が低かったらしいですよ。サトウくん(仮名)は週3日以上出社して、上司が出社している時も必ず来ていた」

ということでした。


なるほど、社畜>>>(越えられない壁)>>>成果、ということね( ;∀;)


サラリーマンは会社に逆らえない。
結果も覆らない。

4.何かがおかしい、、、

22年4月仕事の引継ぎをしながら、新しい上司と目標の設定と業務の進め方についてすり合わせをしていました。

パワハラ系ゴリラだったので、言うことが精神論(抽象的)なうえに、「つまり、こういうことですか?」と質問すると、「違う!俺の話を聞いてたのか?!」とキレる感じでした。。


上司ガチャ外れか、、、生活のために働かないといけないし、転職しようかなと思っていました。


コロナ禍と5年ぶりの部署異動により、疲れがたまっているのか、朝起きるのがしんどくなり、食欲もなくなっていきました。


わりと人と話すことは好きなのですが、会議中の発言も少なくなり、心配してくれた同僚(元人事部)から産業医に相談してはどうかとアドバイスをもらいました。



5.望まずして叶うFIRE(疑似)

産業医との面談を終え、人事部から呼ばれてこう告げられました。
「休職することをオススメします。上司には人事から話をしておきます」


詳細は割愛しますが、会社の休職制度を使って在籍しながら休むことができることになりました。
大企業だったので、休職期間中は基本給のみ全額支給という制度でした。

しかも最長1年可能(定期面談あり)です。


とりあえず毎月の生活を心配しないですむ収入を確保しながら、仕事を休むことができることになりました。


「あれっ、これってFIREっぽいな」
療養のために休んでいるだけで、いずれは仕事に復帰するか、復帰できなければ退職という期限付きのFIRE生活の始まりです。

6.FIRE1か月目「人生そんな美味い話しはないと理解」

とりあえず生活リズムは維持しながら、ゆっくりと静養しよう。

大学生以来の長期休暇に少し心を躍らせながら、この期間を利用して何をしようかなぁと妄想していました。


ところが、夢見ていた平穏な日々はすぐに崩れさりました。

【息子、骨折(全治1.5ヵ月)】

幼稚園生の息子が遊んでいる途中に左腕を骨折しました。

わんぱく小僧なので、いつも気をつけなさいと注意していたのですが、ついに大事に。。。

幸いにも利き腕ではなかったので、着替えとトイレ、お風呂以外はあまり支障なく過ごせました。


とはいえ、想定してた静かなFIRE生活とは異なり、毎日子どもの世話をするという慌ただしい日々に早変わり。

主婦のような生活になったけど、子どもが小さいうちに過ごす時間が増えるのはいいことだなと前向きに考えました。


7.FIREから3か月「積みゲーを遊びまくる」

毎月給料日になると、全く仕事をしていないのに給料が振り込まれていました。

罪悪感があったのは最初の1ヶ月だけで、これは慰謝料みたいなもんだなと勝手に解釈して、遊ぶことに決めました。

Switchでセール中に買った積みゲーをとにかく攻略していきました。

体調が万全なわけではなかったので、ゲームをするにも疲れます( ´ー`)フゥー...

先のことはとりあえず考えなくていいやーと無責任なことを考えながら、職場の人事部との定期面談や心療内科でもまだ休養が必要だとアピりまくって継続した休みを獲得しました。


「絶対1年間フルで休んでやる!」と謎の固い決意をしました。


8.FIREから半年「人と交流したくて元気に遊びに出かける」

息子の骨折が治ってからは幼稚園の送迎をしいましたが、周りはママさんばかりなので会話することもほとんどありません。

妻と息子以外にも話し相手がほしいなぁ、と思うようになり、精神的に回復してきたことを実感しました。

学生時代の友人とも疎遠になってしまったこともあり、何か人と楽しく関わる方法はないかなぁと考えていました。


そんなときにふと目に飛び込んできたのが『ワンピースカードゲーム発売!』でした。


ワンピースといえば小学生の頃から少年ジャンプで連載している超人気漫画!
僕も映画を観に行ったり、ゲームを遊んだりするくらい好きでした。


トレーディングカードゲームは初代のポケモンカードや遊戯王以来、20年ぶりでしたが、久しぶりにリアルな対人ゲームでもやるかと思い始めました。


品切れで全然買えなかったけどw
上京してから始めてカードショップに行ってカードを集めたり、Xで知り合った人と対戦しながら楽しく遊んでいました。


大会にも出たりして楽しかったです。

その節は大変お世話になりました。
SNSでの交流も捨てたもんではないですね。

9.FIREから9か月目「Back or Out」

気づけば休職してから半年以上が経ち、年も変わりました。
遊びすぎたおかげでとても元気になり、会社からも『そろそろ復職に向けてリハビリや復帰後の職場についても考えていこう』と言われ始めました。


働きたくないでござる……。
それが本心だ。

しかし休職期間が満了すると退職して無職=無収入になります。

家族を養う身としてはヤバすぎる。
幸いにも復帰するという手段があるので退路が途絶えたわけではない。

Back(復帰)or Out(転職)の岐路に立っているのだ。


そこで転職活動をすることにした。
エージェントにも職務経歴書にも『体調を崩して休職中』と素直に記載していましたが、やはりリスクのある人材、しかも30半ばで転職経験0のため、書類で50社は落ちました。


人生オワタ……\(^o^)/
なんで20代のうちにキャリアの方向性を考えなかったのか、労働環境を変えようとしなかったのか、今となっては不思議なんだけれど、勇気がなかったのである。


非情な現実を突きつけられて人はようやく気づくのかもしれないね。


転職エージェント大手2社を並行して活用していたけど、もう紹介する気もないのかほとんど連絡もなくなり、送られてくる求人もいかにもシステマチックにやってます感が凄かった。


10.FIRE終了

最後の望みとして、中小の特化型エージェントを使ってみることにした。
これでダメだったら復帰して、社畜として定年まで耐えよう。
そう思っていた。


相変わらず書類で落ちる。
しかも最悪なことに、応募したいとエージェントに伝えた企業の大半がエージェントのミスにより応募されてなかったのである!

休職期限切れまでリミットが迫っているのに、なんということだ………。


これは諦めろというお達しなのかもしれない。と思っていた。

唯一、休職中のことを気にせずにキャリアを評価して面接を進めてくださった企業が一社だけあった。


この一社の結果出たら辞めよう。
そう決意した。


【内定!!!】

よくわからないけど、最終面接(役員)はほぼ雑談して終わった。

将来に希望が見えた瞬間だった。


同時に休職中の会社には復帰せずに退職すること。
退職後は別の会社で働くことを告げ、淡々と事務手続きをして終わりました。


ハラスメントやサービス残業など酷い仕打ちも散々うけたけど、最後の1年間慰謝料……もとい休職中の給与保障があって本当に助かった。

ありがとう。


そうして僕の1年間に及ぶ疑似FIRE生活は終わりを告げた。


11.疑似FIREを経験して思うこと

転職後は新しい人間関係の構築や仕事を覚えることに精一杯で結構大変だった。

あっという間に1年が経ちそうになっている。

前職との単純比較になるが、良い会社に入れたことに日々感謝している。

捨てる神あれば、拾う神あり。だね。


うっかりと1年間疑似FIREした経験を振り返って思うことは
【働きたくない】
の一言に尽きるw


人と関わることの重要性や、承認欲求などもわかるが、色んな人と関わることの煩わしさはやはりストレスである。


サラリーマンだから仕方ないんだけど、やりたくないことをやって評価されることの苦痛を味わい続けるのがしんどいよね。


投資を続けながら本当のFIREができる日を目指します。


タクミン

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